ATACS

東日本旅客鉄道株式会社が開発した鉄道保安装置

ATACS: Advanced Train Administration and Communications SystemJR

ATSATC

2020210 -  - 使ATACS - 使

概要

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ATACS

3ATACS3

ATACS

ATACS

ATACS

開発目的

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開発の主要な目的は以下の3つである。

費用削減

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地上設備を主体として構築された既存信号システムは高コストであり、設備を減らし人手も要さないシステムに変更することでコストダウンを図る。

安全性向上

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既存信号システムでは地上系から車上系への情報伝送が弱く、保安装置は地上子やトランスポンダを利用した情報伝送に頼って動作している。無線通信技術を利用することでこれの抜本的な改善を図り、信号システムの対象外となっている保守作業を対象内に取り込むことでシステム全体の安全性の向上を図る。

輸送効率向上

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システム構成

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JR仙石線で実際に運用されている時のATACSモニタの表示内容

ATACSのシステムは地上設置の在線管理装置、システム管理装置、拠点装置、無線基地局、それらを接続する伝送回線と車上設置の車上無線局、車上制御装置、運転台表示装置、それらを接続する伝送装置で構成される。

在線管理装置

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ATACSのシステム内に存在している全ての車上制御装置のIDを管理している。拠点装置のバックアップも行っており、拠点装置が故障して再起動する際に使用されるフェイルセーフな装置となっている。

システム管理装置

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ATACS5km/h

拠点装置

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ATSATACS

無線装置

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使400 MHz6.25 kHz4使3W1W (TDMA)調調 (π/4QPSK)CRC9,600bps1960161241121123km

ATACS

車上制御装置

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11

運転台表示装置

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機能

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列車位置検知機能

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0.1 m




列車追跡機能

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列車位置検知機能で求めた現在位置を元に線路上での列車の位置を常に追跡する機能である。車上制御装置から無線伝送により約1秒周期で列車位置情報が拠点装置に送信されるようになっている。車上制御装置と拠点装置は共通の線路データベースを持っており、その上に位置情報を重ね合わせることで追跡を行う。駅のように線路が分岐器でつながっている場所では現在分岐器がどちら側に開通しているかを拠点装置が保持しており、それに基づく経路情報を車上に送信することにより累積の走行距離から列車が現在どの番線に進入しているかを認識できるようにしている。列車追跡機能で管理している列車位置情報は列車の先頭部の位置、列車長、運転方向などから構成されている。走行するにつれて列車位置の誤差が生じることを考慮して、一定割合で列車長を補正する仕組みになっている。

列車制御機能

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調

使沿

退退退

連動制御機能

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既存の信号システムでは連動装置と呼ばれる装置が停車場構内で分岐器の開通状況を制御し、関連する信号機の現示を連動させている。ATACSでは、拠点装置がこれと同じ機能を実現している。ただし地上信号機を用いないことから、閉路鎖錠や列車の走行状況を随時把握でき、時間鎖錠や列車が停止限界を越えて走ることがないため、過走防護の3つの機能は不要とされている。

踏切制御機能

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ATACS

ATACSATACS

ATACS

臨時速度制限機能

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システム管理装置から速度制限情報を設定することで、列車に速度制限を強制的に守らせる機能である。速度制限の情報は拠点装置から車上制御装置に送信され、それを考慮した速度照査パターンが生成される。速度照査パターンに抵触すると自動的にブレーキが作動するが設定されている制限速度を下回ると緩解し、その速度以下で走行し続けることができる。列車長を考慮して、列車全体が速度制限設定区間を通過すると通常の制御に戻る。

単線並列運転機能

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日本の鉄道ではほとんどの複線区間において、それぞれの線路で単一方向にのみ列車を運転することを前提にした信号システムを導入している。これに対して日本以外では複線の線路の両方で双方向に運転できる単線並列方式が多く見られる。これは単線並列に対応した信号システムを導入することで複雑化しコストが上がること、そもそも日本では列車密度が高く、単線並列を有効に生かせないことなどが理由とされてきたが、保線作業や事故などで片方の線路が閉鎖された場合に柔軟に対処することができなかった。ATACSでは地上信号機がなく列車の間隔制御や踏切制御をソフトウェア上で処理しているため、設備を増やすことなく単線並列を実現することができる。

システム境界機能

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ATACS

ATACSATSATACS

ATACSATACSATS

ATACSATACS使[1]

保守作業関連機能

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ATACS

列車防護機能

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プラットホーム上の列車非常停止警報装置(非常停止ボタン)、踏切障害物検知装置踏切支障報知装置が作動した場合には従来は特殊信号発光機などで視覚的に運転士に情報伝達するだけであった。ATACSではこれらの装置の作動状況を拠点装置に取り込み、関係する範囲にいる列車に速度照査パターンを発生させて自動的に停止させることができる。

ハンドオーバー制御

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ATACS

開発の歴史

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19851995CARAT (Computer And Radio Aided Train control system) 

ATACS199571997991998102 - 41200012103200113221 - 22

2001132003159200416718 - 482003151014ATACS

ATACS20031520041628ATACS200 m0.5 %0.9 m99.9 %

ATACS201123201224使[2]

201123127JRATACS327 - [3][4]311327328ATACS[5]630925ATACS[6][7]1010[8]

20122412162014261214 - 宿 - 214[9]

導入線区

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大宮駅埼京線ホームにあるATS→ATACS切り替え指示標識。
この標識の前後で川越線から埼京線へ入る為、保安装置切り替えを促すもの。

今後の導入予定

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20201012ATS-P[11]

2036使[12]

同等の保安システム

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ATACSETCS Level3ETCS Level3調

CBTC (Communication Based Train Control) 20071423201612022[13][14][15]20145JR2020[16]ATACS[17]

JR西2013[18][19]227100020232022218[20]

ATACSの世界戦略

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 (UIC) ISOIECRAMS (Reliability, Availability, Mainteinability, Safety)  (IEC62278) (IEC62279) (EMC : Electromagnetic CompatibilityIEC62236) 

ERTMS/ETCS20073UICETCSATACSJR6ETCS

ATACSJR200510ATACSJRTC (Japan Radio Train Control system) JIS[21]

ATACSETCSATACSIECTC/9[21]

出典

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(一)^ . 2019124

(二)^ ATACS (PDF).  (200947). 2011630

(三)^ . . (201125). https://web.archive.org/web/20110208134730/http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110205-OYT1T00454.htm 2011215 

(四)^ 201121

(五)^ 2011329

(六)^ ATACS使 (PDF).  (2011630). 2011630

(七)^ 100 . . (2011102). http://www.nikkei.com/tech/trend/article/g=96958A90889DE1E3EBE2E4E4E7E2E2EBE2E5E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;dg=1;df=3;p=9694E0E2E2E6E0E2E3E3E3EBE7E6 2011102 

(八)^ ATACS使 (PDF).  (20111011). 20111012

(九)^ 20141216

(十)^ (ATACS)使 - 20171032017104

(11)^ JR.  (). (2017228). https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00418902 20171127 

(12)^  (PDF).  (201068). 20111013

(13)^ . . (2012710). https://www.nikkan.co.jp/articles/view/214172 

(14)^ (CBTC) (PDF).  (2016128). 20171011

(15)^ . . (20171011). https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00446042 

(16)^  2017105

(17)^ JR. . (20171011). http://newswitch.jp/p/10679 ATACSATACSCBTC

(18)^ . 西. (201338). https://www.westjr.co.jp/press/article/2013/03/page_3412.html 

(19)^ JR西ATACS. Watch. (20151019). https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/726288.html 

(20)^ . 西. (2022218). https://www.westjr.co.jp/press/article/2022/02/page_19473.html 

(21)^ ab2012125

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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