いすゞ・エルフ
いすゞが製造・販売する小型および中型トラック
エルフ︵ELF︶は、いすゞ自動車が製造・販売する小型および中型トラック。1959年︵昭和34年︶に発売されて以来、乗用車やSUVを製造していた時代も含め、一貫していすゞ自動車の主力販売商品となっている。
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6代目エルフ
2014年販売型ワイドキャブ
日本フルハーフ温度管理車
なお、本項では便宜上、以下の車種についても記述する。
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/28/Nippon_Fruehauf_e-CHILNO_refrigerator_truck_ELF_%286th%29.jpg/220px-Nippon_Fruehauf_e-CHILNO_refrigerator_truck_ELF_%286th%29.jpg)
- ライト エルフ(Light ELF)
- エルフ マイパック(ELF Mypack)
- エルフ 100(ELF 100)
- エルフ EV(ELF EV)
- エルフ ミオ(ELF mio)
- エルフ ミオ EV(ELF mio EV)
概要
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2024年︵令和6年︶現在は、新普通免許で運転できる最大積載量1トンクラスかつ車両総重量3.5トン未満の4ナンバー車である﹁エルフミオ﹂から、中型自動車8トン限定免許︵旧普通免許︶で運転できる4トン積載クラスまで、幅広いシャシーラインナップを有する。
1975年︵昭和50年︶に2トンクラストラックでシェアトップを奪って以来、日本の小型キャブオーバートラックの代表的存在として位置づけられている。一般的なトラック同様、ホイールベースと荷台のバリエーションによりさまざまな車種が存在する。エンジンはディーゼルエンジンのみならず、BEV︵二次電池式電気自動車︶も存在する。かつては3種類以上のディーゼルエンジンのほか、ガソリンエンジンなど多彩なエンジンが用意されており、ほかにも、LPG、CNGといったガス燃料車や、ディーゼルエンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッド車も存在していた。しかし自動車排出ガス規制への対応から、6代目へのモデルチェンジでLPG車が廃止され、ディーゼル2機種とCNG車、ベースエンジンを共用するハイブリッド車のみとなった。7代目はディーゼル2機種とBEVを設定しているが、7代目へのモデルチェンジと同時にCNG車、ベースエンジンを共用するハイブリッド車は廃止された。
日本国内向けは最大でも中型自動車8トン限定免許の上限となる車両総重量8トンクラスの﹁NPR﹂シリーズまでの設定であるが、輸出仕様の中には車両総重量8.5トン - 9.5トンクラスの﹁NQR﹂シリーズが設定されている仕向地もある。
2004年︵平成16年︶の5代目のマイナーチェンジの際に、エルフのCMソングとして﹃いすゞのトラック﹄が制作された[1]。
メキシコや韓国など、日本と同じエルフの名称で販売している輸出先・現地生産先もあるものの、日本国外のほとんどの地域ではNシリーズとして発売される。2008年︵平成20年︶の6代目からの輸出車両は車名が﹁REWARD﹂となった[2]。
また、本車種の派生車種として、キャンピングカーベース専用車の﹁Be-cam﹂が存在するが、この翻字には﹁びぃーかむ﹂﹁びーかむ﹂﹁ビーカム﹂と言った表記揺れが見られる。
1.5t積 - 4t積系
編集初代(1959年-1968年)
編集![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/f1/1stElf.jpg/220px-1stElf.jpg)
2代目(1968年-1978年)
編集![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/72/Isuzu_Elf150_2nd_Gen%2C_White_truck.png/220px-Isuzu_Elf150_2nd_Gen%2C_White_truck.png)
エルフ350
ライトエルフ
3代目(1975年-1991年)
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150/250シリーズは1975年-1984年、ルートバンは1976年-1991年、350シリーズは1980年-1984年にかけて展開。
●1975年6月、フルモデルチェンジで3代目登場︵エルフ150及び250︶。テレビCMに渥美清を起用したことから、3代目前期型は通称﹁寅さんエルフ﹂とも呼ばれる。
●1976年、1年遅れてルートバンもフルモデルチェンジ。
●1977年1月、エルフ250に前後異径タイヤのフラットローを追加。
●1977年2月、エルフ250にいすゞ独自のデザインを施した荷台を搭載した﹁ダンディダンプ﹂を追加。
●1977年9月、ロングボディ車やルートバンにもフラットローを設定し、バリエーションを拡充。
●1978年12月、マイナーチェンジ。フロントグリルの形状が変更。2t車は﹁エルフ250スーパー﹂として発売。 生産累計100万台達成。
●1980年1月、マイナーチェンジ、昭和54年排出ガス規制適合。この時のCMに﹃ドカベン﹄が起用されたことから、3代目後期型は﹁ドカベンエルフ﹂とも呼ばれる。フロントグリルがシルバーに変更。ワイドキャブ車の﹁エルフ250ワイド﹂﹁エルフ350ワイド﹂が登場、1978年に2代目350シリーズ生産終了後、約2年半ぶりの復活としてのフルモデルチェンジとなった。チルトキャブが採用される。
●1981年7月、マイナーチェンジ。フロントグリルがシルバー一色からシルバーとブラックに変更され、インパネのデザインが大幅に変更される。透過照明式メーターとエアコン対応のフルエアミックスタイプのヒーターの採用。ワイパーとドアハンドルがブラック塗装になる。
●1983年3月、ディーゼルエンジン昭和58年排出ガス規制適合。
●1984年7月、4代目にフルモデルチェンジ。3代目150/250/350シリーズ︵ルートバンを除く︶生産終了。ルートバンは継続生産。
●1985年3月、ルートバンをマイナーチェンジ。フロントグリルをホワイト塗装化し、アッパーグリルがブラック塗装に変更され、4代目に似たイメージとなる。
●1991年1月、3代目ルートバン生産終了。7年遅れて4代目にフルモデルチェンジしたが、3代目のバンボディを流用している。
4代目(1984年-1993年)
編集![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/41/Isuzu_elf_nhr54_1_f.jpg/220px-Isuzu_elf_nhr54_1_f.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/2f/Isuzu_ELF_4th_Generation%2C_Front_Perspective_View.jpg/220px-Isuzu_ELF_4th_Generation%2C_Front_Perspective_View.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/72/ISUZU_ELF_4th_Model%2C_Front_Perspective_View.jpg/220px-ISUZU_ELF_4th_Model%2C_Front_Perspective_View.jpg)
ルートバン (WKR69)
バンボディーは3代目の流用
バンボディーは3代目の流用
ルートバン
リアスタイル
リアスタイル
後期型ワイドダブルキャブ
後期型4WDダブルキャブ消防車
5代目(1993年-2006年)
編集![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/96/ISUZU_ELF%2C_5th_Gen%2C_1993_early_type%2C_Bule_truck.jpg/220px-ISUZU_ELF%2C_5th_Gen%2C_1993_early_type%2C_Bule_truck.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/54/Sagawakyubin_truck01.jpg/220px-Sagawakyubin_truck01.jpg)
1993年型ハイトップダブルキャブ
1997年型ワイドキャブCNG車
1999年型ワイドキャブ
2002年型ハイキャブ
2002年型標準キャブ
車内
車内
6代目(2006年-2023年(2WD車のみ))
編集![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/3b/Isuzu_Elf_of_Lawson_20070605.jpg/220px-Isuzu_Elf_of_Lawson_20070605.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4b/Elfhybrid.jpg/220px-Elfhybrid.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/1b/Elf-fireengine.jpg/220px-Elf-fireengine.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/6e/Nippon_Rent-A-Car_Isuzu_Elf_NJR85A.jpg/220px-Nippon_Rent-A-Car_Isuzu_Elf_NJR85A.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/41/Sagawa_Express_ELF_CNG-MPI_NMR82_Dry_Van.jpg/220px-Sagawa_Express_ELF_CNG-MPI_NMR82_Dry_Van.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d4/Isuzu_Elf_NPR88.jpg/220px-Isuzu_Elf_NPR88.jpg)
2006年型ワイドダブルキャブ
2014年型標準キャブ4WD
2006年型ワイドキャブ車内
2014年型標準キャブ車内
2014年型ハイキャブ車内
Be-Cam
7代目(2023年 - )
編集![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/87/Isuzu_Plaza_Isuzu_Elf_NJR88AF.jpg/200px-Isuzu_Plaza_Isuzu_Elf_NJR88AF.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/33/Isuzu_Plaza_Isuzu_Elf_NLR88AM.jpg/200px-Isuzu_Plaza_Isuzu_Elf_NLR88AM.jpg)
エルフミオ
編集初代(2024年 - )
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●いすゞが自社で生産する車種では1995年に生産・販売終了となった初代ファーゴトラック以来、29年ぶりとなる1t系小型トラックであり、新普通免許︵2017年3月12日以降に取得した普通免許︶に対応した小型トラック。﹃だれでもトラック﹄をコンセプトに、準中型免許︵5t限定準中型免許も含む︶以上の免許を所持していないドライバーやオートマチック限定免許のドライバーでも運転可能な小型トラックとして開発された。ディーゼル車とBEV︵電気自動車︶をラインナップしている。CMキャラクターには本田翼を起用[21][22][23][24][25][26]。
●2023年3月7日 - ﹁いすゞワールドプレミア﹂において参考出品。
●2024年1月5日 - BEVである﹁エルフミオEV﹂をリース専用車として販売開始[27]。
●2024年5月9日 - ジャパントラックショー2024に軽量バンを参考出品[28]。
●2024年7月30日 - ディーゼル車を発売開始︵発表は7月24日︶。
●キャブは4ナンバー枠に収めるため[注釈2]標準キャブを採用した他、ホイールベースも2,500mmの1種類となる。形式名は標準キャブ・積載1.5t級と同じNHRとなる。エルフ同様、シングルキャブ・ダブルキャブ・スペースキャブの3種類を設定する。カラーバリエーションも従来のバリエーションに加えて、エルフミオ専用色となり、かつエルフミオのイメージカラーとなるペールブルーを追加した。
●エンジンは、エルフの欧州仕様やD-MAXに搭載されている1.9LのRZ4E型を搭載。150psから120psに出力ダウンしたエンジンを搭載することにより、メンテナンスの軽減や最大積載量1.35tを実現した他、車両総重量も3.5t未満に抑えた。トランスミッションは6速ATのみの設定となり、オートマチック限定免許でも運転可能にした。
●ブレーキは車型によって異なり、4輪ディスクブレーキまたは前輪ディスクブレーキ・後輪ドラムブレーキとなる。
●安全支援機能パッケージは装着が義務化されている装備を標準装備している﹁BASIC﹂が標準となる他、プリクラッシュブレーキ︵右左折時検知機能付き︶、ブラインドスポットモニターも装備した﹁STANDARD﹂も用意される。
●完成車シリーズは、平ボディ、軽量バン、ダンプを設定する。軽量バンのボディメーカーはパブコ製となる。エルフミオのダンプのホイスト機構は、トランスミッションPTO非対応のため、12Vバッテリー電源による電動油圧式のホイスト機構を採用した。
ラインアップ
編集3代目まで
編集積載トンクラスとエンジン種類による型式+エンジン型式であった(ワイドキャブはディーゼルのみ)。
- KA(積載1.5t級・ガソリンエンジン)4×2
- KAD(積載1.5t級・ディーゼルエンジン)4×2
- KUD(積載1.5~2t級・ディーゼルエンジン・FF駆動のマイパック)4×2
- TLG(積載2t級・ガソリンエンジン・標準キャブ)4×2
- TLD(積載2~3.5t級・ディーゼルエンジン・標準キャブ)4×2
- KT(積載2t級・ワイドキャブ)4×2
- KS(積載3.5t級・ワイドキャブ)4×2
4–5代目
編集積載トンクラスと駆動懸架方式による型式+エンジン型式になった。
- NHR(積載1.5t級)4×2
- NHS(積載1.5t級)4×4
- NKR(標準キャブ・ハイキャブ)4×2
- NKS(標準キャブ・ハイキャブ)4×4
- NPR(ワイドキャブ)4×2
- NPS(ワイドキャブ)4×4
- NQR(積載量4t超)日本ではフォワードジャストンⅡの名で販売。
- WKR(ルートバン)4×2
6代目以降
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キャブ形式及び準中型5トン限定免許対応の有無、駆動懸架方式、エンジン型式に変更された。
●NHR︵標準キャブ,積載1.5t級︶4×2
●NJR︵標準キャブ,GVW5t︶4×2
●NKR︵標準キャブ,GVW5t超︶4×2
●NLR (ハイキャブ,GVW5t︶4×2
●NMR (ハイキャブ,GVW5t超︶4×2
●NNR (ワイドキャブ,GVW5t︶4×2
●NPR (ワイドキャブ,GVW5t超︶4×2
それぞれ四輪駆動車も設定されており、その場合は従前車同様、型式記号の3桁目がSになる。
1.5t - 4t級は、車両総重量5t車は、日本国内の準中型5トン限定免許︵2007年6月2日〜2017年3月11日までに取得した旧普通免許︶に対応するが、架装により車両総重量が5tを超過した場合は準中型免許ならびに中型8トン限定免許︵2007年6月1日までに取得した旧普通免許︶以上の免許が必要となる。超ロングボディ車は準中型免許でも運転可能な車種があるが、積載量4t級車は中型8トン限定免許以上の免許が必要となる。
Nシリーズトラックとして販売される海外向け車では、この3文字が"ELF"表記の代わりに書かれている。OEM車は型式記号先頭のNがA︵日産自動車向け︶、B︵日産ディーゼル向け︶、L︵マツダ向け︶となる。
平ボディ、バン、特装車︵ダンプ・消防車等︶が設定され、積載量・架装種別・仕向地などによって2000以上の車型が存在し、日本国内向けでも500以上のの車型が存在する。日本国内仕様ではSEカスタム・SGグレード・STグレードの基本3グレードで展開する。CNG、ディーゼルハイブリッドも選択可能。
外板色
編集5代目モデルまで外板色はマリンブルーが標準となっており、いすゞの小型トラックのイメージカラーであった。6代目以降はアークホワイトが標準塗装となる。エルフミオは専用色のペールブルーがイメージカラーとなる。
6代目では全17色が設定されていた。7代目ではSEカスタム専用色であるダークカーキメタリックが追加され、全18色となった。アークホワイト以外の色(トランスブルーなど)についてはメーカーオプションや未設定の車型もある。標準キャブ・標準ボディ・積載量2t級平ボディ特別仕様車である「VP」とバン完成車シリーズである「Eカーゴシリーズ」は、アークホワイト以外の外板色を選択することは不可となっている。フリントグレーメタリック・エボニーブラック・ダークカーキメタリック(ダークカーキメタリックは7代目のみ)はSEカスタム専用色となる。
エルフ100
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1995年8月にエルフ100︵ELF 100︶が登場。日産・アトラス10系︵F23型︶のOEM供給車︵積載量1t級︶。ファーゴトラックの事実上の後継車種となる。当初はガソリンエンジンとディーゼルエンジンの両方が設定されていた。
2007年7月11日にフルモデルチェンジ。引き続き日産・アトラス10系︵F24型︶のOEM供給車となるが、アトラスF24型に新たに設定された1.75~2t級は設定されず︵自社製のエルフがあるため︶、1.15~1.5t級までの供給となる。
2013年1月15日に三菱ふそうトラック・バスから発売したキャンターガッツとも姉妹車となる。UD・コンドル CARGO 1.15t~1.5t級まで含めると、同一の商品が直接競合する4社で販売される珍しいケースである。
2019年に日産自動車との間で新たなOEM供給契約を締結したのに伴い、エルフ1.5t級をアトラス ディーゼルとしてOEM供給を開始して以降は、アトラス ガソリン︵F24型︶のOEM供給車となり、ガソリンエンジンのみの設定となる。
ガソリン車は2017年3月以降の新普通免許でも運転可能であるが、架装条件などによっては準中型5トン限定免許以上の免許が必要となる。
2021年3月に販売終了︵OEM元のアトラス ガソリン︵F24型︶も生産終了となった。︶。実質的な後継は先述のエルフミオとなる。
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エルフ100 初代
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エルフ100 2代目
日本国外生産・輸出
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いすゞ自動車の主力輸出商品でもあり、また中国、台湾︵2017年からワイドキャブの現地生産が再開︶、タイなどの日本国外でも生産が行われている。タイではトラックの他に、4代目と5代目と同じくルートバンベースのバディ(BUDDY)が生産されていた。
南米やエジプトなどでは業務提携先のゼネラルモーターズを通じてシボレーブランドで販売されている。かつては
北米でもシボレーおよびGMCで販売されていたが撤退した。しかし、2015年6月15日にいすゞとゼネラルモーターズは米国における商用車に関する協業に合意し、これにより2016年からシボレー向けにNシリーズ︵エルフ︶のOEM供給が再び行われて、シボレーは米国のローキャブフォワードトラック市場に再参入する予定である[29][30]。
北米工場におけるエンジン認証の遅れにより、2020年から北米工場の生産を停止している日野自動車は2021年7月29日に、いすゞとの間でNシリーズの内、車両総重量6~7トンの﹁クラス4﹂並びに車両総重量7~8トンの﹁クラス5﹂の北米におけるOEM供給を受ける事に合意。日野は2021年10月より、北米市場で﹁Mシリーズ﹂︵日本名・デュトロ︶の代替として﹁Sシリーズ﹂として販売を開始する予定である[31][32]。これは、600がカミンズ製エンジンを搭載して販売を再開するのに対し、Mシリーズはカミンズ製エンジン搭載対象から外れたためである[33]。なお、2024年モデル以降については未定としている[34]。
北米では、日本仕様にはないガソリンエンジン車とLPGエンジン車も設定されている。
また、かつては韓国のセハン自動車︵大宇自動車を経て現‥韓国GM/タタ大宇/大宇バス︶でも生産されていたことがある。また2021年現在はいすゞコリア︵CUROモータース︶によりいすゞブランドの製品が輸入されている。なお、ハングルにF音がないことからセハン/デーヴ生産分・CURO輸入分ともにハングル表記上は﹁エルプ (엘프) ﹂となる。韓国仕様は当初はワイドキャブ・3.5t積のみの設定となっていたが、後にワイドキャブ・2.5t積が追加設定された。
トルコでは、4×2モデルの他にも、車両総重量12.5トンの6×4モデルも存在する。車両総重量12.5トンモデルは、ブレーキは油圧ブレーキではなくフルエアブレーキとなる[35]。
ベトナムでは標準キャブを﹁QKR﹂シリーズとして、ハイキャブを﹁フォワードNシリーズ﹂として販売している。
パキスタンなどでは、ハイキャブを設定せずに標準ボディ・ワイドキャブを販売している地域がある。
バスシャーシとしてのエルフ
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ウクライナのボフダーン社では、エルフのプラットフォームを利用したマイクロバス﹁ボフダーン﹂が開発されており、1999年より販売している。この他にもトルコ、フィリピン、台湾など世界中で、エルフのプラットフォームに独自の車体を架装したマイクロバスが生産されている。
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NQRシャーシバス(台湾仕様)
ジャーニーS
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日本ではエルフ同一キャブのマイクロバスや、コンポーネントを流用したジャーニーなどが初代エルフの時代から存在していた。また、1975年の第21回東京モーターショーではマイパックのコンポーネントを流用したデマンドバス向けコンセプトカー﹁いすゞ ローデッカー﹂が参考出品されている[36]。
ジャーニーS︵KA5*B系︶は、1970年にエルフマイクロバス︵TL-B系︶からモデルチェンジした15人乗りのマイクロバス。エルフルートバンと車体が共通化され、エルフと共通の部品を活用していた。エルフルートバンにあるリヤドアはジャーニーSでは塞がれていた。後継車種はファーゴバスである。
ジャーニーE
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1997年に西日本車体工業がマツダ・パークウェイ用の車体を、5代目エルフに架装してマイクロバス﹁プレビス﹂を開発。翌1998年から2001年まで﹁ジャーニーE﹂としていすゞから販売されていた。路線バスとしては岩手県交通などに採用例がある。
詳細は「西日本車体工業#マイクロバス」を参照
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ジャーニーE(プレビス)
岩手県交通
車名の由来
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妖精のエルフに由来し、小型であることを意味する。1959年8月のデビュー時の広告では﹁お仕事繁栄のマスコット﹂のキャッチコピーとともに、端の方にとんがり帽子をかぶった小人の絵と﹁エルフ﹂の意味について解説が掲載されていた。
﹁エルフとは茶目小僧の意味です ヒルマンミンクスの“おてんば娘”同様に可愛がって下さい﹂
﹁“エルフ”とは茶目小僧︵小さな妖精︶の意味です。いすゞ大型車、ヒルマンミンクス︵“おてんば娘”︶の弟としてよろしくお願いいたします。﹂
— ﹃カタログでたどる 日本の小型商用車―1904-1966﹄108ページ[37]
また、新普通免許対応の小型トラック版となるエルフのサブネーム﹁ミオ﹂の由来は英語の mini とフランス語の mioche' からの造語 mioを組み合わせ、本来のエルフに対してより一層小さいことを表している。なお、この命名法は同社のエルガとエルガミオ、およびガーラとガーラミオの関係と全く同じである。
その他
編集脚注
編集注釈
編集出典
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(一)^ “迷走か?英断か?﹃いすゞのトラック﹄CMソングに異変”. ORICON NEWS. オリコン (2019年11月29日). 2021年1月11日閲覧。
(二)^ [1]
(三)^ 日経イベンツガイドHP表彰事業 第26回﹁2007年日経優秀製品・サービス賞﹂
(四)^ いすゞ自動車創立80周年記念特別仕様車を発売-大型トラック﹁ギガ﹂、中型トラック﹁フォワード﹂、小型トラック﹁エルフ﹂-いすゞ自動車 2017年10月24日
(五)^ ﹃いすゞ、小型トラック﹁エルフ﹂を改良 -安全装置およびエンジンの刷新とともに、コネクテッドトラックへ﹄︵プレスリリース︶いすゞ自動車株式会社、2018年10月29日。2018年11月8日閲覧。
(六)^ ﹃いすゞ、小型トラック﹁エルフ﹂追加車型を発売﹄︵プレスリリース︶いすゞ自動車株式会社、2018年10月29日。2019年4月17日閲覧。
(七)^ ﹃日産といすゞ、新たなOEM供給契約を締結﹄︵プレスリリース︶日産自動車株式会社、2019年6月19日。2019年6月20日閲覧。
(八)^ ﹃日産自動車、﹁アトラス ディーゼル︵1.55t︶﹂を発表・発売﹄︵プレスリリース︶日産自動車株式会社、2019年8月29日。2019年8月29日閲覧。
(九)^ いすゞ、小型トラック﹁エルフ﹂を改良し、発売-国内小型トラック初の交差点警報を搭載、先進安全装備を拡充し、安全性能を向上-いすゞ自動車 2021年3月3日
(十)^ ﹃﹁アトラス 1.5tクラス﹂を一部仕様向上 ﹁アトラス 2tクラス﹂を発売﹄︵プレスリリース︶日産自動車株式会社、2021年4月19日。2021年4月19日閲覧。
(11)^ 16年ぶりのフルモデルチェンジ!! いすゞ新型エルフ近日登場!fullroad 2023年2月24日
(12)^ いすゞ、小型トラック﹁エルフ﹂、中型トラック﹁フォワード﹂をフルモデルチェンジ -選べる自由、それが﹁運ぶ﹂の未来-いすゞ自動車 2023年3月7日
(13)^ ︻速報︼デザイン一新で大ヒット間違いなし!! いすゞエルフ16年ぶりのフルモデルチェンジ!fullroad 2023年3月7日
(14)^ いすゞが中小トラック一新、拡販への武器は﹁選べる自由﹂ニュースイッチ 2023年3月9日
(15)^ いすゞ、新型﹁エルフ﹂発売 17年ぶりフルモデルチェンジ EV初設定 先進安全装備や9速DCTを搭載 ﹁フォワード﹂は2023年夏発売日刊自動車新聞 2023年3月7日
(16)^ ﹃新型﹁カゼット﹂誕生~充実した先進安全装備・9速デュアルクラッチトランスミッションがもたらす燃費性能と動力性能の両立の実現~﹄︵プレスリリース︶UDトラックス株式会社、2023年12月20日。2023年12月20日閲覧。
(17)^ “UDトラックスの小型トラック・カゼットがフルモデルチェンジ! 10年ぶりのエルフOEMで得た新しい顔とは!?”. ベストカーWeb (2023年12月20日). 2023年12月21日閲覧。
(18)^ ﹁エルフ﹂に国内小型トラック初のスペースキャブを追加いすゞ自動車 2024年1月22日
(19)^ いすゞ、エルフに﹁スペースキャブ﹂追加 キャブの後方スペースを拡大日刊自動車新聞 2024年1月23日
(20)^ シートを大きくリクライニングできる2トン車誕生!いすゞエルフに延長型キャビンモデル﹁スペースキャブ﹂追加fullroad︵講談社ビーシー︶ 2024年1月25日
(21)^ ︻いすゞ エルフ 発表︼BEVや新普通免許対応のディーゼルなどラインアップ拡充レスポンス 2023年3月7日
(22)^ 普通免許で運転できるディーゼル小型トラック爆誕! 日本初登場1.9リッターエンジン搭載の﹁エルフmio﹂とは!?fullroad︵講談社ビーシー︶ 2023年3月22日
(23)^ ﹃いすゞ、国内唯一の普通自動車免許対応の小型ディーゼルトラック﹁エルフミオ﹂を発売~ドライバーの裾野を広げる﹁だれでもトラック﹂、ドライバー不足の解消に貢献~﹄︵プレスリリース︶いすゞ自動車株式会社、2024年7月24日。2024年7月25日閲覧。
(24)^ いすゞの歴史にまた1ページ! 普通免許で運転できる新型ディーゼルトラック﹁エルフミオ﹂に乗った!fullroad︵講談社ビーシー︶ 2024年7月24日
(25)^ ︻いすゞ エルフミオ︼AT免許で乗れる小型ディーゼルトラックに試乗! かつてない静かさと乗り心地に驚いたレスポンス 2024年7月24日
(26)^ ﹁最高ですね!﹂ 本田翼が荷台で﹁どこでもキャンプ﹂熱望!?斬新﹁だれでもトラック﹂ことエルフミオに感激!くるまのニュース 2024年7月24日
(27)^ ﹁エルフEV﹂に車両総重量3.5t未満モデルを追加 ~﹁カーボンニュートラル社会の実現﹂﹁2024年問題﹂に貢献~いすゞ自動車 2024年1月5日
(28)^ 普通免許ドライバーに対応した荷台デザイン!? 今夏発売予定・いすゞエルフmioは上モノの発想も新しい!!fullroad︵講談社ビーシー︶ 2024年6月5日
(29)^ “いすゞとGM、米国向け商用車に関する協業に合意”. いすゞ自動車 (2015年6月15日). 2015年6月15日閲覧。
(30)^ “Chevrolet Re-enters Low Cab Forward Truck Market”. GM Media Online (2015年6月15日). 2015年6月15日閲覧。
(31)^ いすゞ、日野自動車と北米市場向け小型ディーゼルトラックのOEM供給を合意いすゞ自動車 2021年7月29日
(32)^ いすゞ自動車からの北米向け車両OEM受給について日野自動車 2021年7月29日
(33)^ 日野自動車がいすゞからトラックをOEM調達する事情ニュースイッチ 2021年8月2日
(34)^ 日野、北米でいすゞからOEM供給 エンジン認証遅れで日本経済新聞 2021年7月29日
(35)^ 小型トラックなのに総重量12.5tの3軸車!?なんとびっくりトルコには大型トラックのエルフがあった!︻世界を走る日本のトラック︼fullroad 2022年6月11日
(36)^ CAR GRAPHIC 1976年1月号 P.36
(37)^ 小関和夫﹃カタログでたどる 日本の小型商用車―1904-1966﹄、三樹書房、2017、ISBN 978-4-89522-668-4、P108。
(38)^ 春山優花里 (2019年3月2日). “異世界送りの名手﹁トラック﹂がまさかの異世界へ エルフ︵トラック︶が無双するいすゞ公認ラノベ﹁異世界最強トラック召喚、いすゞ・エルフ﹂爆誕”. ねとらぼ. 2022年1月13日閲覧。
関連項目
編集- いすゞのトラック - エルフのCMソングとして制作された
- いすゞ自動車川崎工場 - エルフが誕生した工場
- LPG自動車 / 天然ガス自動車
- ハイブリッドカー
- 派生車種
- 搭載エンジン
- OEM車種
- 対抗車種
- 三菱ふそう・キャンター
- 日産・NT450アトラス
- UDトラックス・カゼット(初代・2代目)
- 日野・デュトロ / トヨタ・ダイナ / トヨタ・トヨエース