人文主義(読み)ジンブンシュギ

デジタル大辞泉 「人文主義」の意味・読み・例文・類語

じんぶん‐しゅぎ【人文主義】

 
 

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精選版 日本国語大辞典 「人文主義」の意味・読み・例文・類語

じんぶん‐しゅぎ【人文主義】

  1. 〘 名詞 〙 文芸復興(ルネサンス)期にイタリアにおこり全ヨーロッパにひろまった精神運動。古代ギリシア・ローマの古典研究を中心に行なうことによって、中世カトリック教会の精神的束縛から脱し、教会の権威よりも人間性を重んじ、文化的教養の発展に努力した思想。人道主義の古典的形態。人本主義。ヒューマニズム。〔普通術語辞彙(1905)〕
    1. [初出の実例]「アルプスの北では内面的に深められた古代精神、即ち人文主義が擡頭したのである」(出典:風土(1935)〈和辻哲郎〉二)

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改訂新版 世界大百科事典 「人文主義」の意味・わかりやすい解説

人文主義 (じんぶんしゅぎ)


humanismhumanismeHumanismus西︿︿

 ︿

 西15

 1808Friedrich Immanuel Niethammer1766-1848Humanismus︿︿

 15umanistahumanistaleggeleggistacanonecanonistahumanitashumanista16

 studia humanitatis︿12

 12Albertino Mussato1261-13291213

 ︿︿姿姿15

 139615Giannozzo Manetti1396-1459L.B.Matteo Palmieri1406-75studia divinitatis

 15西1438-39西Iōannēs Argyropoulos1410-90Niccolò Niccoli1364-143715︿

 16Rodolphus Agricola1443-85T.

 ︿
 

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百科事典マイペディア 「人文主義」の意味・わかりやすい解説

人文主義【じんぶんしゅぎ】

 
humanismhumanismeT.1819︿R.A.︿
 

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旺文社世界史事典 三訂版 「人文主義」の解説

人文主義
じんぶんしゅぎ
humanism

人間性を尊重し,宗教や権力の束縛から人間性の解放をめざす思想。「ヒューマニズム」
古代ローマでは,人間性完成のための教養としてギリシアの学芸を身につけるという意味で,さらに人間性の普遍性を強調する立場を含んでいた。それが中世ではキリスト教の博愛主義と結びついたが,この宗教的ヒューマニズムはあくまでもキリスト教に従属するものであった。近代的ヒューマニズムは,ルネサンス期のイタリアを源流とし,古典文化研究を手がかりとして中世キリスト教支配からの人間の解放を意図する市民階級の精神態度であり,人文主義としてルネサンス文化の根本精神となった。それは現実的・世俗的であるばかりでなく,合理主義の尊重,個性の自由な発露をめざすものであった。現代では,あらゆる非人間的な社会的制約に対する人間性一般の解放を意味し,専制・独裁・戦争などへの批判精神として発現している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「人文主義」の意味・わかりやすい解説

人文主義
じんぶんしゅぎ

ヒューマニズム

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「人文主義」の解説

人文主義(じんぶんしゅぎ)

ヒューマニズム

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「人文主義」の意味・わかりやすい解説

人文主義
じんぶんしゅぎ

ヒューマニズム」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の人文主義の言及

【イタリア文学】より

… ところで,先にも触れたように,ペトラルカとボッカッチョは単に文学の手法と詩法においてのみイタリア文学を近代に向かって傾斜させただけでなく,文芸思想においても近代を用意した。すなわち,15世紀イタリア・ルネサンスの基盤をなす〈人文主義〉は,ペトラルカとボッカッチョの古典文献の発掘と再認識に始まったのである。この運動は,ギリシア・ラテンの古典世界とキリスト教世界の調和という主題をめぐって,メディチ家支配下のフィレンツェに〈新プラトン主義〉を生みだして,ロレンツォ・デ・メディチやポリツィアーノのような詩風がもてはやされた。…

【人文】より


()humanism︿︿ 

【ツェルティス】より

…ドイツの人文主義者。ドイツ人文主義の父と呼ばれるR.アグリコラの弟子で,詩人として優れ,1487年皇帝フリードリヒ3世によってドイツ人として最初の桂冠詩人に選ばれた。…

【批評】より

…ルネサンス期には,カトリック教会の中世的価値の秩序が危機にひんしていた。そのことが一方では宗教改革,他方では人文主義の活発な批評的精神を生み出した。もちろん宗教改革と人文主義とをその意味で比較するのは,それだけでも複雑な大きな仕事であって,ここではできない。…

【ヒューマニズム】より

… ヒューマニズムという言葉は,本来ラテン語のhumanitasに由来する西欧語humanism(英語),humanisme(フランス語),Humanismus(ドイツ語)からの翻訳語として日本に入ってきた。しかし人間主義,人本主義,人文主義などの漢語による翻訳語が定着せず,片仮名でヒューマニズムと表記されて,そのまま外来語として通用するようになったときには,本来の西欧語がもっていた意味とはやや違った意味を帯びてきたように思われる。西欧語のさまざまの辞典を見ると,〈一般的には人間の人間らしさ,つまり人間性を尊重する心的態度を指すが,特殊的には西欧のルネサンスに固有な,ギリシア,ラテンの古典の学習を通じて人間形成をはかろうとする教養理念を指す〉という説明がきまって出てくる。…

【フランス文学】より

…イタリアの先進文化がしきりに移入され,ギリシア・ローマの古典を文献学的に厳密に研究するとともに,そのなかに新しい人間の生き方を探ろうとするユマニストの活動が活発に行われた。一方また,中世末期の教会の腐敗堕落を厳しく批判し,キリスト教の純化を目ざす改革運動も進められ,ユマニスム(人文主義)は宗教改革運動とも連動する。そして信仰上の対立の果てに,世紀の後半になると,流血の抗争にいたった宗教戦争が,ユマニストのみならず,すべての文学者に難問を投げかけるのである。…

【ラテン文学】より

…キリスト教未公認時代最大のキリスト教ラテン作家はテルトゥリアヌスであったが,後世に与えた影響はキプリアヌスの方が大きかった。313年のキリスト教公認を境に,4世紀から5世紀にかけて,《マタイによる福音書》を叙事詩にしたユウェンクスJuvencus,雄弁家ラクタンティウス,賛美歌作者で人文主義に反対した神秘主義者アンブロシウス,古代最大のキリスト教ラテン詩人プルデンティウスとその後継者ノラのパウリヌスなどが活躍したが,古代最大の2人のキリスト教作家も続いて現れた。一人は,全古典作家に精通した人文主義者である一方,聖書をラテン語に翻訳して,異教の伝統とキリスト教とを照応させたヒエロニムス,もう一人はヨーロッパ最初の自叙伝《告白》と,《神の国》などの著作で名高いアウグスティヌスである。…

※「人文主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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