家族

主に婚姻や血縁、あるいは義理にもとづく共同体および縁故関係
団欒から転送)

: family: Familie: famille [1]
19世紀のあるギリシャ人一家(1895年
南アフリカカラード家族
コンゴの家族(2007年)
両親の50回目の結婚記念日を祝うために2007年9月にスペインの修道院前に集い写真をとった、11人の子供と20人の孫。大家族
「Family」と題された像

概要

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語義

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family

Oxford Dictionariesfamily3

1
1.1 

2

3




「家族」と「世帯」との違い

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[2][3]使[4]

家族の持つ機能

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家族が持つ機能と変化[5]
内容 社会的アウトソース,
現在の変化
性的機能 結婚制度に基づいて、パートナー内では許容されるとともに、その外側においては性を禁止する秩序機能 同棲、未婚の母、事実婚
生殖機能 子孫を残す 子供を持たないとの選択
扶養機能 老人介護、子供の面倒を見る機能 介護施設、保育園
経済的生産的機能 農業・自営業など、共同単位として経済的生産を行う 会社・工場など外部での経済的生産
保護機能 外敵からメンバーを守る(とりわけ女性、乳幼児、病人) 警察、病院など
教育的機能 子供を育てるとともに、社会に適応した人格を形成する 幼稚園学校など
宗教的機能 宗教、文化、伝統の継承 宗教が軽視される傾向
娯楽的機能 家庭内で娯楽を楽しむ 遊園地、映画など
社会的地位付与機能 親の職業や地位を引き継ぐ 世襲の弱体化

[6][7][8]4[9]

ライフサイクル

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家族にもライフサイクルがあり、そのステージに応じて達成すべき発達課題がある。

家族のライフサイクル[10]
発達段階 発達課題
1 どの家庭にも属さない、ヤングアダルト
  • 家族から分離して自己を確立する
  • 親密な同年代と仲間関係を持つ
  • 職業上で自己を確立する
2 結婚による家族の誕生
  • 夫婦関係を形成する
  • 互いの実家、友人関係と関係を再構築する
3 幼い子供を持った家族
  • 子供たちのために、夫婦は心理的物理的空間をつくる
  • 親としての役割を務める
  • 祖父母=孫関係を含めた拡大家族を構築する
4 思春期の子供を持った家族
  • 子供らが家庭の内外を自由に出入りすることを受容する
  • 中年夫婦は、夫婦関係、人生職業上の課題を乗り越える
  • 老年世代を配慮する
5 子供たちの脱出と出立
  • 夫婦関係を再構築する
  • 成長した子供たちと父母は、互いに大人同士として付き合う
  • 義理の子供と孫たちを含めた拡大家族を再構築する
  • 父母は、祖父母の心身の障害、死別に対応する
6 人生の晩年を送る家族
  • 社会的・肉体的衰退に対応し、夫婦関係を再構築する
  • 中年世代へ、中心的な役割を譲り渡す
  • 年長者としての知恵と経験を活かし、孫たちに対してよい祖父母になる
  • 配偶者、同胞、同世代の仲間の死別に対応する

家族の類型

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定位家族と生殖家族

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2[1]

  family of orientation[1]

  family of procreation[1]

西2 family of procreation1201835%[11]202328.25%17.85%[12]

核家族と拡大家族

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核家族アメリカ(1970年代)

 / nuclear family / extended family[1]

 - [13]

 - 

 / [6]

[14]1915202.5[15]20[15]

出自集団

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3[16][17][16]

リヒターによる病的家族の類型

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ドイツの精神科医ホルスト・エバーハルト・リヒター(de:Horst-Eberhard Richter)はその著『病める家族―家族をめぐる神経症の症例と治療』(佑学社 1976年)において、患者の家族を以下のように類型化した。

  • 劇場家族 - "よい家族" をお芝居のように演じている家族
  • 要塞家族 - 自分たち以外はすべて敵とみなし、対抗することで絆を確認する家族
  • サナトリウム家族 - 互いに傷を舐めあうような家族

小此木啓吾による家族類型

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精神科医の小此木啓吾は家族の心的問題に焦点を当てて次のように類型化している(『家族のない家庭の時代』ちくま文庫 1992年)。

  • コンテナ家族 - 容量が大きく、社会のストレス、不満を持ち帰っても、それを受容し、癒してくれるような家族
  • ホテル家族 - 家族全員がそれぞれに "お客" のつもりで、他者(自分以外)からサービスされることだけを求め、他者のために汗を流そうとしない家族

フェミニズムの視点から見た家族

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1952

類型をめぐる学問的対立

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M[18] [19]

西欧における家族

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ノルウェーの家族。1900年

[20]3[21]18[22][23]

日本

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明治時代のある家族
 
日本のある家族(1957年
 
日本の家族、当時の淡路島民宿1980年
 
日本の家族(2003年

12 

日本の家族形態の変化

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戦前から終戦までの歴史と変容

16[24][25][26][27]188310003.391896[28]

189645[29]寿1920[30][31]



[32]調[14]

1950退 198019911997[33][34]

日本の家族の現状

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201056.4%10.2%32.4%19601980[35]12200587[36]調1920195515200512.58[37]200543[38]

2調[39]
  • 山形県 13.9%
  • 福井県 11.5%
  • 新潟県 10.5%
  • 秋田県 10.3%
  • 富山県 10.1%
  • ...
  • 全国 4.2%
  • ...
  • 北海道 2.4%
  • 神奈川県 2.2%
  • 大阪府 2.1%
  • 鹿児島県 1.9%
  • 東京都 1.3%

[40]20082.1[41][42]



[43]

[44]



201調[45]

家族に関するメディア報道

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1.5[46][47]196020002006[48]

新しい家族関係についての提唱

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1950年代のニュー・ファミリー・センターによる提唱

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1950 (GHQ) [1]19512 (NFC) [49][50]

西[51][52][53][54]

1970年代のニューファミリー

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1970使[55]6070[56][55]

1972[57][58]1977anannonnoJUNONMOREARURU[57]

1977[57][57]1978ARURU[57][59][60][59]

NHK調[61][61][62]

動物の家族

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(一)

(二)

使

[63]1[64][65]


家族をテーマにした作品

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小説

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 (1877)

 1878Sans Famille  

 1981

 2005

映画

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家族を描いた映画作品は数多く存在する。その中でも映画史に残る名作や問題作として以下の作品がある。

題名 制作年 内容
東京物語 1953 独立した子供とその親の絆の喪失
ゴッドファーザー 1972 強い父とその家督を継ぐ三男
クレイマー、クレイマー 1979 離婚した男女とその一人息子
アメリカン・ビューティー 1999 娘の友人に恋する無様な父
日本

テレビドラマ

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Father Knows Best2031954 - 1960NBCCBS

2541964 - 1972

1974 - 1982

1761982 - 1989J19863




1976 

1981 - 2002

漫画

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注釈

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  1. ^ 当時はアプレゲール犯罪が多発していた。

出典

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(一)^ abcde, , , . "". (). 202439

(二)^ p138   19979301

(三)^ https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa03/yougo.html 15 調  2023210

(四)^  2p32   1976113021

(五)^ ; ; I62010149ISBN 978-4-86174-064-0 

(六)^ ab 2p33   1976113021

(七)^  2p33-34   1976113021

(八)^  2 p98-99   201932521

(九)^  2p34   1976113021

(十)^ ; ; I62010149ISBN 978-4-86174-064-0 

(11)^ The Share of Never-Married Americans Has Reached a New High

(12)^ 2023調 32,790,07628.25%17.85% 

(13)^ p138   19979301

(14)^ ab  3p79-80   2013121531

(15)^ ab p17  NHK 200811301

(16)^ abp140-141   19979301

(17)^ p142-143   19979301

(18)^ M

(19)^ () I, , 2016, p.108

(20)^  p56-57   2005411

(21)^  p57   2005411

(22)^   3p63-64   2013121531

(23)^   3p69-71   2013121531

(24)^   3p73   2013121531

(25)^ p13-14   20096101

(26)^ p36-37    20045101

(27)^   3p73-75   2013121531

(28)^  p202  NHK 200811301

(29)^   3p75-78   2013121531

(30)^  p18  NHK 200811301

(31)^  p4-5   200711101

(32)^   3p79   2013121531

(33)^  p114-115  NHK 200811301

(34)^   3p154   2013121531

(35)^   3p138   2013121531

(36)^  p14  NHK 200811301

(37)^  p16  NHK 200811301

(38)^  p22  NHK 200811301

(39)^ 2調2020109-1 300200521https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000032142495 

(40)^  p167-168   200711101

(41)^  p60-61 西  201012201

(42)^  p155   200711101

(43)^ p223-225   3130

(44)^ p223-224   3130

(45)^  

(46)^ [1][]

(47)^  

(48)^  p203  NHK 200811301

(49)^  1952 p.160  1951 [2]

(50)^   6(1) p.30  19511 [3]

(51)^ N.F.C (146) p.20  19513 [4]

(52)^ NFC  (155) p.25  195112 [5]

(53)^ NFC  (155) p.27-28  195112 [6]

(54)^  p.138  1951 [7]

(55)^ ab 

(56)^  p.5  1972 [8]

(57)^ abcde : 1970(1)692023165-78CRID 1050014016717886976 

(58)^  10(11)(121) pp.96-110   19728

(59)^ ab ︿ 

(60)^ 使 J-CAST 202022

(61)^ ab p.68 NHK 19796 ISBN 978-4140013441 [9]

(62)^ NHK調 55 p.800 NHK 1980 ISBN 978-4186562026 [10]

(63)^  p126   20083208

(64)^  p146-147   20083208

(65)^  p153-154   20083208

関連文献

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関連項目

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家族に関連する用語・概念

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法規、法規上の概念
社会学やジェンダー論などの概念

家族にかかわる出来事

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家庭経済、収入
子供
老人
年中行事

家族にかかわる問題

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家族に関連する研究

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外部リンク

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