デジタル大辞泉 「祖父」の意味・読み・例文・類語 そ‐ふ【祖父】 父母の父親。おじいさん。⇔祖母。 [類語]おじいさん・外祖父・曽祖父・曽(ひい)じいさん おお‐じ︹おほぢ︺︻祖=父︼ ︽﹁おおちち︵大父︶﹂の音変化︾ 1 父母の父。そふ。⇔祖(おお)母(ば)。 ﹁春宮の御―﹂︿源・桐壺﹀ 2 年をとった男。じじい。 ﹁難(なに)波(は)の里に、―とうばと侍り﹂︿伽・一寸法師﹀ じい︹ぢい︺︻祖=父/×爺︼ ︽﹁じじ﹂の音変化︾ 1 ︵祖父︶父母の父。そふ。⇔祖(ば)母(ば)。 2 ︵爺︶男の老人。老(ろう)翁(おう)。老(ろう)爺(や)。⇔婆(ばば)。 じじ︹ぢぢ︺︻祖=父/×爺︼ 1︵祖父︶父母の父親。祖(そ)父(ふ)。また、祖父を親しみを込めていう語。じい。⇔祖(ば)母(ば)。 2 ︵爺︶年老いた男性。⇔婆(ばば)。 お‐じ︹‐ぢ︺︻祖=父︼ ︽﹁おおじ﹂の音変化︾父母の父。そふ。︿色葉字類抄﹀⇔祖(お)母(ば)。 [類語]おじいさん 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「祖父」の意味・読み・例文・類語 おお‐じおほぢ【祖父・翁】 (一)〘 名詞 〙 ( ﹁ぢ﹂は、男性に対する敬称﹁ち﹂の変化した語 ) (二)① 父母の父。祖父。おおてて。⇔祖母(おおば)。︹令集解︵738︶︺ (一)[初出の実例]﹁この君さへかくおはしそひぬれば春宮の御おほちにてつひに世中をしり給べき右のおとどの御いきほひは﹂(出典‥源氏物語︵1001‐14頃︶桐壺) (三)② 年とった男性。老翁。じじい。江戸時代の村落にあっては六〇歳以上の老人をいい、夫役を免除された。 (一)[初出の実例]﹁中ごろのことなるに、津の国難波の里に、おほぢとうばと侍(はんべ)り﹂(出典‥御伽草子・一寸法師︵室町末︶) (二)﹁老屈かがまれる姥(うば)おうぢ、はるかのあとに引さがり︿略﹀おうぢがうばにいふやうは﹂(出典‥浮世草子・元祿大平記︵1702︶二) (四)③ 狂言に用いる老人の面。﹁財宝﹂﹁老武者﹂﹁枕物狂﹂などに用いる。 ③︿東京国立博物館蔵﹀" /> 祖父③︿東京国立博物館蔵﹀ ・[初出の実例]﹁シテ。祖父の面﹂(出典‥虎寛本狂言・腰祈︵室町末‐近世初︶) 祖父の語誌 (1)語源に関しては﹁おほちち︵大父︶﹂の約とする説もあるが、祖父を父と区別するために、世代・兄弟姉妹間の上位者を表わす﹁おほ﹂を﹁ち﹂に冠したものと思われる。 (2)﹁おほば︵祖母︶﹂が、﹁おば﹂﹁うば﹂となって、勢力を弱めたのとは異なり、﹁おほぢ﹂は、院政期ごろまでに﹁おぢ﹂を派生したものの、江戸期に﹁ぢぢ﹂やその派生語にとって替わられるまで、祖父を表わす代表語であった。→﹁おおば︵祖母︶﹂の語誌 じじぢぢ︻祖父・爺︼ (一)〘 名詞 〙 (二)① 父母の父親。そふ。おおじ。じい。⇔祖母(ばば)。 (一)[初出の実例]﹁渋柿もことしは風に吹れたり︿里圃﹀ 孫が跡とる祖父(ぢぢ)の借銭︿馬莧﹀﹂(出典‥俳諧・続猿蓑︵1698︶上) (二)﹁祖父 ヂヂ﹂(出典‥書言字考節用集︵1717︶四) (三)② 年老いた男子の称。おきな。老人。老翁。老爺(ろうや)。じい。⇔祖母(ばば)。 (一)[初出の実例]﹁物おもふ軍の中は片わきに︿羽笠﹀ 名もかち栗とぢぢ申上げ︿野水﹀﹂(出典‥俳諧・春の日︵1686︶) (二)﹁ぢぢは、山へくさかりに、ばばは、川へせんたくに行きました﹂(出典‥尋常小学読本︵1887︶︿文部省﹀一) じいぢい︻祖父・爺︼ (一)〘 名詞 〙 ( ﹁じじ︵祖父︶﹂の変化した語 ) (二)① 祖父をいう幼児語。じじ。おじいさん。 (一)[初出の実例]﹁年の暮に孫の七つ八つなるを近付け、元日にわが顔を見、日本の鉄床は皆ぢいの鉄床といへと、懇に教へし﹂(出典‥咄本・内閣文庫本醒睡笑︵1628︶一) (三)② 貴人の幼児などが男性の養育係を呼ぶ語。 (一)[初出の実例]﹁イヤイヤ此処が面白い、いつもの様な切りあひしよ。爺(ヂイ)も人形持って出い、はやうはやう﹂(出典‥浄瑠璃・鎌倉三代記︵1716︶三) (四)③ 一般に老年の男子をさしていう。老翁。老爺。 (一)[初出の実例]﹁老ぼれと笑やすらんちいが身にうは口なりし人を恋れば﹂(出典‥狂歌・銀葉夷歌集︵1679︶七) そ‐ふ︻祖父︼ (一)〘 名詞 〙 ( 古くは﹁そぶ﹂ ) 父母の父親。おおじ。じじ。じい。おじいさん。⇔祖母。 (一)[初出の実例]﹁自二余祖父一降及二余身一、三代相承、両官無レ失﹂(出典‥菅家文草︵900頃︶二・講書之後、戯寄諸進士・注) (二)﹁祖父(ソブ)正盛、蔵人五位の家に仕へて、諸国受領の鞭をとる﹂(出典‥高野本平家︵13C前︶四) (三)[その他の文献]︹礼記‐喪服小記︺ じじいぢぢい︻祖父・爺︼ (一)〘 名詞 〙 年老いた男子。老人。じじ。じい。また、年老いた男子をののしっていう語。 (一)[初出の実例]﹁今おまへに、じぎして、いった、達者そふな、ぢぢいは﹂(出典‥洒落本・遊子方言︵1770︶発) (二)﹁あんたみたいなジジイには勿体ない若さだわ﹂(出典‥木の上の生活︵1969︶︿安岡章太郎﹀) お‐じ‥ぢ【祖父】 〘 名詞 〙 ( 「おおじ(祖父)」の変化した語 ) 両親の父。そふ。〔日本一鑑窮河話海(1565‐66頃)〕[初出の実例]「七歳の時に父を喪(うしな)ひ、母かたの舅(オヂ)の許に養はれしに」(出典:随筆・折たく柴の記(1716頃)下) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例