睨む（読み）ニラム

デジタル大辞泉 「睨む」の意味・読み・例文・類語

にら・む【×睨む】

 
﹇動マ五︵四︶﹈
1 目をいからしてじっと見る。鋭い目つきで見る。﹁じろりと―・む﹂
2 精神を集中し、視線を動かさずに見つめる。事態を注意してよく見る。﹁局面を―・む﹂﹁情勢を―・む﹂
3 見当や目ぼしをつける。﹁あやしいと―・む﹂﹁共犯者がいると―・んだ﹂
4 ︵ふつう﹁にらまれる﹂の形で︶注意を要する人物、好ましくない人物として、目をつける。﹁ボスに―・まれたらおしまいだ﹂
5 前もって考慮に入れる。計算に入れる。﹁彼の発言は明らかに総選挙を―・んだものだ﹂
[類語]にらみつける・ねめつける・にらみ合う・にらみ返す・にらみ・睥睨・見る・注目・注視・刮目・目配り・凝視・熟視・目撃・着目・着眼・直視・正視・眺める・見(み)遣(や)る・見詰める・見入る・見据える・目に留まる・目を留める・目を配る・目を注ぐ・目を凝らす・目を付ける・目を向ける・目を呉れる・視線を注ぐ・目を遣る・目にする・まじまじ・じっと・じろじろ・じろり・きょろり・ぎょろり・きょときょと・きょろきょろ・ぎょろぎょろ・しげしげ・つくづく・はた・はった・明視・がん見(み)・熟覧・細見・嘱目・瞠(どう)若(じゃく)・瞠(どう)目(もく)・矯(た)めつ眇(すが)めつ・鵜(う)の目鷹(たか)の目・蚤(のみ)取り眼(まなこ)・視一視・目する・見張る・見澄ます・虎視・虎視眈(たん)眈(たん)・目を据える・瞳を凝らす・瞳を据える・目を奪われる・目を輝かす・目を光らす・目を転ずる・目が行く・目を皿にする  

ね・む【×睨む】

［動マ下二］「ねめる」の文語形。

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精選版 日本国語大辞典 「睨む」の意味・読み・例文・類語

にら・む【睨】

 

(一)〘 他動詞 マ行五︵四︶ 〙
 (二)① 目をいからして見つめる。するどい目つきでじっと見る。じっと注視する。にらまえる。にらめる。
(一)[初出の実例]﹁物部守屋大連、邪睨(ニラム)て大きに怒る﹂(出典‥日本書紀︵720︶用明二年四月︵図書寮本訓︶)
 (二)﹁悪しき眼に睚眦(ニラミ)逼めて言はく﹂(出典‥日本霊異記︵810‐824︶中)
 (三)② 見当をつける。めぼしをつける。
(一)[初出の実例]﹁討死との御覚悟と、睨(ニラン)だ眼(まなこ)に違ひは有(あら)じ﹂(出典‥浄瑠璃・神霊矢口渡︵1770︶二)
 (二)﹁大分手がこんでいるのだ、とぼくは睨んでいます﹂(出典‥ハッピネス︵1973︶︿小島信夫﹀三)
 (四)③ ( 多く受身の助動詞を付けて用いる ) 特に、注意を要する人物と考えて警戒する。
(一)[初出の実例]﹁田地持ちに睨(ニラ)まれたるぞ最期﹂(出典‥やみ夜︵1895︶︿樋口一葉﹀三)
 (五)④ 前もって考慮に入れる。計算に入れる。﹁総選挙をにらんでの発言﹂
  

ね・む【睨】

  1. 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 ⇒ねめる（睨）

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