糧（読み）カテ

デジタル大辞泉 「糧」の意味・読み・例文・類語

かて【糧／×粮】

 
︽﹁かりて︵糧︶﹂の音変化︾
1 食糧。食物。﹁その日の―にありつく﹂
2 精神・生活の活力の源泉。豊かにし、また力づけるもの。﹁音楽は心の―﹂
3 古代、旅などに携帯した食糧。干し飯(いい)の類。
﹁―つきて、草の根をくひものとしき﹂︿竹取﹀
[類語]食品・食料・食べ物・食糧・食物・食い物・糧食・飲食物・食料品・食材・米塩・召し上がり物  
 

りょう︻糧︼﹇漢字項目﹈

 
﹇常用漢字﹈　﹇音﹈リョウ︵リャウ︶︵漢︶　ロウ︵ラウ︶︵呉︶　﹇訓﹈かて
︿リョウ﹀旅行や行軍の際に携行する食物。主食となる食料。かて。﹁糧食・糧道・糧米・糧(りょ)秣(うまつ)／衣糧・口糧・食糧﹂
︿ロウ﹀かて。﹁兵(ひょ)糧(うろう)﹂
[補説]﹁粮﹂は俗字。  
 

かり‐て︻▽糧／×粮︼

 
食糧。食物。かて。
﹁いかにか行かむ―は無しに﹂︿万・八八八﹀  
 

りょう︹リヤウ︺︻糧／×粮︼

 
旅行や行軍などに携帯する食料。糧食。かて。  

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精選版 日本国語大辞典 「糧」の意味・読み・例文・類語

かて【糧・粮】

 

(一)〘 名詞 〙
 (二)① 旅行などに携帯した食料。糒(ほしいい)の類。かりて。︹十巻本和名抄︵934頃︶︺
(一)[初出の実例]﹁ある時にはかてつきて草のねをくひ物としき﹂(出典‥竹取物語︵9Ｃ末‐１０Ｃ初︶)
 (三)② 食料。糧食。
(一)[初出の実例]﹁三年を積(ふ)る間に、舟檝を脩(そろ)へ、兵食(カテ)を蓄(そな)へ﹂(出典‥日本書紀︵720︶神武即位前乙卯年︵熱田本訓︶)
 (二)﹁かてなきものはうゑつかれたるなり﹂(出典‥観智院本三宝絵︵984︶下)
 (四)③ ( 比喩的に ) 生活、成長していく上で、滋養分、ささえとなるもの。また、精神的なささえ。
(一)[初出の実例]﹁身の後のまことの道のカテをつつまざる事、静に思とくにかなしくこそ侍れ﹂(出典‥梵舜本沙石集︵1283︶五末)
 (二)﹁あらゆる経験を成長の糧として、自家薬籠に取り入れ﹂(出典‥竹沢先生と云ふ人︵1924‐25︶︿長与善郎﹀竹沢先生の散歩)

糧の語誌


上代では﹁かりて﹂といい、もともとは旅行などの際に仮に携行する臨時の食糧の意であった。中古初期に﹁かりて﹂から﹁かて﹂への変化が起こったものと思われる。やがて﹁臨時の﹂という意味を失い、②のような一般の食糧の意で用いられるようになる。
 

りょうリャウ︻糧・粮︼

 

(一)〘 名詞 〙
 (二)① 旅行・行軍などで用いる食料。糧食。かて。
(一)[初出の実例]﹁粮 リャウ カテ 或作糧﹂(出典‥色葉字類抄︵1177‐81︶)
 (二)[その他の文献]︹周礼‐地官・人︺
 (三)② 年貢。租税。︹宋史‐職官志三・兵部職方郎中︺
  

かり‐て【糧】

  1. 〘 名詞 〙 ＝かて（糧）①
    1. [初出の実例]「常知らぬ道の長手をくれくれといかにか行かむ可利弖(カリテ)はなしに」(出典：万葉集（８Ｃ後）五・八八八)

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デジタル大辞泉プラス 「糧」の解説

糧

 
米国の作家エド・マクベインの警察小説︵1974︶。原題︽Bread︾。﹁87分署﹂シリーズ。  

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