プーシキン(英語表記)Aleksandr Sergeevich Pushkin

デジタル大辞泉 「プーシキン」の意味・読み・例文・類語

プーシキン(Aleksandr Sergeevich Pushkin)

 
17991837  

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精選版 日本国語大辞典 「プーシキン」の意味・読み・例文・類語

プーシキン

 

(一)( Aljeksandr Sjergjejevič Puškin = ) =
 

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「プーシキン」の意味・わかりやすい解説

プーシキン(Aleksandr Sergeevich Pushkin)
ぷーしきん
Александр Сергеевич Пушкин/Aleksandr Sergeevich Pushkin
(1799―1837)

19世紀ロシア最大の詩人で、ロシア国民文学の創始者。プーシキンの最大の文化的功績は、近代的なロシア文章語の標準の確立と世界文学の水準に達する新しい文学の創造の2点に集束する。

[栗原成郎]

近代ロシア文章語の完成者


1119西20()

 


生い立ち


1799526退()()600101811宿161501720()()181718191()


追放時代

南方追放時代(1820~24)はプーシキンのロマンチシズムの開花期にあたり、バイロンの影響のもとに『コーカサスの捕虜』(1820~21)、『盗賊の兄弟』(1821~22)、『バフチサライの泉』(1822~23)の3編の物語詩が書かれた。1823年には韻文小説『エウゲーニー・オネーギン』が起稿される。そのころからロマン主義の限界が意識されるようになり、物語詩『ジプシー』(1824)においてはバイロン的主人公に対して批判の目が向けられ、のちに詩人の重要課題となる個人と社会、自由と運命の問題が鋭く提起される。

 1824年夏、無神論を肯定した手紙が理由となって官職を解かれ、母方の領地プスコフ県ミハイロフスコエ村に幽閉の身となる。ミハイロフスコエ村蟄居(ちっきょ)の2年間に悲劇『ボリス・ゴドゥノフ』(1825)を完成した。

[栗原成郎]

傑作散文の完成


18261315034()

 ()()18331836183318341837127238


国民詩人

プーシキンの本領は叙情詩の分野においてもっともよく発揮される。彼の詩の主要な特徴は音(おん)・リズムと意味・イメージとの自然な結び付き、完全な調和にあり、自己の精神体験に基づいた心底から湧(わ)き起こる志向と感情が音楽性を伴って表現される点にある。プーシキンは、ロシアの真実、ロシア人の国民性、ロシアの歴史的・社会的条件を記述しえた真の意味での国民詩人であり、ロシア文学を普遍的なものに高めた。

[栗原成郎]

『『プーシキン全集』全6巻(1972~74・河出書房新社)』『池田健太郎訳『オネーギン』(岩波文庫)』『神西清訳『スペードの女王・ベールキン物語』(岩波文庫)』『金子幸彦訳『プーシキン詩集』(岩波文庫)』『神西清訳『大尉の娘』(岩波文庫)』『池田健太郎著『プーシキン伝』(中公文庫)』



プーシキン(ロシア連邦)
ぷーしきん
Пушкин/Pushkin


西93600199618殿1819殿1917Царское СелоTsarskoe Selo37Детское СелоDetskoe Selo



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改訂新版 世界大百科事典 「プーシキン」の意味・わかりやすい解説

プーシキン
Aleksandr Sergeevich Pushkin
生没年:1799-1837


Abram Petrovich Gannibal1697-178111811115018152018171818

 1820-241821182418251831251︿

 31︿504︿1823︿1833︿18341836G.37127237

 2︿1調1883 西


プーシキン
Pushkin

ロシア連邦,ヨーロッパ・ロシア北西部,レニングラード州の都市。サンクト・ペテルブルグの南24km。人口9万4900(1993)。1728年から1918年までツァールスコエ・セローTsarskoe Selo,37年までジェツコエ・セローDetskoe Seloと称された。プーシキン死後100年を記念して現在の名称となった。ジェツコエ・セロー時代には,子どもたちのためのサナトリウムが設けられていた。スウェーデンの古い記録にはサアリス・モイシオ(島,農場)とあり,それがロシア化され,サールスカヤ・ムイザ(ムイザは農園付き別荘の意),サールスコエ・セローとなったが,ピョートル1世の皇后(ツァリーツァ)に所領として与えられた後,ツァールスコエ・セローと呼ばれるようになった。女帝エリザベータ・ペトロブナ(在位1741-61),エカチェリナ2世(在位1762-96)時代に主要な宮殿,庭園が造られ,19世紀になるとペテルブルグの貴族,上流階級の避暑地として発展した。1811年,貴族の子弟のための教育機関リツェイ(学習院)がこの地に設立され,プーシキンが11-17年ここに学んだ。1917年春,革命軍に捕らえられた皇帝ニコライ2世はここのアレクサンドロフ宮殿に監禁されていた。19年10月白衛軍に一時占拠された。41年9月から44年1月までこの町を占領したドイツ軍は,クアレンギやラストレリによって建築された美しい宮殿を徹底的に破壊した。第2次大戦後,再建,修復に多大の努力が注がれ,現在では少なくとも外観上は革命前の姿に復元されている。
執筆者:

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百科事典マイペディア 「プーシキン」の意味・わかりやすい解説

プーシキン

 
182018331825183018341836
 

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プーシキン」の意味・わかりやすい解説

プーシキン
Pushkin, Aleksandr Sergeevich

 
[]1799.6.6. 
[]1837.2.10. 
 ()  Vol'nost' (1817)  Kavkazskii plennik (182021) 37  
 


Pushkin

 
西1918 Tsarskoe Selo191837 Detskoe Selo18殿1837殿18192 () 84628 (2002)   

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「プーシキン」の解説

プーシキン
Aleksandr Sergeevich Pushkin


17991837


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旺文社世界史事典 三訂版 「プーシキン」の解説

プーシキン
Aleksandr Sergeevich Pushkin

1799〜1837
ロシアの詩人・小説家
ロマン主義をへてリアリズム文学の基礎を築き,ロシア近代文学の創始者と呼ばれる。代表作『オネーギン』『大尉の娘』など。

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世界大百科事典(旧版)内のプーシキンの言及

【エフゲーニー・オネーギン】より

…ロシアの国民詩人プーシキンの,8章から成る韻文小説。1825‐32年刊。…

【児童文学】より

…ユダヤ人のカニグズバーグE.L.Konigsburg,I.B.シンガー,黒人のハミルトンH.Hamiltonがすぐれ,ほかにフォックスP.Fox,ボイチェホフスカM.Wojciechowskaらが問題作を書いている。
[旧ソ連邦]
 かつてロシアでは,A.S.プーシキンが民話に取材して《金のニワトリ》(1834)などを書き,エルショフP.P.Ershovが《せむしの小馬》(1834)を作り,I.A.クルイロフはイソップ風の寓話を,V.M.ガルシンは童話的な寓話を書いたが,いずれも権力に刃向かう声であった。F.K.ソログープは暗い影の多い不思議な小説を作り,L.N.トルストイはおおらかな民話と小品を発表した。…

【ビャーゼムスキー】より

…ロシアにおけるロマン主義の最も代表的な宣伝普及者の一人。プーシキンの親友で,彼にバイロンの意義を説いた。初期の詩は古典主義的・知性的要素を多くとどめているが,1820年代後半にはロマン主義的モティーフをうたったすぐれた抒情詩(《滝》(1825),《波立ち》(1829)など)を数多く書いた。…

【翻訳】より


︿(A.S.)/

【ロシア語】より


New Russian A.S.(17991837)Modern Literary Russian193050

【ロマン主義】より

… その他の国々では,ロマン主義は多くの場合国家統一へと向かうナショナリズムの進展と並行し,国民的な意識の高揚を目ざす国民文学運動として展開された。例えば,イタリアではリソルジメントと呼応しマンゾーニやレオパルディが文学運動を推進し,あるいはロシアではプーシキンやレールモントフらが,フランス文学の影響を排してロシア固有の文学の創造を目ざす国民文学運動としてのロマン主義を展開した。 この汎ヨーロッパ的な文芸運動も19世紀中ごろにはほぼ終わり,リアリズム等の旗印のもとに各国の社会状況に即した文芸思潮が登場した。…

※「プーシキン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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