フランスの東洋学者。パリ大学でサンスクリットを学び,1884年アジア協会会員となり,インド省所蔵の写本調査に従事した。94年よりコレージュ・ド・フランス教授としてサンスクリット,インド学,言語学を講じた。1922年からはパリの高等研究院の宗教学主任を務める。研究領域は広く,ベーダ時代の祭式,古典インドの文学,演劇,ギリシア・インド文化交渉史,サンスクリット・チベット語・古典中国語による仏教文献の比較研究,またチベット,中央アジア将来の文献の目録化とそこで発見されたトカラ語Bの解読など,インド文化圏の全域をおおっている。主著に《ブラーフマナにおける祭式の理論》(1898),《インド演劇》(1890),《唯識論体系研究資料》(1932)などがあり,《大乗荘厳経論》2巻(1907,11),《唯識二十論・三十論》(1925)などの校訂・出版も多い。アジア協会会長,日仏会館館長として3度来日し,高楠順次郎とフランス語による仏教辞典《法宝義林》(1929。未完)の共同編集なども行っている。
執筆者:高橋 明
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