OSDN
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URL |
ja |
---|---|
言語 | 日本語、英語 |
タイプ | 協働型バージョン管理・ソフトウェア開発管理システム |
運営者 | 开源中国 |
設立者 | VA Linux Systems Japan |
営利性 | 営利 |
登録 | 任意 |
開始 | 2002年4月 |
現在の状態 | 運営中 |
Open Source Development Networkは、OSDN︵オーエスディーエヌ︶と略し、中国企業の开源中国︵OSCHINA︶が運営する、日本向けのオープンソースソフトウェアプロジェクト向けのホスティングサイト。かつてはSourceForge.netの姉妹サイトで[1]、2015年5月11日にサイト名称がSourceForge.JPからOSDNに変更された[2][3]。
SourceForge.JPの公式キャラクター[4]
概要[編集]
提供されているサービスはSourceForge.netとかぶる部分が多いが、コンパイルファームのようにOSDNにしかないサービスもある︵詳細はサービスの節を参照︶。OSDNではホスティング費用は発生しないが、オープンソースプロジェクトホスティングサイトなので、開発成果はオープンソースとして公開する必要がある。ライセンスはOSIにオープンソースライセンスとして承認されているものが利用可能。企業によるオープンソース活動の拠点としても利用されており、登録開発者には個人のほか、それらの企業に所属する開発者も多い。 开源中国の買収を境に接続が不安定な状況が続いている。このため、GitHubなど他のホスティングサービスに移行したプロジェクトも存在する[5][6]。 2017年4月現在の登録プロジェクト数は6,174、登録ユーザ数は53,997。沿革[編集]
SourceForge.netの日本語版サイトとして、VA Linux Systems JapanのOSDN事業部によって2002年に設立[1]。2002年3月ベータ公開、2002年4月正式運用開始。 2007年8月、佐渡秀治がOSDN株式会社を設立し、2007年9月1日にVA Linux Systems JapanからスピンオフしたOSDN株式会社に事業譲渡された[7]。 2015年5月11日、SourceForge.JPからOSDNに改名。 2016年10月3日からサイトドメインがosdn.jpからosdn.netへと変更された。他サイトの不祥事(SourceForge.net)[8][9]が要因で海外オープンソースプロジェクトの登録が増加し、ダウンロードミラーサーバーが海外に設置されるなどしてjpドメインの実態がそぐわなくなってきたため[10][11]。 2020年2月1日、OSDN株式会社から株式会社アピリッツに事業が譲渡され、全従業員は新設されたOSDN部に移動した[12][13]。OSDN株式会社の社長および所有者であった佐渡秀治は2021年10月14日に株式会社アピリッツを退社[1]。 2022年、株式会社アピリッツから中国企業の开源中国︵OSCHINA︶に譲渡された[14][15]。サービス[編集]
OSDNで提供されている主なサービスは以下のとおり。CVS/SVN/Git/Mercurial/Bazaarリポジトリ[編集]
ソースコードをバージョン管理するためのリポジトリ。従来はバージョン管理システムとしてCVSだけが利用可能だったが、2007年3月からSubversion (SVN)、2008年11月からGit、2009年10月からMercurial、2009年11月からBazaarも利用可能になった。プロジェクトWiki[編集]
2007年に追加されたWikiツール。Trac、MoinMoin風の文法が使えるが、実装はOSDN独自のもの。ファイルリリースやトラッカーなどOSDNの他のツールの情報を埋め込むためのプラグインを備えている。プロジェクトWeb[編集]
ホスティングされているプロジェクトが自由に使えるWebスペース。CGI等も自由に設置できる。基本的にサイト名は﹁プロジェクト名.osdn.jp﹂となるが、独自ドメインを所持している場合はそれを割り当てることもできる。コンパイルファーム[編集]
ソフトウェアをビルドするためのサーバ群。SSHで接続して利用する。ちなみにSourceForge.netではコンパイルファームは提供されていない。2010年11月末でサービス終了。[16]以下のプラットフォームが利用可能。アーキテクチャ | OS |
---|---|
x86 | Debian GNU/Linux |
x86-64 | Debian GNU/Linux |
x86 | NetBSD |
PPC | Mac OS X |
シェルサーバ[編集]
シェルの機能を利用するためのサーバ。主にプロジェクトWebのコンテンツ管理に用いる。
トラッカー[編集]
バグ報告や機能の追加要望等を管理するためのツール。
ML/フォーラム[編集]
開発者間、開発者/利用者間でコミュニケーションを取るためのメーリングリストとディスカッションフォーラム。
ファイルリリース/ダウンロードミラー[編集]
ソフトウェアのパッケージ(バイナリパッケージやソースパッケージなど)を配布するためのツール。ファイルリリースに登録したパッケージは、ミラーサーバ群にもコピーされる。
ホスティングされている主なプロジェクト[編集]
- akj eclipse rcp:Eclipse RCPを利用したマルチメディアツール群
- All-In-One Project:開発に便利なツールをまとめたインストーラ(All-In-One Eclipse、All-In-One Trac)
- Amateras:Javaベースの開発ツール/ドキュメント
- Anthy:かな漢字変換エンジン
- BathyScaphe:Mac OS X用の2ちゃんねるブラウザ
- Berry Linux:マルチメディアに強いライブCD Linux
- blanco Framework:Excelブックの仕様書からソースを自動生成するツール
- Cabos:Javaで書かれたクロスプラットフォームのP2Pツール
- FFFTP:Windows用2ペイン型FTPクライアントソフト
- GLOBALBASE PROJECT:完全自律分散型のGIS
- CotEditor:Mac OS X用のテキストエディタ
- Hinemos:複数のコンピュータを単一のシステムイメージで運用管理
- M+ FONTS:フリーな日本語フォント
- MergeDoc:Eclipse用の日本語化関連ツール、プラグイン
- Mysaifu JVM:Windows Mobileで動作するJVM(Java Virtual Machine)
- Network Kanji Filter (nkf):歴史の長い文字コード変換ツール
- NNsi:PalmOS用のWebクライアント集
- PukiWiki:PHPで動作するWikiツール
- Tera Term:Windows用の端末エミュレータ/SSHクライアント
- TOMOYO Linux:LinuxをセキュアOS化するソフトウェア
- ギコナビ:老舗のWindows用2ちゃんねるブラウザ
- さきゅばす:ニコニコ動画の動画をコメント付きで保存するツール
- シイラ:WebKitベースのMac OS X用Webブラウザ
- プロパティエディタ開発プロジェクト:Unicode参照文字で書かれたプロパティファイルを直接編集
- 風博士:肉の日(毎月29日)リリースで有名なGeckoエンジンベースのWebブラウザ
脚注[編集]
(一)^ abc“日米OSDN離合集散、苦闘の21年史”. Shuji Sado. 2023年8月3日閲覧。
(二)^ “Slashdot JapanならびにSourceForge.JP、サイト名称変更のお知らせ”. 2015年4月8日閲覧。
(三)^ “﹁Slashdot Japan﹂が﹁スラド﹂に、﹁SourceForge.JP﹂が﹁OSDN﹂に名称変更”. インプレス︵INTERNET Watch︶. 2020年4月1日閲覧。
(四)^ SourceForge.JP. “SourceForge.JPの公式キャラクター”. 2012年5月9日閲覧。
(五)^ 樽井 秀人 (2023年11月20日). “﹁Tera Term﹂の公式サイトが﹁GitHub﹂へ移転、中国に買収された﹁OSDN﹂の不調で”. 窓の杜. 株式会社インプレス. 2024年1月23日閲覧。
(六)^ “FrontPage”. PukiWiki-official (2023年11月19日). 2024年1月23日閲覧。 “PukiWiki 公式サイトは https://pukiwiki.osdn.jp/ から https://pukiwiki.sourceforge.io/ に移転しました。 (2023/11/19)”
(七)^ “Slashdot Japanはどうなる? OSDN事業部がサンブリッジの100%子会社に”. ITmedia エンタープライズ. 2020年4月1日閲覧。
(八)^ “オープンソースソフトウェアの老舗サイト﹁SourceForge﹂はいかにして堕ちていったのか”. Gigazine. 2020年4月1日閲覧。
(九)^ “SourceForgeとGIMPのバンドル論争”. インプレス︵窓の杜︶. 2020年4月1日閲覧。
(十)^ “OSDN、サイトドメイン変更のお知らせ”. OSDN. 2023年11月21日閲覧。
(11)^ “オープンソースソフトの開発サイト、10月3日より﹁osdn.jp﹂から﹁osdn.net﹂へ”. インプレス︵INTERNET Watch︶. 2020年4月1日閲覧。
(12)^ “OSDN株式会社の事業を株式会社アピリッツへ譲渡した件へのメッセージ”. 2020年4月1日閲覧。
(13)^ “アピリッツ、OSDN株式会社の事業譲受のお知らせ”. 株式会社アピリッツ. 2020年4月1日閲覧。
(14)^ 株式会社インプレス. “﹁OSDN﹂が中国企業に買収 ~日本のオープンソースプロジェクト ホスティングサービス/最近は繋がりにくい状態が続く”. 窓の杜. 2023年7月31日閲覧。
(15)^ “开源中国收购日本老牌开源社区 OSDN - OSCHINA - 中文开源技术交流社区” (中国語). oschina.net. 2023年7月31日閲覧。
(16)^ “コンパイルファームサービス提供終了のお知らせ”. SF.JP. 2010年12月1日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 公式ウェブサイト
- 公式ウェブサイト
- OSDN株式会社 - 2020年2月1日までの運営会社
- OSCHINA - 中文开源技术交流社区 - 2022年以降の運営会社