今今（読み）イマイマ

デジタル大辞泉 「今今」の意味・読み・例文・類語

いま‐いま【今今】

 
︽﹁いま﹂を重ねて強めた語︾
1 ごく近い過去。たった今。
﹁―其(そ)処(こ)へ出て行きなすった﹂︿藤村・破戒﹀
2 待ち望むようすを表す語。今か今か。
﹁―とわが待つ妹(いも)は鈴(すず)鹿(かや)山(ま)ふきこす風のはやもきななむ﹂︿古今六帖・五﹀
3 恐れるようすを表す語。これが最後。
﹁病をして―となりにければ﹂︿古今・哀傷・詞書﹀
[類語]︵1︶たった今・今しがた・先ほど・さっき・先刻・最前・先に・今時分・今頃・今どき・今さら・ナウ  

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精選版 日本国語大辞典 「今今」の意味・読み・例文・類語

いま‐いま【今今】

 

(一)〘 名詞 〙 ( ﹁今﹂を重ねて強めた語 )
 (二)① 現在。今どき。
(一)[初出の実例]﹁栄えそめさせ給ひにしままに、又ほかざまへもわかれずなりにしぞかし。いまいまも、さこそは侍るべかんめれ﹂(出典‥大鏡︵12Ｃ前︶五)
 (三)② たった今。ついさっき。
(一)[初出の実例]﹁今々其処へ出て行きなすった﹂(出典‥破戒︵1906︶︿島崎藤村﹀八)
 (四)③ ( ﹁いまもいまも﹂の意 ) 今のまま。このままの状態。
(一)[初出の実例]﹁﹃最うちっとお咄なせへ﹄﹃イマイマ居た迚(とて)あかんはいの﹄ト出て行﹂(出典‥滑稽本・浮世床︵1813‐23︶初)
 (五)④ ( ﹁と﹂を伴って用いることが多い ) ある点に時間が近づきつつある状態をいう。
(一)(イ) 待ち望む気持を表わす。今か今か。
(一)[初出の実例]﹁いまいまとくるしうゐ入りて、あなたをまもらへたる心地﹂(出典‥枕草子︵10Ｃ終︶一六〇)
 (二)(ロ) 恐れあやぶむ気持を表わす。これが最期。特に、臨終を表わすことが多い。
(一)[初出の実例]﹁道中(みちなか)にてにはかに病(やまひ)をして、いまいまとなりにければ﹂(出典‥古今和歌集︵905‐914︶哀傷・八六二・詞書)
 (六)⑤ 新参。
(一)[初出の実例]﹁今々の指たる者にもあらざるには御扶持を加へられ候﹂(出典‥信長公記︵1598︶六)
  

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