デジタル大辞泉 「万」の意味・読み・例文・類語 よろず〔よろづ〕【▽万】 11000の10倍。まん。 2 数が非常に多いこと。たくさん。﹁万の神に祈る﹂﹁万の人々﹂ 3 すべてのこと。万事。副詞的にも用いる。﹁万の相談事﹂﹁万承ります﹂ 4 種類や形がさまざまであること。いろいろ。 ﹁―の事を泣く泣く契りのたまはすれど﹂︿源・桐壺﹀ [類語]︵3︶万事・一切・一切合財・有りたけ・有りったけ/︵4︶さまざま・各種・種種・諸種・いろいろ・多様・多様化・多面・多面的・多方面・多岐・多種・多種多様・多彩・数数・いろんな・とりどり・色とりどり・種(くさ)種(ぐさ)・諸(もろ)諸(もろ)・百般・万般・諸般・雑多・各人各様・十人十色・千差万別・マルチ まん︻万︼ 1000の10倍。また、非常に数の多いこと。よろず。 [類語]一・二・三・四・五・六・七・八・九・十(じゅう)・百・千・億・兆・ゼロ・零・一つ・二つ・三つ・四つ・五つ・六つ・七つ・八つ・九つ・十(とお) まん︻万︹萬︺︼﹇漢字項目﹈ ﹇音﹈マン︵呉︶ バン︵漢︶ ﹇訓﹈よろず ﹇学習漢字﹈2年 ︿マン﹀ 1 数の名。千の一〇倍。﹁十万・数万﹂ 2 数が非常に多いこと。﹁万病・万華鏡・万年筆/億万・巨万﹂ ︿バン﹀ 1 数が非常に多いこと。すべて。﹁万国・万事・万全・万端・万難・万能・万民/千変万化﹂ 2 決して。﹁万万﹂ ︿よろず﹀﹁万屋/八(やお)百(よろ)万(ず)﹂ ﹇名のり﹈かず・かつ・すすむ・たか・つむ・つもる ﹇難読﹈万(お)年(も)青(と) ばん︻万︼ ﹇副﹈︵多く下に打消しの語を伴う︶ 1 じゅうぶんに。完全に。﹁万遺憾なきよう期すべし﹂ 2 どうしても。なんとしても。万一。﹁万やむを得ない理由が生じた時は﹂ [類語]︵1︶十分・存分に・思うさま・良く・みっちり・みっしり・篤(とく)と・万事・万(ばん)万(ばん)/︵2︶まさか・よもや ばん【万】[漢字項目] ⇒まん 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「万」の意味・読み・例文・類語 よろずよろづ【万】 (一)〘 名詞 〙 (二)① 数の単位としての万(まん)。厳密な数値としての万をいうより、数の非常に多いことを表わす。たくさん。あまた。 (一)[初出の実例]﹁墾(は)りて四万余頃(よヨロツあまり)の田を得﹂(出典‥日本書紀︵720︶仁徳一四年是歳︵前田本訓︶) (三)② ( 形動 ) 種類や形、様子などがさまざまであること。また、そのさま。いろいろ。種々。 (一)[初出の実例]﹁野山にまじりて竹を取りつつ万の事に使ひけり﹂(出典‥竹取物語︵9C末‐10C初︶) (二)﹁御祈などよろづに仕らせ給ふ﹂(出典‥栄花物語︵1028‐92頃︶月の宴) (四)③ すべてのこと。全部そろっていること。万事。 (一)[初出の実例]﹁徳化(いきほひ)を弘めて、含(ヨロづ)の霊(もの)に覃(およ)ひ被らしむることを思ふ﹂(出典‥日本書紀︵720︶推古一六年八月︵岩崎本平安中期訓︶) (二)﹁人は万をさしおきて、ひたふるに徳をつくべきなり﹂(出典‥徒然草︵1331頃︶二一七) ばん︻万︼ (一)( ﹁万﹂の漢音 ) (二)[1] 〘 名詞 〙 数の単位。千の一〇倍。まん。よろず。また、非常に多くの数。 (一)[初出の実例]﹁番新の万(バン)を知るに至ずといへども﹂(出典‥洒落本・通言総籬︵1787︶叙) (二)[その他の文献]︹史記‐淮陰侯伝︺ (三)[2] 〘 副詞 〙 (一)① 十分に。まったく。ばんばん。 (一)[初出の実例]﹁太郎が近所迷惑であるのを万承知しながら﹂(出典‥街の物語︵1934︶︿榊山潤﹀) (二)② どうしても。なんとも。もしも。万一。まん。 (一)[初出の実例]﹁彼れは脱隊者となりて其営を去りたり。思ふに間牒となりて帰り来ることは万(バン)無かるべしと﹂(出典‥春迺屋漫筆︵1891︶︿坪内逍遙﹀政界叢話) まん︻万︼ (一)〘 名詞 〙 千の一〇倍。ばん。よろず。また、ひじょうに多くの数。︹色葉字類抄︵1177‐81︶︺ ︹漢書‐律歴志︺ よろずよろづ【万】 姓氏の一つ。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例