平川祐弘氏佐伯彰一氏が旧制富山高校の学生だった時、確か小林秀雄だと思うが新鋭の評論家が富山に来た。文芸講演の後、宿まで行って話を聞くと﹁作家の全集を読破すれば文学部卒業以上の実力がつく﹂と言われた由だ。これはまさにその通りで、人間の自己教育の尊さを示唆している。 私も新入生に忠告したい。講義などつまらない。自分で読むことが肝心だ。では私が読んだ作家は何人か。漱石、鷗外、ハーンは作品も手紙も八割方読んだ。この折に、三人の手紙に人間の生死を観察したい。 死を前にしたユーモア
![<正論>全集の読破は大学の卒業に優る 東京大学名誉教授・平川祐弘](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/6ac8fbbb9adcda0d27902ae7c2b4ea4519ebc727/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.sankei.com%2Fresizer%2FVxnCG_lgZeMe2C2sFWAprYS_pjg%3D%2F1200x630%2Ffilters%3Afocal%28729x819%3A739x829%29%3Aquality%2850%29%2Fcloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com%2Fsankei%2FUXCWF7JVCJJRBPPFIOE3Z7U6VM.jpg)
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