﹁南無阿弥陀仏﹂に様々な節をつける﹁六斎念仏﹂。かつて奈良県内の60もの地区で聞こえたというが、今伝承されているのは3カ所で、うち1カ所は研究者らが引き継ぎ復興した。3カ所の六斎念仏が実演されるイベントが、県立図書情報館︵奈良市︶であった。 ﹁六斎念仏﹂は関西を中心に全国で伝承され、各地で独自の展開をとげた。﹁風流踊︵ふりゅうおどり︶﹂の一つとしてユネスコ無形文化遺産に登録されたものもある。 唱えるのは僧侶でなく地域の人が中心だ。六斎念仏講には参加することで一人前だと認められる通過儀礼、社交の場という要素もあったという。 県内に残るのは、八島鉦講︵かねこう、奈良市八島町︶、大宝寺六斎講︵安堵町東安堵︶、東佐味六斎講︵御所市東佐味︶。東佐味は高齢化による講員減少で休止していたが、日本の音楽の研究者や文化財行政の担当者らが復興。取り組みを始めた矢先に最後の伝承者が亡くなってしまったが、オンライ