五重の塔(読み)ゴジュウノトウ

デジタル大辞泉 「五重の塔」の意味・読み・例文・類語

ごじゅう‐の‐とう〔ゴヂユウ‐タフ〕【五重の塔】

地・水・火・風・空の五大にかたどって、5層に屋根を積み重ねた形につくった仏塔。
[補説]書名別項。→五重塔
[類語]尖塔タワー鉄塔塔屋

ごじゅうのとう【五重塔】[書名]

幸田露伴の小説。明治24~25年(1891~1892)発表。五重塔建立に執念を燃やす大工のっそり十兵衛の、芸術にかける名人気質を描く。

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精選版 日本国語大辞典 「五重の塔」の意味・読み・例文・類語

ごじゅう【五重】 の 塔(とう)

  1. [ 一 ] 五層に屋根を積み重ねた形に建てた五階の仏塔で、地・水・火・風・空の五大(ごだい)にかたどったもの。五重の塔婆。
    1. 五重の塔<b>[ 一 ]</b>〈奈良県海龍王寺蔵〉

      五重の塔[ 一 ]〈奈良県海龍王寺蔵〉

  2. [ 二 ]五重塔
 

 

(一)
 

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日本歴史地名大系 「五重の塔」の解説

五重塔
ごじゆうのとう


()()


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改訂新版 世界大百科事典 「五重の塔」の意味・わかりやすい解説

五重塔 (ごじゅうのとう)


535755m16m10122

 西



五重塔 (ごじゅうのとう)


1891-9224-2524

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「五重の塔」の意味・わかりやすい解説

五重塔(仏塔)
ごじゅうのとう


()()()()()()()竿()()()()()竿()()55.7




五重塔(幸田露伴の小説)
ごじゅうのとう

幸田露伴(こうだろはん)の短編小説。1891年(明治24)11月~92年3月新聞『国会』に連載。92年10月刊『尾花集』に収む。抜群の腕前をもちながら、鈍重な性格ゆえに「のっそり」とあだ名される大工十兵衛(じゅうべえ)は、谷中(やなか)感応寺(かんのうじ)の五重塔建立の計画を知って末代にわが名をとどめる好機と奮い立ち、先輩の川越源太から仕事を奪い取る。源太の侠気(きょうき)に満ちた協力の申し出も拒み、さまざまな妨害をはねのけて、あくまでも独力で塔を建てた。落成式の前日、暴風雨に襲われるが、塔は微動だにしなかった。芸道に精進する男の意地と執念という露伴独自の主題を、西鶴(さいかく)に学んだ雄渾(ゆうこん)な文体で描いた傑作で、とくに結末のすさまじい嵐(あらし)の描写は圧巻である。

[三好行雄]

『『五重塔』(岩波文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五重の塔」の意味・わかりやすい解説

五重塔
ごじゅうのとう

 
52 ()  ( 32.5m) 調  

五重塔
ごじゅうのとう

幸田露伴の中編小説。 1891年 11月~92年3月,新聞『国会』連載。腕は抜群だが愚鈍なため「のっそり」とあだ名される大工十兵衛が,江戸谷中の感応寺五重塔建立の仕事を川越の源太と争い,さまざまな妨害にも屈せず,ついに完成するまでの屈曲を描く。義理人情の世界をこえる非情な主我を独特の名文で写して明治文学の新生面を開拓,露伴一代の名作となった。

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百科事典マイペディア 「五重の塔」の意味・わかりやすい解説

五重塔(建築)【ごじゅうのとう】

 
51255m
 

五重塔(文学)【ごじゅうのとう】

幸田露伴の中編小説で,初期の代表作。1891年―1892年《国会》連載。江戸谷中(やなか)感応寺の五重塔建立をめぐる二人の大工(源太,十兵衛)の対立を通じて,義理人情を超越する芸術意欲の激しさを描いた男性的な作品。落成式の前夜,嵐が塔を襲うくだりは名文として名高い。この一編が露伴を明治文学界の中心部に定着させた。
→関連項目新聞小説

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「五重の塔」の解説

五重塔
ごじゅうのとう

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
作者
幸田露伴
補作者
竹柴晋吉
初演
明治37.9(大阪・弁天座)

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世界大百科事典(旧版)内の五重の塔の言及

【安国寺】より


駿28

【耐震構造】より


2 12︿

【塔】より




 ()西

【感応寺】より

…感応寺は江戸の富くじ興行で有名となり,湯島天神,目黒不動とともに江戸の三富と呼ばれた。また,当寺にあった五重塔は幸田露伴の《五重塔》のモデルとして知られる。【中尾 尭】。…

※「五重の塔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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