出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…その過程は生まれた赤子が親族・縁者の庇護の下に成長しおとなの仲間になるのと類似している。インドのトダ族,コタ族やアフリカ諸族に見られる二重葬(複葬)の慣行は,埋葬後一定期間をおいて改めて骨の処置を行うものだが,これは死霊を祖霊化させるための儀礼と目され,沖縄の洗骨もその例であるといえよう。日本の三十三回忌の弔い上げも死霊の祖霊化のための儀礼である。…
…死後一時的に埋葬(必ずしも地中に埋められるとはかぎらない)した死体を,一定期間を経た後に,掘り起こすなどして骨を洗い改葬する葬法。最初の死体処理を一次葬といい,改葬を二次葬,葬制の全体を複葬と呼ぶことがある。一次葬には,土葬のほか,住居のなかに安置しておく屋内葬,一時的に簡単な小屋や風よけを設けて安置する台上葬,洞窟や森に放置する風葬などが一般的であるが,まれには火葬を行う民族もある。…
…これに対してミイラの作成は典型的な死体保存の方法であり,現代日本における火葬後の遺骨の安置は破壊と保存が相半ばしている例と考えることができよう。これとの関連で興味深いのは,しばしば洗骨を伴って行われるいわゆる複葬の慣習である。これは,死体は一時的に土葬・風葬などの処理を受け,その後肉体軟部の腐敗の完成を待ってあらためて骨部を保存するやり方である。…
※「複葬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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