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Altair 8800

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Altair 8800(アルテア 8800)は、1974年12月アメリカMicro Instrumentation and Telemetry Systems (MITS) が開発・販売した個人用のコンピュータである。一般消費者向けに販売された最初期の個人用コンピュータであり、「世界初のパーソナル・コンピューター」とも称される[1]

Altair 8800

発売の経緯

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個人用コンピュータの可能性

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Altair88001970

1970LSIHITAC 5020 
Scelbi-8H

Altair8800The Scelbi-8H1974 i8008 Jonathan Titus' Mark 8 kit computer1974 i8008

発売

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1Altair8800 MITS3974983439621i8080350

BITpersonal computer234,00019752,000
AS-R33Atair8800

CP/MASR-33VT-100CRT使

Altair8800MITS1000600



MITSAltairMITSAltair

日本で紹介

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日本ではAltair8800の発売後まもなく、『ポピュラーエレクトロニクス』誌1975年1月号に部品リストや回路図が掲載され、コンピュータを組み立てることを同誌が読者に提案する企画として扱われた。しかし実際にはポピュラーエレクトロニクス誌宛に送られた完動品のAltair8800は輸送途中で行方不明となり、ポピュラーエレクトロニクスの表紙には代わりに急遽作成された中身のない筐体にランプをつけただけのダミーの写真が掲載された。

機能

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Intel 8080CPU使CPU

4KB  BASIC Altair BASIC BASICBASICAltair BASIC $350

名前の由来

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AltairMITSEd RobertLes Solomon12LaurenEdLes[2]6Altair VI6TOS21

Altairの系譜

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AltairCPUi8080使Altair8800MC6800Altair680

Altair8800 (Altair8800) (Altair8800a)  (Altair8800b) TURN-Key(Altair8800bT)TURN-KeyCP/M

OSATBIOSAltairBIOSIPLROM

アーキテクチャ

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CPU8080(2MHz)256Altair busS-100

LED



(一)HALTHALTCPU

(二)

(三)2HALT

(四)0


S-100バス

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S-100AltairStandardS100

MITSAltairAltair busAltair

Altair busi8080 CPU2MHzAltair680M6800CPU8816

205V12V8V18V12V5V1/3Altair

S-100Altair busMITSS-100AltairBUS

MITSMITSIMSAIMITS

S-100IEEE-696MITSAltairS-100ATIBMPC(IBM-PC/AT)ISA

1970年代の「互換機市場」

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AltairCPUAltairBUSS-100

S-100

AltairS-100PC-ATCPU

ST-506CP/MBASIC

AltairCPUS-100CPUZ8064KB

互換機

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Altair8800S-100PC/ATAltairAltairONCP/MAltair

Cromemco SystemI/II

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Cromemco System I

1976S-100S-100

4MHzZ80A CPU64KBRAM252DSystem IFDD155HDDSystem II

8FDD2CP/MMP/MCromemco System III

IMSAI 8080

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IMSアソシエイツ(IMSAI)の組立てキットで完成品もあったコンピュータで、Altairの完全互換機。CPUはAltairと同じ2MHz駆動の8080でありながら、基板の設計や筐体の組み付け、デザインはより洗練され、電源の容量にも余裕があり、フロントパネルのスイッチ類にもAltairより視認しやすく信頼性の高いものが使われている。

また、内部のS-100バススロットも最大で22基搭載しており、メモリカード(当時のメモリは高価であり、ホビイストや学生などの経済的に余裕のない個人ユーザーは、8KBや16KB単位で増設することが多かった)やSIO(シリアルポート)、PIO(パラレルポート)、FDD、CMT(テープ)、ビデオカード等の増設にも耐えたこと、またこれらのペリフェラル類が最初からオプションとして揃っていることなど、CP/M環境を組み立てるコアとしてはAltairよりも評価が高く、Altairの欠点を潰した「Altairの本来あるべき姿」といった評価もあった。

North Star Horizon

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ノーススター・コンピューターズ社の2FDD内蔵のフレームタイプコンピュータである。なお、当時の取り扱い代理店であった工人舎は、後にソーテックと社名変更しPC事業を続けた(現在はオンキヨーに吸収合併)。

Sol-20

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プロセッサ・テクノロジー製で、S-100バス互換機でありながらキーボード一体型の製品。スロット数は4本で横置き。最初期のS-100カードに比べて集積率が上がったコンボカードや、メモリ容量が格段に増えたメモリカード等が市場に登場したことにより、スロット数が少なくても実用に足る製品構成が可能になったために登場した製品である。本来Sol-20自身がAltairの互換製品であるが、このSol-20用のZ80プロセッサアップグレードキットZOLがさらにサードパーティによって発売されていた。日本ではムーンベース(南新宿に存在したマイコン専門店)から745,000円で販売された。

Legacy8080

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2014[3]CP/MOS[4]LEDUSBMIDI[5]

その他

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マイクロソフト製アルテア用BASICインタプリタの穿孔テープ
  • マイクロソフトのサクセスストーリーは、元来ビル・ゲイツポール・アレンがこのAltairのメモリを4KBに拡張してBASICインタプリタを移植するところから始まっている。BASICの移植自体はマイクロソフトの初仕事ではない。ポール・アレンは、Altairの開発・販売元であるMITSのソフトウェア部長となるとほぼ同時に、ビル・ゲイツと共にマイクロソフトを設立している。
  • ハリウッド映画『ウォー・ゲーム』で主人公が自宅で扱っていたコンピュータは、Altair8800の互換機IMSAI8080で、ノベライズ版ではAltair8800を使用している。

脚注

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  1. ^ 世界初のパーソナルコンピュータ「Altair 8800」の開発者E・ロバーツ氏、死去” (2010年4月2日). 2017年9月13日閲覧。
  2. ^ アメリカのテレビ放送では、新作と再放送のエピソードをいくつか混ぜて放送したりする。日本のように「再放送」として全部を元の順番通り放送するようなことはあまりなかった。
  3. ^ 技術少年出版
  4. ^ “Altair 互換機で学ぶプログラミングの原点”. 日経ソフトウエア (日経BP). (2014-10). 
  5. ^ “伝説の編集者が蘇らせる古のパソコンを見た”. PC Watch. (2014年4月3日). https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/musashino_proto/642592.html