デジタル大辞泉 「計算」の意味・読み・例文・類語 けい‐さん【計算】 ﹇名﹈(スル) 1 物の数量をはかり数えること。勘定。﹁計算が合う﹂ 2 加減乗除など、数式に従って処理し数値を引き出すこと。演算。﹁損失額はざっと計算しても一億円﹂ 3 結果や成り行きをある程度予測し、それを予定の一部に入れて考えること。﹁多少の失敗は計算に入れてある﹂﹁計算された演技﹂﹁計算外﹂ [類語]︵1︶勘定・算用・計数/︵2︶運算・演算・加減乗除・算術︵計算して数字を出すこと︶算出・算定・概算・試算・見積もり・指折り・逆算/︵3︶予想・予知・予断・予見・見当・予測・見込み・読み・勘定・目算・成算・胸算用・打算・可能・可能性・有り得(う)る・ポシブル・ポシビリティー・プロバビリティー・将来性・蓋然性・公算・心当て・脈・望み・伸び代・余地・駄目で元元・駄目元︵―する︶算(そろ)盤(ばん)を弾く・見込む・見越す・見計らう・見積もる・見極める・見据える・見定める・見届ける 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「計算」の意味・読み・例文・類語 けい‐さん【計算・計&JISED80;】 (一)〘 名詞 〙 (二)① 数量を計ること。はかりかぞえること。勘定すること。算計。けさん。 (一)[初出の実例]﹁殺生は都て計算せず﹂(出典‥三国伝記︵1407‐46頃か︶一一) (二)﹁一年中毎日一百八返の法は三百六十日計筭すれば三万六千返也﹂(出典‥地蔵菩薩霊験記︵16C後︶六) (三)[その他の文献]︹史記‐平準書︺ (三)② 前もって先のことなどを考えること。予測すること。見積ること。 (一)[初出の実例]﹁余も亦計算(ケイサン)を立て之を論ぜん﹂(出典‥花柳春話︵1878‐79︶︿織田純一郎訳﹀三三) (四)③ あたえられた数、量、式を一定の規則に従って処理すること。また、未知の数、量、式を公式などを用い、演算の規則に従って求めること。︹数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書︵1889︶︺ 計算の語誌 (1)字順の異なる﹁算計﹂は、平安時代末期の﹁明衡往来‐中末﹂に現代と同じ用法で使用されており、中世の古辞書では﹁文明本節用集﹂に登載されている。江戸時代末期になると、﹁計算﹂と﹁算計﹂がともに見られるようになるが、﹁算計﹂は蘭学者の手によるものによく見られる。 (2)明治時代になって、ヘボンの﹁和英語林集成︵再版︶﹂には﹁算計﹂だけが、三版には﹁計算﹂も見出し語として登載された。しかし、﹁言海﹂や﹁日本大辞書﹂には﹁計算﹂しかないところから、明治二〇年︵一八八七︶頃には﹁計算﹂に統一されたと考えられる。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「計算」の意味・わかりやすい解説 計算けいさん 数や式などについて、それらの和、差、積、商︵ときには﹁商﹂と﹁余り﹂︶、平方、平方根などを求める手順のこと。これは、与えられた記号列︵数字や文字をある約束に基づいて並べたもの︶を次々に書き換えていって、あらかじめ定められた形の記号列に到達する一連の記号書き換えの操作であると解される。書き換えには一定の規則があって、それらは数や式についての諸法則を反映したものである。したがって、計算は、法則をもとにした演繹(えんえき)推論を、記号列変形という操作に置き換えたものであるといえる。この意味で、式の計算のことを﹁式変形﹂︵すなわち表現形式の変形︶ということもある。ここで、あらかじめ定められた形の記号列と述べたが、これは十進(じっしん)記数法で書かれた数の場合には明らかであるが、分数や根号を含んだ数の場合には、1通りではない。計算の結果をその後何に用いるかで違ってくる。分数の場合、たとえば、次のように 三つの分数があるとする︵(1)(2)(3)は、すべて等しい分数である︶。その大きさを示す目的であれば帯(たい)分数の形がよく︵(3)の形︶、別の計算に用いるならば仮分数形がよい︵(2)の形︶。これらのことを計算にあたってあらかじめ考えておく。 計算の進め方には、その手順に従えば、かならず所期の形の記号列に到達できるような手順があることが多い。この手順をアルゴリズムという。学校で学ぶ計算法はアルゴリズムの例である。アルゴリズムを組み立てる場合には、頭のなかで行う操作と、外部の記憶装置に記憶させる操作とが必要になる。外部の記憶装置をほとんど用いない方法を暗算、外部の記憶装置として書くことを用いる方法を筆算、そろばんをその目的に用いる方法を珠算という。筆算や珠算であっても、その一部としては暗算を利用する。とくに一位数についての暗算は、どの場合にも繰り返し利用される。どれだけを暗算とし、どんな部分をどんな形式に記録するかは、慣習によるもので、筆算の形式には、民族や国、すなわち慣習の違いによる相違がある。 近年著しく普及してきたコンピュータは、頭のなかの操作の大部分を機械装置のなかに取り込んだものであるといえる。与えられた数値が特別なものの場合には、その特徴を利用すると、正規のアルゴリズムより簡単でやさしい手順で答が求められることがある。十進数に25を掛けるのに100倍して4で割ったり、99を掛けるのに100倍して、その数を引いたりするのが、これである。このような計算法を簡便算という。 ﹇島田 茂﹈ [参照項目] | アルゴリズム | 十進法 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
普及版 字通 「計算」の読み・字形・画数・意味 【計算】けいさん 勘定する。得失を考える。︹韓非子、六反︺母の子に於けるや、男をめば則ち相ひ賀し、女をめば則ち之れをす。~故に母の子に於けるや、ほ計算の心を用ひて以て相ひ待つなり。而るを况(いは)んや母の澤︵恩沢︶無きものをや。 字通﹁計﹂の項目を見る。 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
世界大百科事典(旧版)内の計算の言及 【コンピューター】より …最も広義には,計算を行う機械,すなわち計算機のこと。通常はディジタル電子回路を用いて,数値計算や論理計算を行う機械,すなわち電子計算機を指す。… 【情報科学】より … ︻情報科学への歩み︼ 情報科学が成立する以前から,人間は情報を利用してきた。計算,制御,通信,統計など,情報関係の学問を個別に築いてきたのであり,こうした分野が情報科学の成立を準備した。各分野の発展について少し述べてみよう。… ※「計算」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」