神学大全(読み)シンガクタイゼン(英語表記)Summa theologiae

デジタル大辞泉 「神学大全」の意味・読み・例文・類語

しんがくたいぜん【神学大全】

 
︿Summa Theologica1266673()()  

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精選版 日本国語大辞典 「神学大全」の意味・読み・例文・類語

しんがくたいぜん【神学大全】

 

(一)( [] Summa Theologiae ) =
 

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改訂新版 世界大百科事典 「神学大全」の意味・わかりやすい解説

神学大全 (しんがくたいぜん)
Summa theologiae


使︿sacra doctrina︿12312661273126

 使2669︿articulus︿︿︿disputatio︿

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「神学大全」の意味・わかりやすい解説

神学大全
しんがくたいぜん
Summa Theologiae

中世のスコラ神学者トマス・アクィナスの主著。ヨーロッパ中世文化のもっとも輝かしい傑作の一つである。本書はしばしばゴシック大聖堂に例えられるが、これは単なる修飾ではなく、多様な諸部分が相互に秩序と調和を保ちつつ、みえざる超越的な一点へ向かって収斂(しゅうれん)するという根本構造が、両者に共通だからである。トマスの著作意図は、神学教育の経験を生かして、初心者のための教科書を書くことであったが、3部(神・創造論、倫理編、キリスト・秘跡論)からなるこの未完の大作は、神学的観点からの中世学問の集大成である。叙述様式は、中世大学特有の授業形式である「討論」に由来し、構成要素である2669個の「項」はすべて「……であるか?」という問いの形をとる。まず著者自身の立場に反対する最強の異論(通常3個)が提示され、それら異論の間の緊張、矛盾自体が高次の総合へ導く、という探究の構造が認められる。第1部の人間論、第2部の情念論、習慣論、法・正義論など哲学的に興味深い論考のほか、詳細な聖書解釈も含まれている。

[稲垣良典]

『高田三郎・山田晶・稲垣良典他訳『神学大全』全37巻(1973~ ・創文社)』『コプルストン著、稲垣良典訳『トマス・アクィナス』(1962・未来社)』

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「神学大全」の解説

『神学大全』(しんがくたいぜん)
Summa Theologica

トマス・アクィナスの主著。1265~73年の間に書かれ,3部よりなる。第1部は神に関する119命題,第2部は人間と神との関係についての303命題,第3部はキリストについての90命題,その他99命題を含み,未完である。各命題ごとに反論と解答があり,信仰と理性の調和を図り,スコラ哲学の最高峰として,その世界観の一大体系をなしている。

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旺文社世界史事典 三訂版 「神学大全」の解説

神学大全
しんがくたいぜん
Summa Theologica

イタリアのスコラ哲学者トマス=アクィナスの主著
1266〜73年ごろ書かれたが完結せず,弟子のレジナルドが補足して完成。カトリック神学を体系づけ,スコラ哲学を集大成したもの。信仰と理性の調和をはかりつつも,哲学を神学の僕婢 (ぼくひ) とした。

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デジタル大辞泉プラス 「神学大全」の解説

神学大全

創文社が発行する神学書。著:トマス・アクィナス、訳:稲垣良典ほか。1960年~2012年刊行。全45巻。2013年、第67回毎日出版文化賞(企画部門)受賞。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神学大全」の意味・わかりやすい解説

神学大全
しんがくたいぜん

スンマ・テオロギアエ」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の神学大全の言及

【アレクサンデル・ハレンシス】より


 

【トマス・アクイナス】より

…この時期の思想的成熟に関して特筆すべきはギリシア語に堪能(たんのう)な同僚ムールベーカのギヨームの協力を得て,アリストテレスおよび新プラトン主義哲学の本格的な研究を行ったこと,およびギリシア教父神学の研究に打ち込んだことである。この時期のおもな著作には前記《対異教徒大全》のほか,《定期討論集・神の能力について》や《ディオニュシウス神名論注解》,〈黄金連鎖〉の名で広く知られた《四福音書連続注釈》などがあるが,最も重要なのは彼の主著であり,今日にいたるまで数多くの注解(部分的注解も含め約750)や研究書の対象となってきた《神学大全》である。 68年秋,当時の教皇庁の所在地ビテルボに滞在していたトマスは,ドミニコ会総長の命令によって再度神学部教授に就任するためパリに向かった。…

※「神学大全」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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