デジタル大辞泉 「蘭」の意味・読み・例文・類語 らん【蘭】[漢字項目] ﹇人名用漢字﹈ ﹇音﹈ラン︵呉︶︵漢︶ 1 キク科の草の名。フジバカマ。﹁蘭草﹂ 2 ラン科植物の総称。また、それに類したもの。﹁金蘭・紫蘭・春蘭・鈴(すず)蘭(らん)・葉(はら)蘭(ん)・木蘭・君子蘭・竜舌蘭﹂ 3 芳しく美しいものの美称。﹁芝(しら)蘭(ん)﹂ 4 文書を扱う役所。﹁蘭台﹂ 5 梵語や外国語の音訳字。﹁阿(あら)蘭(んに)若(ゃ)・阿(オラ)蘭(ン)陀(ダ)﹂ 6 オランダ。﹁蘭医・蘭学・蘭書・蘭方﹂ ﹇名のり﹈か ﹇難読﹈英(イン)蘭(グランド)・和(オラ)蘭(ンダ)・蘇(スコ)格(ット)蘭(ランド)・新(ニュ)西(ージ)蘭(ーランド)・芬(フィ)蘭(ンランド)・波(ポー)蘭(ランド)・蘭(ラン)引(ビキ) らん︻×蘭︼ 1ラン科の単子葉植物の総称。約2万5000種が熱帯を中心に広く分布。地中に根をはる地生のほか着生・腐生もあり、ふつう多年草。花びら・萼(がく)とも3枚ずつで、1枚は形や色の変化した唇弁となり、花形は左右相称。一般には観賞用のものをいい、産地により東洋ランと洋ランに分け、品種が多い。シュンラン・カンラン・カトレアなど。︽季 秋︾﹁―の香やてふの翅(つばさ)にたき物す/芭蕉﹂ 2 紋所の名。1の花を図案化したもの。 3 フジバカマの別名。 4 ﹁和(オラ)蘭(ンダ)﹂﹁阿(オラ)蘭(ン)陀(ダ)﹂の略。 [類語]洋蘭・胡蝶蘭・春蘭 らに【×蘭】 《「らん」の撥音「ん」を「に」と表記したもの》フジバカマの古名。「―の花のいとおもしろきを持も給へりけるを」〈源・藤袴〉 あららぎ【×蘭】 1 イチイの別名。2 ノビルの古名。「一根ひともとの―を採りて」〈北野本允恭紀〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「蘭」の意味・読み・例文・類語 らん【蘭】 (一)[1] 〘 名詞 〙 (一)① ラン科の植物の総称。世界中に約二万種、日本にはシュンラン・カンラン・シラン・セッコクなど二〇〇種近くが知られる。花は独特な形態をしていて美しいものが多く、観賞用に栽培される。→蘭科。 (一)[初出の実例]﹁蘭の香やてふの翅(つばさ)にたき物す﹂(出典‥俳諧・野ざらし紀行︵1685‐86頃︶) (二)② 植物﹁ふじばかま︵藤袴︶﹂の異名。︽ 季語・秋 ︾ (一)[初出の実例]﹁ふぢばかまとは、らんを云﹂(出典‥能因歌枕︵11C中︶) (二)[その他の文献]︹易経‐繋辞上︺ (三)③ 植物、蘭(あららぎ)をいう。 (一)[初出の実例]﹁去仁和の比、讚州の任に下給しには、甘寧が錦の纜(ともづな)を解き、蘭(ラン)の橈(さを)・桂の檝、舷(ふなばた)を南海の月に敲きしに﹂(出典‥太平記︵14C後︶一二) (四)④ 紋所の名。①の花を一つあるいはいくつかを組み合わせて図案化したもの。三つ蘭の丸、向い蘭菱、蘭の花などがある。 三つ蘭の丸@向い蘭菱 ・⑤ ( オランダの服の意から ) 江戸の芝居仲間の通言で、着物をいう。 (一)[初出の実例]﹁﹃ぬしゃア芝居の事がくはしひから芝居のふちゃうを咄しねへ﹄﹃ちっと斗り咄しやせふ︿略﹀きものを﹁らん﹂(出典‥洒落本・品川楊枝︵1799︶) ・[2] オランダのあて字﹁阿蘭陀﹂の略。 (一)[初出の実例]﹁其国都て七州、総称してネヰデルランドと云ふ。和蘭は其一なり、吾が輩単へに蘭と唱へ﹂(出典‥蘭学階梯︵1783︶例言) 蘭の語誌 中国では、古くは﹁蘭﹂はキク科の香草で、多く﹁菊﹂と対で詠まれる。香嚢にして身につける蘭を﹁芷蘭(しらん)﹂といい、﹁芷蘭﹂は﹁蘭﹂の美称ともなった。﹁蘭﹂﹁芷蘭﹂ともに字音語でも行なわれた。日本でも上代から例がみられるが、総じて香りの高い植物をいったもので、種類を特定しにくい。 あららぎ︻蘭︼ (一)〘 名詞 〙 (二)① 植物﹁のびる︵野蒜︶﹂の古名。 (一)[初出の実例]﹁圧乞(いで)、戸母(とじ)、其の蘭(アララキ)一茎(ひともと)﹂(出典‥日本書紀︵720︶允恭二年二月︵図書寮本訓︶) (三)② 植物﹁ふじばかま︵藤袴︶﹂の異名。︽ 季語・秋 ︾ (一)[初出の実例]﹁はつ秋︿略﹀蘭(アララキ)﹂(出典‥至宝抄︵寛永一一年本︶︵1634︶) (四)③ 植物﹁いちい︵一位︶﹂の異名。︽ 季語・春 ︾ ▼あららぎの実︽ 季語・秋 ︾ らに【蘭】 〘 名詞 〙① 植物「ふじばかま(藤袴)」の古名。《 季語・秋 》[初出の実例]「らに あき風にかをのみそふる花なればにほふからにぞひとにつまるる」(出典:躬恒集(924頃))② 「らん(蘭)①」の変化した語。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「蘭」の解説 らん【蘭】 鹿児島の芋焼酎。従来不可能といわれていた芋麹を用いた純芋焼酎。白麹仕込みと黒麹仕込みがある。原料はコガネセンガン、芋麹。アルコール度数25%。蔵元の﹁黄金酒造﹂は昭和24年(1949)創業。所在地は霧島市国分敷根。 出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報
デジタル大辞泉プラス 「蘭」の解説 蘭〔オートバイ〕 スズキが1983年から製造・販売したスクータータイプのオートバイ。総排気量45cc(原動機付自転車)。エンジン形式は空冷2ストローク単気筒。 蘭〔焼酎〕 鹿児島県、アットスター株式会社が製造・販売する焼酎。芋と芋麹を使用した全芋焼酎。 出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報
動植物名よみかた辞典 普及版 「蘭」の解説 蘭 (フジバカマ) 学名:Eupatorium fortunei植物。キク科の多年草,園芸植物,薬用植物 蘭 (アララギ) 植物。イチイ科の常緑針葉高木,園芸植物,薬用植物。イチイの別称 蘭 (アララギ) 植物。ユリ科の多年草,高山植物。ギョウジャニンニクの別称 蘭 (ラン) 植物。ラン科の植物の総称 蘭 (アララギ・ラン) 植物。野蒜の古名 出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報