ヤスパース(読み)やすぱーす(英語表記)Karl Jaspers

デジタル大辞泉 「ヤスパース」の意味・読み・例文・類語

ヤスパース(Karl Jaspers)

 
18831969  

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精選版 日本国語大辞典 「ヤスパース」の意味・読み・例文・類語

ヤスパース

 

(一)( Karl Jaspers  ) 
 

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤスパース」の意味・わかりやすい解説

ヤスパース
やすぱーす
Karl Jaspers
(1883―1969)

ハイデッガーと並んでドイツの実存哲学を代表する哲学者。

[宇都宮芳明 2015年4月17日]

生涯


223沿1901190219081913191619191921103

 193319371938

 19454()19481961退19692261947194819501955119571962

 2015417

著作と思想


123()19491958

 2015417

3719611985

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改訂新版 世界大百科事典 「ヤスパース」の意味・わかりやすい解説

ヤスパース
Karl Jaspers
生没年:1883-1969

ドイツの哲学者。初め法学を学び,医学に転向。1908年ハイデルベルク大学の精神医学臨床助手,10年には研究助手となる。精神医学に現象学的方法を導入し精神病を心身相関のもとで総合的に扱った《精神病理学総論》(1913)を著し注目を浴びた。次いで心理学教授資格を取得,私講師として心理学の講義を始める。人生を意味づける世界観の諸相を考察した《世界観の心理学》(1919)を転機に哲学を志し,21年に同大学の哲学正教授となる。キルケゴール,ニーチェ,M.ウェーバーの影響のもと10年余に及ぶ思索の末に,《現代の精神的状況》(1931)と大著《哲学》3巻(1932)とを公刊。前者では大衆社会の中に埋没して自己を喪失している現代人を批判し,後者では限界状況(死,苦,争,責)における挫折を直視することによって超越者の暗号の世界へと立ちいでていく実存の形而上学を展開,〈実存哲学〉の立場を体系化して,現代実存主義哲学の礎石を築いた。リッケルト引退の32年に哲学科主任教授となったが,翌年ナチスにより大学運営参加を締め出される。37年にはユダヤ系のゲルトルート夫人との離婚勧告を拒絶して免職。実存に併せて理性をも重視することとなった後期の立場は,《理性と実存》(1935)において概要が示されたが,第2次世界大戦後ハイデルベルク大学に復職してから世に出た《真理について》(1947)に結実し,現存在,精神,実存,世界,超越者などの諸様態をとる包括者とそれを結ぶ理性の紐帯が説かれるに至った。47年にゲーテ賞を受賞。戦後も夫人に対する偏見が続き,ために48年スイスへ移住,バーゼル大学哲学正教授となる。《歴史の起源と目標》(1949)では基軸時代を想定する独自の歴史哲学を提出,また宗教哲学の大著に《啓示に面しての哲学的信仰》(1962)がある。戦後ドイツを代表する思想家で,日本ヤスパース協会(1951設立)との接触もあった。
執筆者:

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤスパース」の意味・わかりやすい解説

ヤスパース
Jaspers, Karl

 
[]1883.2.23. 
[]1969.2.26. 
 1913162137486113 Allgemeine Psychopathologie19 Psychologie der Weltanschauungen32 Die geistige Situation der Zeit Philosophie61退 Max Weber (1932)  Vernunft und Existenz (35)  Nietzsche (36)  Existenzphilosophie (38) 1 Philosophische Logik (47)   

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百科事典マイペディア 「ヤスパース」の意味・わかりやすい解説

ヤスパース

 
1921193721948196119311932︿194719491947
 

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大学事典 「ヤスパース」の解説

ヤスパース
Karl Theodor


18831901190219091319221930193119323721946使調19481969
: 

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ヤスパース」の解説

ヤスパース
Karl Jaspers


18831969

3

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旺文社世界史事典 三訂版 「ヤスパース」の解説

ヤスパース
Karl Jaspers

 
18831969

319321947  

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世界大百科事典(旧版)内のヤスパースの言及

【愛】より

…こうした〈我〉と〈汝〉を結ぶ愛の両数的様態はL.ビンスワンガーでも強調され,すなわちこの様態のなかで〈我〉と〈汝〉はともにみずからの豊かな可能性を実現するだけでなく,世界の無限性と永遠性に参与すると説かれる。〈愛〉がその本質として超越的契機を含むことは明らかで,この点は〈具体的なものを通して絶対者と全体者に向かう運動〉というK.ヤスパースの〈愛〉の規定にもうかがえる。 こうした〈愛〉の可能性が自己中心的なせばまりや孤立の不安によって隠蔽されるようになると,そこにさまざまな〈性〉の障害が現れてくる。…

【実存主義】より


︿︿︿1(1927)︿F.(1929)︿G.

【精神医学】より


W.︿19E.20S.E.K.192020H.W.W.MayerGrossR.E.H.ClaudeH.

【精神病理学】より

…それがしだいに体系的な方法論をもつようになるのは,精神医学を構成する諸領域の分化が20世紀以降すすんだ結果でもあって,その基礎はドイツのシュテリングG.Störringの著書《精神病理学講義》(1900)により置かれたといわれる。しかし精神病理学を厳密な方法論で体系づけたのはK.ヤスパースで,その《精神病理学総論》(初版1913)は,与えた影響の大きさからしてこの分野の記念碑的業績とみなされる。彼が精神病理学に導入したのは,妄想や幻覚などの現象を単なる症状としてでなく一人称的体験として記述するための〈現象学的方法〉,病的体験を理解する際の〈説明と了解(理解)〉,体験のながれを了解的にとらえたうえでの〈発展と過程〉の概念などで,これらは70年後の今日なお重要なキー・ワードとして通用する。…

【精神分裂病】より

…現存在分析を創始したスイスの精神医学者ビンスワンガーの主著で,1957年に単行本の形で刊行された。5例の精神分裂病のくわしい症例研究からなるが,30年代に著者が独自の人間学的方法を確立したのち,数十年にわたる臨床活動の総決算として44年から53年にかけて集成したもの。ここでは,分裂病は人間存在に異質な病態としてではなく,人間から人間へ,現存在から現存在への自由な交わりをとおして現れる特有な世界内のあり方として記述される。…

【戦間期】より


 M.K.L.B.A.W.

【ハイデルベルク学派】より


201020K.Wilmanns(18731945)W.MayerGross(18891961)K.Beringer(18931949)(1913)

【無意識】より

…一般的には現在の意識野に現れてこないすべての心的内容をいうが,特にS.フロイトの精神分析理論において重要な地位を占める概念。K.ヤスパースによれば,無意識には,根本的に意識化することの不可能な意識外の機構(すなわち精神的なものの下部構造)と目下は無意識だが〈気づかれるようになりうるもの〉との二つがある。これに従えばフロイトの唱える無意識は,あくまで後者の,さしあたり現在の心の中には認められぬものに属する。…

※「ヤスパース」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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