エジプトのルクソール近郊の町エスナにあるクヌム神殿から煤や泥を取り除いたところ、天井や円柱が2000年前の色鮮やかな姿を取り戻した。(ELIZABETH BEARD/GETTY IMGAGES) およそ2000年前につくられた古代エジプトの神殿の天井を研究者チームが復元したところ、驚くべき発見がもたらされた。黄道12星座やその他の星々を描いたフルカラーのレリーフのほか、ヒエログリフ(象形文字)の碑文も見つかり、これらの天体図に隠された意味を解くカギとなりそうだ。(参考記事:「ヒエログリフを解読した「エジプト学の父」シャンポリオンの生涯」) 天井が復元された神殿は、エジプト中南部の町エスナに残るクヌム神殿だ。プロジェクトには考古学者でエジプト学者のヒシャム・エライシー氏を中心とするエジプト観光・考古省と、ドイツのテュービンゲン大学から計30人の研究者が参加。5年余りに及ぶ作業で、当時の色彩を
このフロリダオオアリ(Camponotus floridanus)が負傷した仲間の脚を切断して治療する姿が初めて観察された。(PHOTOGRAPH BY WAFFA/SHUTTERSTOCK) 近年、野生動物がさまざまな方法で治療を行うことがわかってきている。キツネザルは腸内寄生虫から身を守るため、かみ砕いたヤスデを使うことがある。チンパンジーとオランウータンは傷に湿布を貼る姿を目撃されている。そしてついに、フロリダオオアリ(Camponotus floridanus)が「切断手術」を行っていることが、7月2日付けで学術誌「Current Biology」で報告された。ヒトは3万年以上前から切断手術を行ってきたが、動物界では初の事例だ。 フロリダオオアリのコロニーでの生活は、特にほかのコロニーが近くにある場合、危険と隣り合わせだ。日没後、近くのアリ同士が戦争を繰り広げ、多くの負傷者が出るこ
ノルウェーの中高生2000人を約30年にわたって追跡した研究により、思春期に強い孤独を味わった人や、生涯にわたり孤独だった人は中年期に陰謀論的な世界観にはまってしまいやすいことがわかりました。その理由について研究者は、孤独な人が孤立感から自尊心を守るために陰謀論に走ったり、陰謀論者のコミュニティにつながりを求めたりするからではないかと指摘しています。 Loneliness trajectories over three decades are associated with conspiracist worldviews in midlife | Nature Communications https://www.nature.com/articles/s41467-024-47113-x 陰謀論は決して新しいものではなく、2022年の研究では陰謀論を信じる人々の割合は20世紀半ばから変わ
医療や地域の場で ヘルスプロプロモーションを推進する ヘルスプロモーション研究センターは、保健と医療の連携を目指して2015年度から新しい体制で活動しています。 ヘルスプロモーションの推進を目指して、医療施設ならびに自治体等と協働して、生活習慣病や介護・認知症の予防活動に先進的に取り組み、効果検証を実施しながら、効果が確認された取り組みを指導者研修や情報発信、政策提言を通して普及する活動を行っています。
理化学研究所は21日、蚊が『腹八分目』になると、停止シグナルを利用し、血を吸い終わるという新事実を発表しました。 人間や犬、牛など様々な「生きもの」の血を吸う蚊。 ■マラリアやデング熱の感染源 命奪う『蚊』 吸うたびに唾液や病原体が血管に送り込まれるため、多くの人が命を奪われているマラリアやデング熱の感染源にもなっています。 理化学研究所が発表したのはそんな蚊による被害を減少させるかもしれない新事実です。 ■蚊は『腹八分目』がわかる可能性 腹八分目で「FPA」と呼ばれる成分が急増『停止シグナル』に 蚊は血を吸うときに停止シグナルを利用し、『腹八分目』で吸い終わることが発見されました。 その停止シグナルとなるのは、フィブリノペプチドA=FPAと呼ばれる成分で、血管が傷つくことで生成されます。 蚊の体内のFPAの量は腹八分目になると急増し、それを停止シグナルとして利用しているのです。 このFP
アメリカンフットボールのチームでクォーターバックを務めることは、ストレス要因ではあるものの、そのことを楽しめる人にとっては悪くはない。世の中にはストレス要因をまったく苦にしない人もいるが、それは必ずしも良いことではない。(PHOTOGRAPH BY BRIAN FINKE, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 人間を幸せにするものは何だろうか。大人の感情のプロセスを研究してきた米カリフォルニア大学アーバイン校の心理学教授スーザン・チャールズ氏は、その問題に何度も立ち返ってきた。ほとんどの感情は社会的な状況の中で経験されるので、「私たちは安全だと感じるときに幸せを感じます。他者との関係に満足しているときに、自分の人生は有意義だと感じるのです」と氏は言う。だから、私たちの生活に小さな波風を立てる日常的なストレスのもとを量的に測れば、他者との関係がもたらす幸せについて考えるヒント
「スギ花粉米」は、花粉症の症状の緩和を目指して、茨城県つくば市にある農研機構=農業・食品産業技術総合研究機構が2000年に開発を始めました。 スギによる花粉症の原因物質の一部を作る遺伝子をイネに組み込み、コメの「PBー1」というたんぱく質のなかにその原因物質を蓄積させます。 このたんぱく質は、胃液などに消化されにくい性質があることから、口から摂取しても花粉症の原因物質が分解されずに、多くの免疫細胞が働く腸に届けられるという利点があるということです。 継続して摂取し腸で吸収されると体が慣れて免疫が過剰に働かなくなるようになり、実際にスギ花粉を取り込んでも強いアレルギー反応が起きにくくなる効果が期待されています。 これまで花粉症の免疫療法としては、スギ花粉から抽出したエキスを原料にした薬を舌の下に投与する方法などが行われてきましたが、今回の「スギ花粉米」は腸で吸収されたあとに効果を発揮すること
発達障害とアタッチメントについては、これまでも深く取り上げてはきませんでしたし、ここでもそこまで深入りをした議論をしようとは思っていません。けれども、いくらか考えが整理されてきた気がしますので、書き出してみたいと思います。あくまで覚書のようなもので、これが研究知見をまとめたものだと誤解されないように、最初にそのことを断っておきたいと思います。 1.アタッチメントのプロセス いつもの話ですが、アタッチメントの流れはこうなっています。 危険な状況に遭遇すると、生物学的な仕組みとしてアタッチメントシステムが活性化します。 それはくっついて安心しようというニードを引き起こします。 これに続いて、もしくはこれと同時にくっつくという行動が生じます。これがアタッチメント行動です。 もしもこの行動に対して、養育者が敏感に応答することができれば、子どもは危険から逃れることができ、安心します。これによってアタ
休憩を挟んで計40秒のスプリント(全力運動)を実施すると、酸素の消費量や太ももの筋肉の活動が大きく増加することを早稲田大などの研究チームが明らかにした。研究結果は米スポーツ医学会誌で発表された。世界保健機関(WHO)は週150分以上の有酸素運動などを推奨しているが、多忙な現代人の間で「タイパ」(タイムパフォーマンス、時間対効果)を意識した運動は注目を集める可能性がある。 近年、休憩を挟んで短時間の全力運動を繰り返すことの効果を確かめる研究が盛んに行われている。研究チームは今回、メカニズムを詳しく調べようと、自転車型の装置を使って運動効果を測定した。
カラスはゼロの概念を理解したり、忍耐力テストで人間の子ども並みの自制心を発揮したりと、優れた知能を持つことが知られています。そんなカラスに数字を見せて鳴き声を出させる実験により、カラスは数字を理解してそれに応じた鳴き声を出すことが可能なことがわかりました。 Crows “count” the number of self-generated vocalizations | Science https://www.science.org/doi/10.1126/science.adl0984 Crows can deliberately plan how many calls to make | University of Tübingen https://uni-tuebingen.de/en/university/news-and-publications/press-releases/
エマン・ゴネイム氏。ガザのピラミッド前で消滅したナイル川支流の調査を行っている様子/ Eman Ghoneim (CNN) エジプトの大ピラミッドをはじめとするギザの古代遺跡は、サハラ砂漠の端にある孤立した場所に存在する。一部の考古学者らは以前、かつてナイル川がこれらのピラミッドの近くを流れ、4700年前に始まったピラミッドの建設を後押ししたという証拠を発見した。 学術誌「コミュニケーションズ・アース・アンド・エンバイロメント」に16日に発表された研究では、衛星画像を使い、堆積(たいせき)物の中心部を分析することで長い間農地と砂漠の下に埋もれていた長さ64キロの干上がったナイル川支流の地図を作成した。 この研究の筆頭著者エマン・ゴネイム氏は「これは、長い間不明だったナイル川の古代の支流を示す最初の地図を提供する初めての研究だ」と語る。 この支流の幅は約0.5キロ、水深は少なくとも25メート
要点 PaCS-MDシミュレーションを容易に実行できるソフトウエアツールPaCS-Toolkitを開発・公開 Gタンパク質共役型受容体から化合物が解離していく過程のシミュレーションでは1,000億分の1の時間短縮を実現 PaCS-Toolkitの利用によって、計算による生体分子の働く仕組みといった基礎研究・薬剤の設計や効果の予測などの応用研究を加速することが期待 概要 東京工業大学 生命理工学院 生命理工学系の生澤真司大学院生(研究当時)、堀立樹大学院生、Wijaya Tegar(テガル・ウィジャヤ)大学院生らとTran Phuoc Duy(チャン・フ・ズイ)助教、北尾彰朗教授は、多数のMDシミュレーション[用語1]を実行し、上手く行った状態からシミュレーションを再実行するサイクルを繰り返すことで、長時間現象を短時間の計算で観察することができるPaCS-MDシミュレーション[用語2]を容易
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