バルトーク・ベーラ

ハンガリー王国出身の作曲家、ピアニスト、民族音楽研究家
バルトークから転送)

バルトーク・ベーラ・ヴィクトル・ヤーノシュ(Bartók Béla Viktor János [ˈbɒrtoːkˌbe̝ːlɒˈviktorˌjɑ̈ːnoʃ], 1881年3月25日 - 1945年9月26日)は、ハンガリー王国バーンシャーグ地方のナジセントミクローシュに生まれ、ニューヨークで没したクラシック音楽作曲家ピアニスト民俗音楽研究家。

バルトーク・ベーラ
Bartók Béla
1927年のバルトーク(当時46歳)
基本情報
生誕 1881年3月25日
オーストリア=ハンガリー帝国の旗 オーストリア=ハンガリー帝国
ハンガリー王国の旗 ハンガリー王国
ナジセントミクローシュ英語版
死没 (1945-09-26) 1945年9月26日(64歳没)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニューヨーク州
ブルックリン区
ジャンル クラシック音楽
民俗音楽
職業 作曲家
ピアニスト
民俗音楽研究家
担当楽器 ピアノ
民謡を録音するバルトーク(1908年)
バルトーク・ベーラ記念博物館(ブダペスト)
ブダペストの記念館内に設置されたバルトーク像

11862114 - 1940922JS

生涯

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幼少期

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18811855-18881857 - 193934405

7329101893

音楽家への道と民謡との出会い

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1898

19022118481904

190522[1]

19061913

190726[2] 1219081

スタイル確立と第一次世界大戦

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1909Ziegler Márta1910

19111191823

191419141619151721918191819194[3]1

19212221

様々な活躍と、第二次世界大戦

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192342Pásztory Ditta191924Bartók Péter

1923501926131927[]341192930

1934[2]1936

19396

アメリカ移住と死

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19401081

1940調19421943

 (the American Society for Composers, Authors, and Publishers) [5]1944

1945392664417稿Sérly Tibór

[6]198877[7]

作風

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西1



- 1905



1906 - 1923





1926 - 1930

調調調

1930 - 1940



1943 - 1945





12[3][4]

ピアニストとして

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1651940 CD




年譜

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1881 325

18854 711- 1955911

18887 84

189413 

189918 

190221 

190322 413312

190423 11

190524 2

190625 

190726 

190827 141

190928 Ziegler Mártá 1893 - 1967514

191029 822Jr- 1994617

191130 

191332 6

191433 1

191736 512

191837 

191938 

192039 25

1921-1922 40-411

19234268Pásztory Ditta 19031031-198211212

1924432731- 202012710242

192544 

192645 1

192746 13

192847242

1929-193048-49 2

193150144

193251 

193352 1232

193453459

193655 52611

193756182

193857 

193958 6

1940595610

194362 

194463 

194564 9263

1967 19755

198877 

作品

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バルトークは「作品番号」を習作の時点からつけており、「Op.1」と付記されている作品は3つある。その3つめである1904年の『ピアノのためのラプソディ』以降はオリジナルの作品には作品番号を付け、民謡からの編曲作品には付けないというルール付けを行った。しかし前述のように『ヴァイオリン・ソナタ第1番』の出版の際からこれを止める。このような事情から後年学者達が習作なども含めて分類した番号が付けられることも多く、少なくとも3種類の体系がある。ここではハンガリーの作曲家セールレーシ・アンドラーシュが作成した「バルトークの音楽作品と音楽学論文の目録」での付番「Sz.」を付記する。

交響曲

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  • 交響曲変ホ長調 1902年-1903年 Sz.16 ※未完で楽譜自体紛失。スケルツォ楽章のみ現存(Sz.17)

管弦楽曲

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 (1903) Sz.21

1 (19051920) Op.3 Sz.31

2 (1905-19071943) Op.4 Sz.34

2 (1907-1911) Op.5 Sz.37
111214

2 (1910) Op.10 Sz.46

 (1910) Sz.47a
21

4 (19121921) Op.12 Sz.51

 (1917) Sz.68
Sz.56

 (1923) Sz.77

 (1931) Sz.96


 (1931) Sz.97
10345

9 (1933) Sz.100
159

 (1936) Sz.106

 (1939) Sz.113

 (1943) Sz.116

協奏曲

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協奏曲に類するものも含む。

舞台作品

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室内楽曲

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ピアノ曲

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ピアニストで教育者でもあったバルトークは、ここに挙げた以外にも多数の作品(教則本含む)がある。

  • ピアノのためのラプソディー (1904年) Op.1 Sz.26
  • 14のバガテル (1908年) Op.6 Sz.38
  • 10のやさしい小品 (1908年) Sz.39
  • 2つのエレジー (1908年) Sz.41
  • 子供のために (1908年-1910年) Sz.42
    • ハンガリーとスロヴァキアの民謡をもとにした子供の教育用教本。生前から教育用作品・演奏会向け作品として高く評価され、バルトーク自身も1943年に改訂する以前から何度も手直しをしている。
  • 2つのルーマニア舞曲 (1910年) Op.8a Sz.43
  • 4つの挽歌 (1910年) Op.9a Sz.45
  • 3つのブルレスク (1911年) Op.8c Sz.47
  • アレグロ・バルバロ (1911年) Sz.49
    • 題名はフランスの新聞にバルトークとコダーイの作品の演奏会時に「ハンガリーの若き2人の野蛮人」と書かれたことに対する皮肉。
  • ピアノの初歩 (1913年) Sz.53
  • ソナチネ (1915年) Sz.55
  • ルーマニア民俗舞曲 (1914年) Sz.56
  • ルーマニアのクリスマス・キャロル (1915年) Sz.57
  • ピアノのための組曲 (1916年) Op.14 Sz.62
  • 15のハンガリーの農民の歌 (1918年) Sz.71
  • ハンガリー民謡による8つの即興曲 (1920年) Op.20 Sz.74
  • ピアノ・ソナタ (1926年) Sz.80
  • 組曲『戸外にて』 (1926年) Sz.81
  • 9つのピアノ小品 (1926年) Sz.82
    • 8曲目に「タンバリン」という曲があるが、バルトークがスペインを訪れた際の印象を元にしたものとも言われている。
  • ミクロコスモス (1926年-1939年) Sz.107
    • ピアノ教本であると同時に小曲集。初心者から上級者に向けての段階的な構成と、バルトークの確立した独自の音楽語法が特徴。

声楽曲

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ここに挙げた以外にも多数。

  • 民謡様式による3つの歌 (1904年) Sz.24
  • ハンガリー民謡 (1906年-1907年) Sz.33
  • 5つの歌曲 (1915年) Sz.61
  • エンドレ・アディの詞による5つの歌曲 (1915年) Sz.62
  • 8つのハンガリー民謡 (1908年-1916年) Sz.64
  • 村の情景 (1924年) Sz.78
  • 室内管弦楽と女声合唱のための『3つの村の情景』 (1926年) Sz.79
    • 『村の情景』より3曲を抜粋し、伴奏を管弦楽化したもの
  • 4つのハンガリー民謡 (1930年) Sz.93
  • カンタータ・プロファーナ 1930年 Sz.94
  • 声とオーケストラのための5つのハンガリー民謡 (1933年) Sz.101

参考文献・資料

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著作・手紙ほか

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 19928 ISBN 42750147741988
 1976

  1970

 1981

  1995 ISBN 4116050822

 2018 ISBN 4480098399

伝記・研究

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  195710

 2021 ISBN 462209063561973

  19861996 ISBN 4812101638

 19977 ISBN 4121013700

 19924 ISBN 4276370620

   : 2013ISBN 978-4-7998-0119-2 

19898 ISBN 4897840694

音楽論

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  • ヤーノシュ・カールパーティ『バルトークの室内楽曲』(江原望・伊東信宏 訳、法政大学出版局、1998年) ISBN 4588420062 - 大著
  • レンドヴァイ・エルネー『バルトークの作曲技法』(谷本一之 訳、全音楽譜出版社、1998年12月、初版1990年) ISBN 4118000806 - 音楽教本
  • レンドヴァイ・エルネー『音のシンメトリー』(森本覚 訳、全音楽譜出版社、2002年2月) ISBN 4118000814
  • 横井雅子『ハンガリー音楽の魅力-リスト・バルトーク・コダーイ』(東洋書店[ユーラシア選書]、2006年2月)ISBN 4885956196

その他

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小惑星(4132) Bartokはバルトークの名前にちなんで命名された[8]

脚注

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注釈

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  1. ^ 1907年頃、バルトークはコダーイを通じて、当時ハンガリーでは知られていなかったクロード・ドビュッシーの音楽を知ることとなる[1]
  2. ^ 息子ペーテルはまだ年端もいかない頃の自身が、父親がピアノ教授としての仕事にうんざりしていることを人前でうっかり明かしてしまい、父親を困らせたエピソードを回想録で語っている。
  3. ^ ジャズの「コルトレーン・チェンジズ」と背景の理論はほとんど同じである
  4. ^ バルトークは周囲が語るように規則正しく几帳面な人物で、自作曲のスケッチなども破棄せず残していた。

出典

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(一)^ 1988525ISBN978-4275007988p.19

(二)^ 2006210251ISBN 4-7872-7208-X

(三)^ 鹿1919 : 1881977830-46ISSN 0002-2942NAID 120000807064 

(四)^ P. 1992, pp. 136138.

(五)^ 1943[4]

(六)^ [1]

(七)^ [2]

(八)^ (4132) Bartok = 1988 EH. MPC. 2021103

外部リンク

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