表紙
歴史[編集]
表紙デザイン[編集]
20世紀初頭のアーツ・アンド・クラフツ運動とアール・ヌーヴォーが表紙デザインに現代のルネサンスを喚び起こし、ヨーロッパ、ロンドン、ニューヨークの先進的な出版社を通じて成長の途にあった大衆的な出版業界全体へと浸透した。抜本的に現代的な表紙デザインとしては1920年代のソ連でアレクサンドル・ロトチェンコやエル・リシツキーといったアヴァンギャルドの芸術家たちによって生み出されたものがある。大きな影響力のあった初期の表紙デザイナーには他に、﹁イエロー・ブック﹂︵1894年-1895年︶の最初の4巻の目覚ましい表紙をデザインしたオーブリー・ビアズリーがいる。 戦後には、表紙は書籍出版界が競争市場となった中で極めて重要な要素となった。今日では表紙は本のスタイル、ジャンル、主題の詳しい手掛かりを与えるものとなり、多くの出版社は少しでも顧客の目を引こうと極限までデザインに凝るようになった。インターネット販売の時代になっても、表紙は二次元デジタル画像の形で本がオンラインで識別され売れるのを助ける機能を果たし続けており、その重要性はほとんど減じていない。記載内容[編集]
表表紙には書名と、著者名など最低限の書誌事項が入っている。日本では、一般的に書名が一番上に配置され、目立つようにされているが、洋書では著者名が一番上に配置され、書名より目立つことも多い。類義語﹁書影﹂[編集]
書籍出版業界では、本の外観、とくにその画像のことを﹁書影﹂という。表紙まわり[編集]
表紙まわり︵ひょうしまわり︶とは、本、特に雑誌の表紙4面のことをいう。﹁表まわり﹂ともいう。 ●定義 表紙を﹁表1﹂、表紙の裏側にある面を﹁表2﹂、裏表紙を﹁表4﹂、裏表紙の裏側を﹁表3﹂と呼び、これらをまとめて表紙まわり、または﹁表まわり﹂と呼ぶ[2]。出版用語、印刷用語であると同時に広告用語でもある。 ●印刷、出版の観点からの表紙まわり ●背表紙 ﹁表1﹂、﹁表2﹂、﹁表3﹂、﹁表4﹂に加えて、背表紙も含めて表紙まわりとする。背表紙は、リング綴じ製本や中綴じ製本では、生じない[3]。 ●表紙まわりの印刷原稿作成・データ入稿 表紙まわりの印刷原稿・データは一般的に4面をセットで入稿する。その際も、﹁表1﹂︵表紙︶と﹁表4﹂︵裏表紙︶、﹁表2﹂と﹁表3﹂のそれぞれに背表紙分の背幅を加えて原稿・データを作成する。 ●広告の観点からの表紙まわり ●雑誌の場合、表紙まわりは、本文に掲載する広告よりも目立つことから広告効果が期待され、料金設定が高めに設定してあるのが一般的である[4]。 ●なかでも、裏表紙の﹁表4﹂は、外側に露出していることから、最も注目度が高く広告料金も高くなっているのが一般的である[4]。回数券の﹁表紙﹂[編集]
冊子状となっている回数券では、綴りこんだ券面とは別に﹁表紙﹂が付いていることがあるが、マルスから1枚ずつ出てくるようなJRの回数券タイプの特別企画乗車券の中にも、有効な乗車券とは別に﹁表紙﹂という券がついてくる事例が存在する[5]。この﹁表紙﹂は回数券として使用はできないが、払い戻しの際に表紙も必要とされることがある[5]。出典[編集]
- ^ Amazon.co.jpのe託販売サービスの商品画像のガイドラインでは、書籍は帯の無い画像が優先されると規定されている。
- ^ 株式会社ユニ報創 雑誌広告について
- ^ 無線綴じの背幅について/同人誌印刷 Comflex
- ^ a b 雑誌広告スペース 広告代理店メディアプロ
- ^ a b 東京新幹線自由席回数券 東海旅客鉄道、2016年8月21日閲覧。
関連項目[編集]
●装幀︵ブックデザイン︶
●ブックカバー - 英語ではbook coverは表紙のことである。
●帯 - 表紙、外箱、ブックカバーのさらに外を部分的に覆う宣伝用の紙。
●和綴、和装本 - 日本の伝統的な書物での表紙の形態。
●黄表紙 - 江戸時代の草双紙の1分野。