日記

日々の出来事を記録した文書

西
日露戦争に出征した兵士が書いた日記

日記文学

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使9

9

2006



西

Weblog

日本人と日記

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河盛好蔵は「日記について」という文章で、「私たちが日記をつけておいてよかったと思うのは、自分の古い日記を読むとき」であり、そのことによって「自分の人生について多くのことを反省させる」と述べている。

多田道太郎加藤秀俊の対談による「日記の思想・序説」では、日本人は日記好きとよくいわれる理由として個人的な会話が下手なことや、欧米諸国と異なり、夜寝る前の神に対するお祈りがないことなどが挙げられている。ドナルド・キーンは『百代の過客ー日記にみる日本人ー』の序文で、戦場に遺棄された日本兵の日記を翻訳する職務の経験から達せられた結論の一つは、「日記を付けるという行為が、日本の伝統の中にあまりにも確固たる地位を占めている」という。

日本史における日記

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1







1895101896[1]

日本の主な日記

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前近代

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近代以前の日本の主な日記には次のようなものがある。

近現代

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日本以外の国々の日記

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ヨーロッパ・アメリカの日記

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フランス

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1984321514"livre de raison (raisons)"livreraisonNicolas-Versori"livre de raison (raisons)"

1380 - 1390
5

1405 - 1449
[2] [3] 

15?Les MémoriauxdeJean le Robert Mémoriaux
118

1460 - 1483Journal de Jean de Roye

1510?
簿

1519 - 1530


1516 - 1536
[4]

1574 - 1589

イタリア

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根占献一「イタリア・ルネサンス期の日記―西欧の古記録が語るもの―」(別冊歴史読本事典シリーズ『日本歴史「古記録」総覧』上巻、新人物往来社、1989年11月。根占献一『ルネサンス精神への旅』創文社、2009年所収)によれば、近代西欧の日記の起源は、もともと帳簿であった、リコルダンツェあるいはリコルディ(いずれも「回想」の意)とよばれる、14世紀から16世紀にかけて書かれた私的な覚書にあるといわれる。それらは、13世紀末に市民であり商人が随時書き留めておいた家の記録(または会社の収支決算帳簿)にはじまり、主として土地と金銭にまつわる記事、すなわち不動産の売買や賃貸借、金の一般的貸し借りや日々の諸経費が記録されるとともに、家族の出生・結婚・死亡の日時などか記された。婚姻の記事も婚資に関係し、財産の相続に関係する製紙の記録とともに経済的な意味合いが強いものである。しかし、当時から算術的で冷めた筆致のそれらの帳簿にまったく個人的な覚えが記入されはじめ、次の世紀の初めには、自分の生い立ちを記しているものが出、ここに自伝的要素の芽生えがうかがえるという。

  • ロドヴィコ=ディ=アンブロジオの日記(14世紀後半?)
    記主は、マルケ州ファブリアーノの製紙業者。この日記の存在については、フェーブル他『書物の歴史』上(筑摩書房)の79ページで触れられている。
  • ラーポ・ニッコリーニの日記(1379年 - ?)
    フィレンツェ人(先祖はコンラート出身の封建貴族)
  • ジョバンニ・モレッリの日記(14世紀後半? - 15世紀初め)
    フィレンツェの羊毛組合に属していた有力商人。「心理的に深い分析がなされ、文学作品にまで高められた感のあるその覚書は、全体として家と自らの歴史を語るとともに、体験に裏打ちされた知恵を垂示しようとする」(根占)
  • グレゴリオ・ダーティの『秘密帳簿』(1384年 - 1427年)
    フィレンツェ(真偽不明)の絹織物商組合の一員で、自ら会社を起こした。先祖にも覚書がある事が知られ、彼の日記には別の帳簿を参照するようにという指示が見えるように別記的なものが作成されていたことがわかる。
  • 『ランドゥッチの日記』(1450年 - 1542年)
    ルカ=ランドゥッチはフィレンツェの菜種商人(1516年没)。この日記を日本に紹介した中森義宗・安保大有によるあとがき(近藤出版社)によれば、「十四世紀のフィレンツェ商人による出納簿が近代ヨーロッパの日記のそもそもの淵源といわれる」のであり、それらは当然経済活動が記載の中心であるが、時に政治的・社会的な事件を記したものが含まれ、そういった日記が中世末からルネサンスにかけてのフィレンツェに多いことが指摘されている。
  • 『パオロ=サントニーノの旅日記』(1485年 - 1487年)
    記主はイタリアの名門デ=サンクトニス家の出身。司教の書記から、総大司教の事務局長に出世、1510年以前に死去した。舟田詠子訳『中世東アルプス旅日記』(筑摩書房)。
  • アゴスティーノ=ラピーニの日記(16世紀前半)
    『ランドゥッチの日記』を出版したイオードコ・デル・バディーアの序文に触れられている。内容不明。

イギリス

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6

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17?45

17?43

1660 - 1669
1633

ドイツ

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  • 『ニュルンベルグの死刑執行人フランツ親方の日記』(1573年 - 1615年)
    日本語訳には、藤代幸一訳『フランツ・シュミット ある首斬り役人の日記』(白水社)がある。

その他

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他に西洋の日記には次のようなものがある。

日記形式のフィクション作品

中国の日記

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27-10



4110582913088271030110




脚注

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(一)^ 

(二)^ 195891977

(三)^ TBC

(四)^ 196191977

参考文献

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日本・漢文日記関連

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総説
  1. 萩野由之『記録異同考』(九州大学萩野文庫所蔵、1882)
  2. 星野恒「歴世記録考」(『史学雑誌』1-6編、1909、後『史学叢説』第一再録)
  3. 和田英松『皇室御撰之研究』(明治書院、1933)
  4. 和田英松『本朝書籍目録考証』(明治書院、1936)
  5. 高橋隆三『史籍解題』(雄山閣、1938、『大日本史講座』再録)
  6. 宮内庁書陵部編『図書寮典籍解題 歴史編』(養徳社、1950)
  7. 宮内庁書陵部編『図書寮典籍解題 続歴史編』(養徳社、1951)
  8. 花田雄吉「陽明文庫所蔵の古日記」(『日本歴史』105、1957)
  9. 橋本義彦ほか編『日本歴史「古記録」総覧』上・下(新人物往来社、1989・1990、ISBN 440401788XISBN 4404017898
  10. 『日本「日記」総覧』(新人物往来社、1994)
  11. 飯倉晴武『日本史小百科 古記録』(東京堂出版、1998、ISBN 4490203624
叢書解題
  1. 史料大観』解題(哲学書院、1898-1900)
  2. 史料大成』解題(内外書籍・日本電気通信出版部、1934-1944、後、臨川書店より再刊)
  3. 東京大学史料編纂所編『大日本古記録』解題(岩波書店、1952-)
  4. 続群書類従完成会編『群書解題』(続群書類従完成会、1960-1967)
  5. 続群書類従完成会編『史料纂集』解題(続群書類従完成会、1968-)
  6. 宮内庁書陵部編『図書寮叢刊』解題(養徳社・明治書院、1962-)
  7. 陽明叢書』解題(思文閣出版、1989)
逸文
  1. 和田英松『国書逸文』(森克己、非売品、1940、後『新訂増補 国書逸文』国書逸文研究会、国書刊行会より再刊、1995、ISBN 4336036950
  2. 国書逸文研究会『国書逸文研究』1-30(1978-1997、ISSN 0387-0669
  3. 木本好信『平安朝日記と記録の研究: その逸文史料』(株式会社みつわ、1980)
  4. 所功『三代御記逸文集成』(国書刊行会、1982)
  5. 木本好信『江記逸文集成』(国書刊行会、1985)
  6. 木本好信『平安朝官人と逸文の研究』(桜楓社、1987、ISBN 427302148X
  7. 所功先生還暦記念会編 『国書・逸文の研究』(臨川書店、2001、ISBN 4653037566
年表
  1. 小泉安次郎『日本史籍年表』(弘文館、1903-04)
  2. 「古代から近世までの主要日記表」(坂本太郎監修『日本史小辞典』、山川出版社、1957)
  3. 「日記表」(高柳光寿竹内理三編『角川日本史辞典』、角川書店、1966)
  4. 新田英治「史籍年表」(中世のみ、『中世史ハンドブック』、近藤出版社、1973)
  5. 飯倉晴武「史籍年表」(『日本史総覧』第一巻、新人物往来社、1983)
  6. 斎木一馬「歴代主要日記一覧」(『日本史総覧』第一巻、新人物往来社、1983)
  7. 皆川完一「記録年表」(『国史大辞典』第四巻、吉川弘文館、1984、ISBN 4642005048
  8. 皆川完一「記録目録」(『国史大辞典』第四巻、吉川弘文館、1984、ISBN 4642005048
辞典項目
  1. 山本信哉「記録」(『日本文学大辞典』、新潮社、1932-35)
  2. 玉井幸助「記録」(『増補改訂 日本文学大辞典』、新潮社、1950-52)
  3. 桃裕行「記録」(『世界歴史事典』、平凡社、1951-55)
  4. 橋本義彦「記録」(『国史大辞典』第四巻、吉川弘文館、1984、ISBN 4642005048
  5. 土田直鎮「日記」(『日本古典文学大辞典』第四巻、岩波書店、1983-85、ISBN 4000800647
研究書(単行本)
  1. 玉井幸助 『日記文学概説』(目黒書店、1945、後、国書刊行会より再刊、1983)
  2. 山中裕『平安時代の古記録と貴族文化』(思文閣出版、1988、ISBN 4784208577
  3. 桃裕行『古記録の研究』上・下(『桃裕行著作集』4・5、思文閣出版、1988-89、ISBN 4784205209ISBN 4784205489
  4. 斎木一馬『古記録の研究』上・下(『斎木一馬著作集』1・ 2、吉川弘文館、1989、ISBN 4642012915ISBN 4642012923
  5. 斎木一馬『古記録学概論』(吉川弘文館、1990、ISBN 4642072861
  6. 松薗斉『日記の家: 中世国家の記録組織』(吉川弘文館 、1997、ISBN 4642027572
  7. 木本好信『平安朝官人と記録の研究』(おうふう、2000、ISBN 4273031566
  8. 加納重文『明月片雲無し: 公家日記の世界』(風間書房、2002、ISBN 4759913327
  9. 高橋秀樹『古記録入門』(東京堂出版、2005、ISBN 4490205678
  10. 松薗斉 『王朝日記論』(叢書・歴史学研究、法政大学出版局、2006、ISBN 4588250523
論文集
  1. 史学会編『本邦史学史論叢』上・下(冨山房、1939)
  2. 岩橋小弥太博士頌寿記念会編『日本史籍論集』上・下(吉川弘文館、1969)
  3. 高橋隆三先生喜寿記念会編 『古記録の研究』(続群書類従完成会、1970)
  4. 山中裕編『古記録と日記』上・下(思文閣出版、1993、ISBN 478420752XISBN 4784207538
  5. 五味文彦編『日記に中世を読む』(吉川弘文館、1998、ISBN 464202767X
概説的研究(論文)
  1. 星野恒「歴世記録考」(『史学雑誌』一~六編、1871)
  2. 黒板勝美「我が国日記の沿革を述べて馬琴翁の日記鈔に及ぶ」(饗庭篁村編『馬琴日記鈔』文會堂書店、1911、後に『虚心文集』第六巻、吉川弘文館、1941所収)
  3. 黒板勝美「記録の研究」(『国史の研究』総説編、文會堂書店、1913)
  4. 和田英松「日記に就いて」(『史学雑誌』24-10 、1913)
  5. 和田英松「平安朝に於ける日記の研究」(『日本文学講座』10、新潮社、1927)
  6. 三浦周行「日本史学史概説」(『日本史の研究』第二巻、岩波書店、1928)
  7. 田山信郎「記録—特に平安朝の日記に就いて—」(『岩波講座日本歴史』、1934。後に史学会編『本邦史学史論叢』上に増補再録、1939)
  8. 岩橋小弥太「公家の日記」(『日本文学講座』5、改造社、1934)
  9. 山本信哉「記録の研究」(『史苑』11-34 、1937)
  10. 馬杉太郎「史料としての日記—特に公家の日記について—」(『歴史公論』7-11、1938)
  11. 斎木一馬「日本古記録学の提唱」(『日本歴史』 9、1947、後に『古記録の研究』上(『斎木一馬著作集』1) 吉川弘文館、1989)
  12. 山中裕「漢文記録としての日記」(『国文学解釈と鑑賞』19-1、1954)
  13. 小島小五郎「儀式と公家日記との関係—平安朝日記流行に関する一考察—」(『史学研究』55、1954)
  14. 石田吉貞「漢文日記について」(『国語と国文学』402 、1957)
  15. 岩橋小弥太「記録概説」(『上代史籍の研究』第二集、吉川弘文館、1958)
  16. 林屋辰三郎「日記の伝統」(『思想の科学』47、1966)
  17. 桃裕行「古記録零拾」(高橋隆三先生喜寿記念会編『古記録の研究』、1970)
  18. 位藤邦生「漢文日記研究序説」(『中世文芸』50、1972)
  19. 山中裕「公事と生活の記録」 『国文学解釈と鑑賞』37-4、1972、後に「日記の本質」として『平安人物志』東京大学出版会、1974に補訂再録)
  20. 山中裕「日記と記録」(『鑑賞日本古典文学』第10巻『王朝日記』、角川書店、1975)
  21. 土田直鎮「古代史料論 二、記録」(『岩波講座日本歴史』別巻二、岩波書店、1976)
  22. 斎木一馬「古文書と古記録」(『日本古文書学講座』1、雄山閣、1978)
  23. 橋本義彦「古代の記録」(『日本古文書学講座』2、雄山閣、1978)
  24. 斎木一馬「日記とその遺品」(『文化財講座日本の美術 16 古文書』、第一法規、1979)
  25. 村井康彦「私日記の登場」(『国語と国文学』64-11 、1987)
  26. 吉岡真之「平安貴族はなぜ日記をつけたか。」(『争点日本の歴史』三、新人物往来社、1991)
  27. 松薗斉「日記論」(『歴史評論』525、1994)

西洋史関係

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  1. ベアトリス・ディディエ『日記論』(松籟社、1987)
  2. グスタフ・ルネ・ホッケ『ヨーロッパの日記』(2冊組、法政大学出版局、1991)
  3. 根占献一『ルネサンス精神への旅』第7章(創文社、2009)

日記一般に関する論考

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  1. 『人生読本 日記』(河出書房新社、1979)
  2. 『歴史読本スペシャル 「日記」が語る歴史的瞬間』(新人物往来社、1988)
  3. 大原富枝編『日本の名随筆別巻28 日記』(作品社、1993)
  4. 『特集:日本近代を読む「日記大全」』(月刊Asahi、1993年1月号)
  5. 歴史読本特別増刊(第21号) 『日本「日記」総覧』(新人物往来社、1994)
  6. 立松和平編『こころに響く日記』(法研、1995)
  7. 紀田順一郎『日記の虚実』(新潮選書、1988、ちくま文庫 1995)

関連項目

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