2進接頭辞
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バイトの単位一覧 | |||||
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SI接頭語 | 2進接頭辞 | ||||
単位(記号) | SI基準 | 慣用値 | 単位(記号) | 値 | SIとの差(概数) |
キロバイト (kB) | 103 | 210 | キビバイト (KiB) | 210 | 2.400000% |
メガバイト (MB) | 106 | 220 | メビバイト (MiB) | 220 | 4.857600% |
ギガバイト (GB) | 109 | 230 | ギビバイト (GiB) | 230 | 7.374182% |
テラバイト (TB) | 1012 | 240 | テビバイト (TiB) | 240 | 9.951163% |
ペタバイト (PB) | 1015 | 250 | ペビバイト (PiB) | 250 | 12.589991% |
エクサバイト (EB) | 1018 | 260 | エクスビバイト (EiB) | 260 | 15.292150% |
ゼタバイト (ZB) | 1021 | 270 | ゼビバイト (ZiB) | 270 | 18.059162% |
ヨタバイト (YB) | 1024 | 280 | ヨビバイト (YiB) | 280 | 20.892582% |
ロナバイト (RB) | 1027 | 290 | ロビバイト (RiB) | 290 | 23.794004% |
クエタバイト (QB) | 1030 | 2100 | クエビバイト (QiB) | 2100 | 26.765060% |
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2進接頭辞︵にしんせっとうじ︶は、単位に2のべき乗を乗じたものを表す単位︵その単位の二進の倍量単位︶を示す接頭辞である。
経緯[編集]
デジタルコンピュータが扱うデータの大きさを表す単位︵ビット、バイトやオクテット︶に付す接頭辞などとして使われる。 2進接頭辞の名称に、SI接頭語に由来するキロ、メガ、ギガ等を誤差を無視して流用する慣習があるが、これは俗習である。国際度量衡総会 (CGPM) で決定されたSI接頭語は厳密に10の整数乗を表しているのであってSI接頭語が2のべき乗を表すことは決してない。 二進法ベースのシステムでは、その数量について2のべき乗︵2のべき︶がよく現れる。そこで大きな量を表す際、SI接頭語のキロが表す乗数1000に近い1024 (= 2の10乗(210)) やSI接頭語のメガが表す乗数1 000 000に近い1 048 576 (= 220) について、キロやメガを接頭語として主にバイトやビットといったデータの大きさの単位と組み合わせて使用されるようになった。例えば1キロバイトや1メガバイトは、記号を使用して1KB、1MBと書き、また、会話において当事者同士で単位について暗黙または明示的な合意があると認識している場合、単位を省略して1キロ、1メガといった言い方を慣用的に使ってきた。その後、データ規模の拡大に伴い、より大きな乗数を表すギガ、テラ、ペタなども同様に使われる様になった。 なお、特に記憶装置の関連などにおいて、底が2なのか10なのか不明確に扱われる場合がある。特に、メーカーがハードディスクの容量を示す際などに顕著である。さらには乗数が増えるほど流用元のSI接頭語が表す乗数との誤差が大きくなるため、ギガ、テラ等の利用が進むにつれ不都合が増えてきた。下表の通り、キロでは誤差2.4%と有効数字2桁の範囲で不都合は生じないが、テラでは誤差が約10%となり有効数字2桁の範囲でも無視できなくなる。 1998年、IEC︵国際電気標準会議︶はSI接頭語と区別できる新たな2進接頭辞を承認した。210、220、230などの乗数を表す接頭辞はIEC 60027-2ではそれぞれキビ、メビ、ギビなどとなり、1024バイトは1キビバイト、1 048 576バイトは1メビバイトとなる。同様の規格がIEEEでもIEEE 1541-2002として成立している。IEC 60027の2進接頭辞の規定はIEC 80000-13:2008に取り込まれた。しかし、普及は進んでおらず、混乱の解消には至っていない。情報技術系企業でさえ、利用度は高くはない。[独自研究?] これに対して1999年、JEDECはJESD100-Bを定め、記憶装置の容量を表す場合に限りSI接頭語と同様の名称を2のべき数に用いるものと定義した[1]。すなわち、この規格において1024バイトを1キロバイト、1 048 576バイトを1メガバイトなどと呼ぶことは適正とされる。従来の用法[編集]
名前 | 記号 | 乗数 | SI接頭語の乗数 |
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キロ (kilo) | k | 210 = 1 024 | 103 = 1 000 |
メガ (mega) | M | 220 = 1 048 576 | 106 = 1 000 000 |
ギガ (giga) | G | 230 = 1 073 741 824 | 109 = 1 000 000 000 |
テラ (tera) | T | 240 = 1 099 511 627 776 | 1012 = 1 000 000 000 000 |
ペタ (peta) | P | 250 = 1 125 899 906 842 624 | 1015 = 1 000 000 000 000 000 |
エクサ (exa) | E | 260 = 1 152 921 504 606 846 976 | 1018 = 1 000 000 000 000 000 000 |
ゼタ (zetta) | Z | 270 = 1 180 591 620 717 411 303 424 | 1021 = 1 000 000 000 000 000 000 000 |
ヨタ (yotta) | Y | 280 = 1 208 925 819 614 629 174 706 176 | 1024 = 1 000 000 000 000 000 000 000 000 |
キロの記号は SI接頭語の k と区別して K が使用される。それ以外の記号はSI接頭語と同じで区別できない。
IEC 規格の接頭辞[編集]
詳細は「IEC 60027-2」を参照
名前 | 記号 | 乗数 |
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キビ (kibi) | Ki | 210 = 1 024 |
メビ (mebi) | Mi | 220 = 1 048 576 |
ギビ (gibi) | Gi | 230 = 1 073 741 824 |
テビ (tebi) | Ti | 240 = 1 099 511 627 776 |
ペビ (pebi) | Pi | 250 = 1 125 899 906 842 624 |
エクスビ (exbi) | Ei | 260 = 1 152 921 504 606 846 976 |
ゼビ (zebi) | Zi | 270 = 1 180 591 620 717 411 303 424 |
ヨビ (yobi) | Yi | 280 = 1 208 925 819 614 629 174 706 176 |
語源は近い値のSI接頭語の先頭部分に2進を表すbiを付けたもので、記号ではSI接頭語の記号にiが付く。ただしキビについてはkが大文字になってKiとなる。
2007年時点ではこの表現方法はまだ広く使われていない。2005年までは、SI接頭語のエクサに対応するエクスビまでしか定められておらず、ゼタ (1021) 、ヨタ (1024) に対応する2進接頭辞はなかった。2005年8月、IECは、エクスビ以上の接頭辞としてゼビ (zebi) 、ヨビ (yobi) を正式に導入した。