デジタル大辞泉 「助ける」の意味・読み・例文・類語 たす・ける【助ける/▽扶ける/▽援ける/▽佐ける】 ﹇動カ下一﹈﹇文﹈たす・く﹇カ下二﹈ 1 力を貸して、危険な状態から逃れさせる。救助する。﹁おぼれている子を―・ける﹂﹁命を―・ける﹂ 2 経済的に困っている人などに金品を与えて苦しみ・負担を軽くする。救済する。﹁被災者を―・ける﹂ 3 ︵﹁佐ける・輔ける・佑ける﹂とも書く︶不十分なところを補い、物事がうまく運ぶように手助けする。助力する。補佐する。﹁仕事を―・ける﹂﹁家業を―・ける﹂ 4 ある働きがより好ましい状態になるようにする。促進させる。促す。﹁成長を―・けるホルモン﹂﹁消化を―・ける﹂ 5 倒れたり傾きそうになるのを支える。﹁子どもに―・けられて駅の階段をのぼる﹂ [類語]︵1︶救う・救い出す・救助する・救出する・救護する・助け合う・救い上げる・助け出す・互助・人助け・救急・救難・助命・救命・救済/︵2︶救援する・救済する・救(きゅ)恤(うじゅつ)する・援護する・援助する・扶助する/︵3︶︵4︶助(す)ける・手伝う・手助けする・助力する・幇(ほう)助(じょ)する・助勢する・加勢する・助(すけ)太(だ)刀(ち)する・力添えする・協力する・援助する・応援する・支援する・後押しする・守(も)り立てる・バックアップする・フォローする・力を貸す・手を貸す・肩を貸す・促進する・助長する・補助する・補佐する・犬馬の労・一肌脱ぐ・片肌脱ぐ・肩を持つ・与する す・ける【▽助ける】 [動カ下一][文]す・く[カ下二]手伝う。たすける。「いつも女の―・けるのは朝晩の忙しい時だけで」〈二葉亭・平凡〉[類語]助ける・手伝う・手助けする・助力する・幇助ほうじょする・助勢する・加勢する・助太刀すけだちする・力添えする・協力する・援助する・応援する・支援する・後押しする・守もり立てる・バックアップする・フォローする・力を貸す・手を貸す・肩を貸す・補助する・補佐する・犬馬の労・一肌脱ぐ・片肌脱ぐ・肩を持つ・与する 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「助ける」の意味・読み・例文・類語 た‐す・ける【助・扶・援・佐・輔・佑】 (一)〘 他動詞 カ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]たす・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙 ( ﹁た﹂は手で、手をさしのべて﹁すく︵助︶﹂意からという ) わきから力を添えて、保護したりして悪い状態から救う。 (二)① 上位のものが保護する。庇護する。 (一)[初出の実例]﹁天地の 神あひうづなひ 皇御祖(すめろき)の 御霊(みたま)多須気(タスケ)て﹂(出典‥万葉集︵8C後︶一八・四〇九四) (二)﹁とざまかうざまのうしろみまうくるただ人は、おのづからそれにもたすけられぬるを﹂(出典‥源氏物語︵1001‐14頃︶若菜下) (三)② 倒れたり傾いたりしないようにする。ささえる。 (一)[初出の実例]﹁天雨するが中より、余の比丘い扶(タスケ)て厠(かはや)の上に往る﹂(出典‥小川本願経四分律平安初期点︵810頃︶) (四)③ 傷や病気の手当をする。介抱する。また、苦境などから救い出す。 (一)[初出の実例]﹁旅のそらにたすけ給ふべき人もなき所に、色色のやまひをして行く方空もおぼえず﹂(出典‥竹取物語︵9C末‐10C初︶) (二)﹁山林に入ても、餓をたすけ﹂(出典‥徒然草︵1331頃︶五八) (五)④ 死の危険や、苦しみから救う。 (一)[初出の実例]﹁たすくべき草木ならねど哀(あはれ)とぞ物思ふ時の目には見えける﹂(出典‥大和物語︵947‐957頃︶御巫本附載) (二)﹁六つの道四つのちまたの苦しみをいつか代りて助け果つべき︿行円﹀﹂(出典‥玉葉和歌集︵1312︶釈教・二六三七) (六)⑤ 従たる立場で、主たるものを補佐する。協力する。 (一)[初出の実例]﹁太子を扶(タスケ)まつりて、馬(みうま)に乗(の)せまつらしめて逃(にけ)ぬ﹂(出典‥日本書紀︵720︶履中即位前︵図書寮本訓︶) (七)⑥ ある物事や、その状態についてさらに助長する。促進する。 (一)[初出の実例]﹁金を簡ひて礫(れき)を去て、玉を琢(みか)きて輝りを裨(タスク)﹂(出典‥大慈恩寺三蔵法師伝承徳三年点︵1099︶八) (二)﹁声をたすけ、曲を色どる音感あるべし﹂(出典‥風曲集︵1423頃︶) (八)⑦ 家、生活あるいは国家、伝統などを盛りたてるために力を添える。ささえる。 (一)[初出の実例]﹁人のみかどにも、夢を信じて国をたすくるたぐひ、多う侍りけるを﹂(出典‥源氏物語︵1001‐14頃︶明石) (二)﹁ホンニサげいは身をたすけるほどの不仕合とやらで﹂(出典‥安愚楽鍋︵1871‐72︶︿仮名垣魯文﹀二) (九)⑧ 金銭や物事を与えて、救う。援助する。 (一)[初出の実例]﹁少分盗て母をたすけばやと思計にて﹂(出典‥米沢本沙石集︵1283︶七) す・ける︻助︼ (一)〘 他動詞 カ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]す・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙 (二)① たすける。手伝う。手をかす。 (一)[初出の実例]﹁木の間よも い行き目守(まも)らひ 戦へば 我はや飢(ゑ)ぬ 島つ鳥 鵜飼が伴(とも) 今須気(スケ)に来ね﹂(出典‥古事記︵712︶中・歌謡) (二)﹁どふぞ貴さま太義ながら来年一っぱい又役者になって。助(スケ)ては呉(くれ)まいか﹂(出典‥歌舞伎年代記︵1811‐15︶八) (三)﹁自分は只(ただ)、それを助(ス)けるだけでいいのだといふやうな話をした﹂(出典‥暗夜行路︵1921‐37︶︿志賀直哉﹀二) (三)② 酒の席で、さされた杯の酒を飲めないでいる人の杯を手伝って飲む。杯のあいをする。中飲(なかのみ)をする。 (一)[初出の実例]﹁中のみと云事︿略﹀はじめ一つきこしめし候て、二つめをすけ参らせ候也﹂(出典‥酌之次第︵1592︶) (四)③ 費用の一部を負担する。 (一)[初出の実例]﹁表向の払十両程を親仁にすけさせ、跡五十両さっぱりと払を済し﹂(出典‥滑稽本・古朽木︵1780︶三) (五)④ 物が傾いたり、倒れたりしないように下敷を置く。物を支えるために何か下に置く。 (一)[初出の実例]﹁ハンダイノ ヒクイ カタニ イタヲ suqei(スケイ)︿訳﹀食卓の低い方の下に板を入れよ﹂(出典‥日葡辞書︵1603‐04︶) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例