「デ・ハビランド・カナダ DHC-8」の版間の差分
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| 分類=リージョナル路線[[ターボプロップ]]小型機 |
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| 設計者=[[デ・ハビランド・カナダ]] |
| 設計者=[[デ・ハビランド・カナダ]] |
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| 製造者=[[ボンバルディア・エアロスペース]] |
| 製造者=[[ボンバルディア・エアロスペース]]→2代目デ・ハビランド・カナダ |
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| 運用者= |
| 運用者=日本国内: [[琉球エアーコミューター]]、[[ANAウイングス]]<br/>他、世界各国の航空会社で運用 |
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| 初飛行年月日=[[1983年]][[6月20日]] |
| 初飛行年月日=[[1983年]][[6月20日]] |
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| 生産数=810機 |
| 生産数=810機 |
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| 運用開始年月日=[[1984年]]にNorOntairへ |
| 運用開始年月日=[[1984年]]にNorOntairへ |
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| 退役年月日= |
| 退役年月日= |
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| 運用状況=現役([[日本国]] |
| 運用状況=現役([[日本国]]では各地方都市より離島部及び国内線用空港への定期運航機材) |
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| ユニットコスト=}} |
| ユニットコスト=}} |
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'''デ・ハビランド・カナダ DHC-8''' |
'''デ・ハビランド・カナダ DHC-8'''︵de Havilland Canada DHC-8︶は、[[1980年]]代初頭に[[カナダ]]の[[デ・ハビランド・カナダ]]社が開発した双発[[ターボプロップエンジン|ターボプロップ]][[旅客機]]である。[[1992年]]にデ・ハビランド・カナダ社は[[ボンバルディア・エアロスペース]]社︵Bombardier Aerospace︶に買収されたがDHC-8の生産は続けられた。ただし、DHC-8の名称は“ダッシュ 8”︵Dash 8︶に変更された。また、[[1996年]]以降のものについては騒音・振動抑制装置が装備された低騒音型として、'''Q シリーズ'''︵Quiet Series︶という名称に再び変更され現在に至っている<ref>{{PDFlink|[http://www.bombardier.com/en/3_0/3_6/pdf/The_Noise_and_Vibration_Suppression_System_in_Japan_JPN.pdf 騒音・振動抑制装置]}}, www.bombardier.com {{Ja icon}}</ref>。総生産機数は800機以上である。
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日本の航空会社では、-100/-200が[[コミューター航空会社|コミューター路線]]の大型化により1990年代後半から、またQ300/Q400が[[YS-11]]の後継機として[[2003年]]より地方路線を中心に運用されている。 |
日本の航空会社では、-100/-200が[[コミューター航空会社|コミューター路線]]の大型化により1990年代後半から、またQ300/Q400が[[YS-11]]の後継機として[[2003年]]より地方路線を中心に運用されている。 |
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== 開発 == |
== 開発 == |
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世界初の[[ジェット |
世界初の[[ジェット旅客機]]である[[デ・ハビランド DH.106 コメット|コメット]]の製造会社として、欧米で最も長い歴史を持つ[[デ・ハビランド・エアクラフト]]のカナダ子会社「[[デ・ハビランド・カナダ]]」が開発した。 |
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前作・[[デ・ハビランド・カナダ DHC-7|DHC-7]]はコミューター機として開発されたものであり、50名ほどを搭載できる機体のサイズや与圧された客室、強力な[[航空機の離着陸方法#STOL |
前作・[[デ・ハビランド・カナダ DHC-7|DHC-7]]はコミューター機として開発されたものであり、50名ほどを搭載できる機体のサイズや与圧された客室、強力な[[航空機の離着陸方法#STOL|STOL]]性能を有しながら騒音軽減が考慮されるなど市場に向いた設計であった。しかし4発機であったため、ほどなく登場した双発コミューター機と比べ価格や整備費の面で不利となり総生産数は113機で終わり、ビジネスとしては不振に終わった。顧客からはDHC-7の性能でより経済的な機体が求められた。デ・ハビランド・カナダは、改良型であるDHC-7-200の開発を予定していたが、取りやめとなり[[1979年]]にDHC-8として開発計画が公表された。1980年代からカナダ政府はデ・ハビランド・カナダを民営化した後[[ボーイング]]に売却、さらに[[ボンバルディア・エアロスペース]]に売却されるなど会社再編が進行していたが計画は続行され、[[1983年]][[7月20日]]に初飛行した。
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デ・ハビランド・カナダの清算後、型式証明はボンバルディア・エアロスペースが取得し改良型を生産している(後述)が、生産が終了していたDHC-8以前の機種に関する権利は[[バイキング・エア]]に売却された。DHC-8の製造権も2019年からバイキング・エアの系列企業として新設された2代目デ・ハビランド・カナダに移っている。 |
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== 機体概要 == |
== 機体概要 == |
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大まかな機体形状はDHC-7を踏襲し、主翼は直線翼で高翼配置である。主脚はエンジンナセル後部に収納される。全幅はDHC-7の28.35mに対し、25.58mとやや小さくなっており、コックピット周辺の形状も段差のないものに変更された。コミューター機としてSTOL性能を重視し、前縁フラップはないが二重隙間フラップを装備しており、これは翼幅の80%に達している。エンジンはターボプロップエンジンの双発である。DHC-7はPT-6︵1,100軸馬力︶4発であったが、DHC-8はプラット・アンド・ホイットニー・カナダ社製PW120︵2,000馬力︶2基搭載に変更されている。尾翼はT字尾翼で垂直安定板は前方にフィン︵ドーサルフィン︶が伸ばされているなど、大きなものである。方向舵は二重ヒンジ式であり、操縦性を高めている。客室は与圧されている。
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大まかな機体形状はDHC-7を踏襲し、主翼は直線翼で[[高翼機|高翼配置]]である。主脚はエンジンナセル後部に収納される。全幅はDHC-7の28.35mに対し、25.58mとやや小さくなっており、コックピット周辺の形状も段差のないものに変更された。コミューター機としてSTOL性能を重視し、前縁フラップはないが二重隙間フラップを装備しており、これは翼幅の80%に達している。エンジンはターボプロップエンジンの双発である。DHC-7はPT-6︵1,100軸馬力︶4発であったが、DHC-8はプラット・アンド・ホイットニー・カナダ社製PW120︵2,000馬力︶2基搭載に変更されている。尾翼はT字尾翼で垂直安定板は前方にフィン︵ドーサルフィン︶が伸ばされているなど、大きなものである。方向舵は二重ヒンジ式であり、操縦性を高めている。客室は与圧されている。
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=== バリエーション === |
=== バリエーション === |
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DHC-8にはいくつかのバリエーションがある。 |
DHC-8にはいくつかのバリエーションがある。 |
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; シリーズ |
; シリーズ 100(Series 100)- DHC-8-100 |
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: [[1984年]]に運用が開始された原型の37-40座席バージョン。 |
: [[1984年]]に運用が開始された原型の37-40座席バージョン。 |
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; シリーズ |
; シリーズ 200(Series 200)- DHC-8-200 |
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: 性能を改善したより強力な[[プラット・アンド・ホイットニー]]製PW123エンジン(2,100軸馬力)をシリーズ 100に搭載。 |
: 性能を改善したより強力な[[プラット・アンド・ホイットニー]]製PW123エンジン(2,100軸馬力)をシリーズ 100に搭載。 |
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; シリーズ |
; シリーズ 300(Series 300)- DHC-8-300 |
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: シリーズ 200を3.4メートル胴体延長し、[[1989年]]に運用が開始された50-56座席バージョン。 |
: シリーズ 200を3.4メートル胴体延長し、[[1989年]]に運用が開始された50-56座席バージョン。 |
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== Q シリーズへの改良 == |
== Q シリーズへの改良 == |
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{{ Infobox 航空機 |
{{ Infobox 航空機 |
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| 名称=ボンバルディア Q シリーズ |
| 名称=ボンバルディア Q シリーズ |
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| 画像=File:Airberlin Q400.jpg |
| 画像=File:Airberlin Q400.jpg |
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| キャプション=[[エア・ベルリン]] ボンバルディアQ400 |
| キャプション=[[エア・ベルリン]] ボンバルディアQ400 |
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| 運用者 more=<nowiki/> |
| 運用者 more=<nowiki/> |
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** [[Flybe]] |
** [[Flybe]] |
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** [[日本エアコミューター]] |
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** [[琉球エアーコミューター]] |
** [[琉球エアーコミューター]] |
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** [[ホライゾン航空|ホライゾン]] |
** [[ホライゾン航空|ホライゾン]] |
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** 約1700万USドル (Q300) |
** 約1700万USドル (Q300) |
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** 約2700万USドル (Q400)<ref>[http://www.deagel.com/Turboprop-Airliners/Q400_a000086004.aspx {{en icon}}Deagle.com production and cost information]</ref> }} |
** 約2700万USドル (Q400)<ref>[http://www.deagel.com/Turboprop-Airliners/Q400_a000086004.aspx {{en icon}}Deagle.com production and cost information]</ref> }} |
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'''ボンバルディア ダッシュ8'''(Bombardier “Dash 8”)は、DHC-8を基に[[ボンバルディア・エアロスペース]]が生産した派生型。 |
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[[1996年]]第二四半期から改良型のQシリーズに生産が移行し、シリーズ 200は'''Q200'''、シリーズ 300は'''Q300'''と改められた。また、シリーズ 300の胴体をさらに6.83メートル延長した'''Q400'''も登場し、最も大きなモデルとなった。この機体を記述するに当たってDHC-8-400や、Qを付加して'''DHC-8-Q400'''とされる場合が日本国内外を問わずよく見かける。これらについては姉妹機であるQ300やQ200でも同様である。[[2016年]]には貨物容量増加型改良機'''Q400CC'''が生産開始された。DHC-Q400CCとして日本の[[琉球エアーコミューター]]が[[ローンチカスタマー]]となった。現在製造されているのはQ400のみ。
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=== 機体構成 === |
=== 機体構成 === |
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[[旅客機のコックピット|コクピット]]の計器類も改められている。[[三菱重工業]]がリスクシェアリングパートナーとして開発に参加し、中胴、後胴、[[垂直尾翼]]、[[水平尾翼]]、[[昇降舵]]/[[方向舵]]、ドアなど全体の半分近くの設計・製造を行っている。三菱グループは製造協力を行っており、[[2015年]]の[[ |
[[旅客機のコックピット|コックピット]]の計器類も改められている。[[三菱重工業]]がリスクシェアリングパートナーとして開発に参加し、中胴、後胴、[[垂直尾翼]]、[[水平尾翼]]、[[昇降舵]]/[[方向舵]]、ドアなど全体の半分近くの設計・製造を行っている。三菱グループは製造協力を行っており、後に[[2015年]]のMRJ(現・[[Mitsubishi SpaceJet]])による[[YS-11]]以来の[[日本]]製機材での初飛行に繋がった。かつて日本の[[日本航空機製造]]が製造した[[ターボプロップ]]プロペラ機「YS-11」より少し大きな機体で、効率の良い6枚[[プロペラ#ブレード|ブレード]]のプロペラを装備して比較的低[[回転速度|回転数]](離陸時1020[[rpm (単位)|rpm]]、巡航時850rpm)で所要の出力を発揮する。また、[[巡航]]速度は700 [[キロメートル毎時|km/h]]弱とターボプロップ[[旅客機]]としては比較的高速である。主な競合機である[[ATR 72|ATR-72]]と比較すると、[[巡航速度]]・[[航続距離]]・座席数の点などで優れている。その分着陸滑走距離が1,200mでは運用制限がかかる。 |
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Q400CCはQ400と比較して貨物スペースを2.5倍に拡張する一方、座席数は74席(JAC運航機の座席数)からRACのQ300と同数の50席に減少させている<ref>{{PDFlink|[http://www.jal.com/ja/csr/pdf/vol6_14.pdf]}}, 日本航空株式会社広報誌「明日の翼」Vol16 {{Ja icon}}</ref>。 |
Q400CCはQ400と比較して貨物スペースを2.5倍に拡張する一方、座席数は74席(JAC運航機の座席数)からRACのQ300と同数の50席に減少させている<ref>{{PDFlink|[http://www.jal.com/ja/csr/pdf/vol6_14.pdf]}}, 日本航空株式会社広報誌「明日の翼」Vol16 {{Ja icon}}</ref>。 |
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騒音や振動 |
騒音や振動の対策としては、[[1988年]]から研究が進められQシリーズに採用されたものとして、機内の[[マイクロフォン]]が騒音を拾い、そのデータを元に能動的に[[騒音]]と[[振動]]を緩和させる装置 "NVS"︵Noise and Vibration Suppression︶がある。また同シリーズでは吸音素材も導入し、反響を抑えるための構造の改善など設計から見直した。その結果、平均騒音値は75.1 dBAまで下がり、高空飛行時の小型ジェット旅客機の[[ボンバルディア CRJ]]が発する騒音値よりも低いものとなった。
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=== 運用 === |
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⚫ | 日本では[[YS-11]]が長年にわたり地方路線で活躍していたが、[[航空法]]の改正で[[空中衝突防止装置]](TCAS)の設置が義務付けられたことにより、能力的に同機の後継機種として導入が行われた。[[2003年]]に[[日本エアコミューター]]が運航を開始。その後、[[エアーニッポンネットワーク]]・[[エアーセントラル]]も運航を開始した。なお、日本エアコミューターでは就航空港の滑走路長により[[ATR_42#ATR_42-600|ATR42-600]]の導入および[[ATR 72|ATR72-600]]に一部置き換え、[[ジェイエア|J-AIR]]への[[エンブラエル170|エンブラエル170・190]]の導入とそれに伴うJACからJ-AIRへの路線移管に伴い、順次退役が進行しており、2018年11月30日をもって全機退役。 |
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⚫ | 日本では[[YS-11]]が長年にわたり地方路線で活躍していたが、[[航空法]]の改正で[[空中衝突防止装置]](TCAS)の設置が義務付けられたことにより、能力的に同機の後継機種として導入が行われた。[[2003年]]に[[日本エアコミューター]]が運航を開始。その後、[[エアーニッポンネットワーク]]・[[エアーセントラル]]も運航を開始した。なお、日本エアコミューターでは就航空港の滑走路長によりATR42-600の導入およびATR72-600に一部置き換え、[[ジェイエア|J-AIR]]への[[エンブラエル170|エンブラエル170・190]]の導入とそれに伴うJACからJ-AIRへの路線移管に伴い、順次退役が進行しており、2018年11月30日をもって全機退役。 |
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琉球エアーコミューターではこれまで運航してきたQ100・Q300の代替としてQ400CCを導入し、2018年1月までに在来のQ100・Q300をすべて退役させた。Q400CCの導入の理由はこれまで運航してきた機材の老朽化に加えて、離島路線の貨物輸送力を増強してほしいという地域からの要望に応えるためであった。[[2013年]]に那覇~久米島線の一部・石垣~与那国線を[[日本トランスオーシャン航空|JTA]]からRACへ移管した際、これまでの[[ボーイング737-400|ボーイング737]]からQ100・Q300へ変更したことにより貨物輸送力の減少が問題となっていた。特に[[与那国町]]では特産である[[カジキ]]の積載数が減少することから当時問題視されていた。Q400CCへの機材更新により、この問題の解決を図り、離島路線の貨物輸送力増強が図られることとなった<ref>[https://www.yaeyama-nippo.com/2012/09/14/%E4%B8%8E%E9%82%A3%E5%9B%BD%E7%B7%9A%E6%92%A4%E9%80%80-%E7%94%BA%E3%81%AB%E8%AA%AC%E6%98%8E-%EF%BD%92%EF%BD%81%EF%BD%83%E5%A2%97%E4%BE%BF%E3%81%A7%E5%AF%BE%E5%BF%9C-%E3%82%AB%E3%82%B8%E3%82%AD%E7%A9%8D%E8%BC%89%E3%81%AB%E5%88%B6%E9%99%90-%EF%BD%8A%EF%BD%94%EF%BD%81/ 与那国線撤退、町に説明 RAC増便で対応 カジキ積載に制限 JTA], 八重山日報(2012年9月14日) {{Ja icon}}</ref><ref>[http://www.churashima.net/rac/news/13/index.html 新機材DHC8-Q400CC(カーゴ・コンビ)の導入についてご紹介します!!], 琉球エアーコミューター {{Ja icon}}</ref>。 |
琉球エアーコミューターではこれまで運航してきたQ100・Q300の代替としてQ400CCを導入し、2018年1月までに在来のQ100・Q300をすべて退役させた。Q400CCの導入の理由はこれまで運航してきた機材の老朽化に加えて、離島路線の貨物輸送力を増強してほしいという地域からの要望に応えるためであった。[[2013年]]に那覇~久米島線の一部・石垣~与那国線を[[日本トランスオーシャン航空|JTA]]からRACへ移管した際、これまでの[[ボーイング737-400|ボーイング737]]からQ100・Q300へ変更したことにより貨物輸送力の減少が問題となっていた。特に[[与那国町]]では特産である[[カジキ]]の積載数が減少することから当時問題視されていた。Q400CCへの機材更新により、この問題の解決を図り、離島路線の貨物輸送力増強が図られることとなった<ref>[https://www.yaeyama-nippo.com/2012/09/14/%E4%B8%8E%E9%82%A3%E5%9B%BD%E7%B7%9A%E6%92%A4%E9%80%80-%E7%94%BA%E3%81%AB%E8%AA%AC%E6%98%8E-%EF%BD%92%EF%BD%81%EF%BD%83%E5%A2%97%E4%BE%BF%E3%81%A7%E5%AF%BE%E5%BF%9C-%E3%82%AB%E3%82%B8%E3%82%AD%E7%A9%8D%E8%BC%89%E3%81%AB%E5%88%B6%E9%99%90-%EF%BD%8A%EF%BD%94%EF%BD%81/ 与那国線撤退、町に説明 RAC増便で対応 カジキ積載に制限 JTA], 八重山日報(2012年9月14日) {{Ja icon}}</ref><ref>[http://www.churashima.net/rac/news/13/index.html 新機材DHC8-Q400CC(カーゴ・コンビ)の導入についてご紹介します!!], 琉球エアーコミューター {{Ja icon}}</ref>。 |
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[[ANAウイングス]]では2026年以降にQ400を退役させることを発表した。 |
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=== 航空事故 === |
=== 航空事故 === |
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{{main|en:List of Bombardier Dash 8 operators}} |
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=== 航空会社 === |
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* {{Flagicon|United States}} [[USエアウェイズ]] - [[アメリカ合衆国]]国内線中心の運航。 |
* {{Flagicon|United States}} [[USエアウェイズ]] - [[アメリカ合衆国]]国内線中心の運航。 |
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* {{Flagicon|United States}} [[ホライゾン航空]] |
* {{Flagicon|United States}} [[ホライゾン航空]] |
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* {{Flagicon|United States}} [[コルガン・エア]] |
* {{Flagicon|United States}} [[コルガン・エア]] |
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* {{Flagicon|United States}} [[フロンティア航空]] - [[A318]]と共に[[アメリカ合衆国]]国内線主力機材として運航した。 |
* {{Flagicon|United States}} [[フロンティア航空]] - [[A318]]と共に[[アメリカ合衆国]]国内線主力機材として運航した。 |
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* {{Flagicon|United States}} エアタホマ |
* {{Flagicon|United States}} エアタホマ(Air Tahoma) |
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* {{Flagicon|United Kingdom}} [[Flybe]] |
* {{Flagicon|United Kingdom}} [[Flybe]] |
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* {{Flagicon|Japan}} [[日本エアコミューター]] - |
* {{Flagicon|Japan}} [[日本エアコミューター]] - ATR42-600の導入とATR72-600に一部置き換え、さらに[[ジェイエア]]への路線移管に伴い、2018年11月30日を以って運航終了。 |
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* {{Flagicon|Japan}} [[琉球エアーコミューター]] - [[2016年]][[2月]]にQ100とQ300の更新用機材として、 |
* {{Flagicon|Japan}} [[琉球エアーコミューター]] - [[2016年]][[2月]]にQ100とQ300の更新用機材として、Q400CC(貨物容量拡張型)を導入開始した。それに伴い、Q100は2017年2月23日、Q300は2018年1月31日を以ってそれぞれ運航終了した。 |
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* {{Flagicon|Japan}} [[ANAウイングス]] - Q300は2014年3月31日を以って |
* {{Flagicon|Japan}} [[ANAウイングス]] - Q300は2014年3月31日を以って運航終了。Q400のみとなる。2017年からはオリエンタルエアブリッジとの共通事業機。 |
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* {{Flagicon|Japan}} [[オリエンタルエアブリッジ]] - |
* {{Flagicon|Japan}} [[オリエンタルエアブリッジ]] - 2017年からANAウイングスとの共通事業機としてQ400をリース運用のため、Q400はANA塗装でORC乗員による運用。当面の間Q200の中古機を追加導入し運航しているが経年機のため壱岐空港運用を含め国交省主導同じ九州内JAC、AMXとの協業検討のためATR-42ヘの移行を検討中。 |
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* {{Flagicon|Japan}} [[天草エアライン]] - [[ATR 42]]の導入に伴い、[[2016年]]02月19日をもって同機種の運 |
* {{Flagicon|Japan}} [[天草エアライン]] - [[ATR 42|ATR42-600]]の導入に伴い、[[2016年]]02月19日をもって同機種の運航終了<ref name=Aviation-Wire82623>{{Cite news|url=http://www.aviationwire.jp/archives/82623|title= |
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天草エアライン、2代目みぞか号就航 新制服も導入|newspaper=[[Aviation Wire]]|date=2016-02-20|accessdate=2016-02-20}}</ref> |
天草エアライン、2代目みぞか号就航 新制服も導入|newspaper=[[Aviation Wire]]|date=2016-02-20|accessdate=2016-02-20}}</ref> |
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* {{Flagicon|Austria}} オーストリアン・アローズ |
* {{Flagicon|Austria}} オーストリアン・アローズ(Austrian Arrows) |
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* {{Flagicon|Norway}} ヴィーデロエ |
* {{Flagicon|Norway}} ヴィーデロエ(Widerøe) |
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* {{Flagicon|Germany}} アウクスブルク航空 |
* {{Flagicon|Germany}} アウクスブルク航空(Augsburg Airways) |
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* {{Flagicon|Canada}} ポーターエアラインズ |
* {{Flagicon|Canada}} ポーターエアラインズ(Porter Airlines) |
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* {{Flagicon|Canada}} [[ジャズ航空]] |
* {{Flagicon|Canada}} [[ジャズ航空]](Jazz Aviation) |
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* {{Flagicon|Croatia}} [[クロアチア航空]] |
* {{Flagicon|Croatia}} [[クロアチア航空]] |
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* {{Flagicon|Algeria}} タッシリエアラインズ |
* {{Flagicon|Algeria}} タッシリエアラインズ(Tassili Airlines) |
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* {{Flagicon|Australia}} サンステートエアエアラインズ |
* {{Flagicon|Australia}} サンステートエアエアラインズ(Sunstate Airlines) |
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* {{Flagicon|South Korea}} [[ |
* {{Flagicon|South Korea}} [[チェジュ航空]](退役済み) |
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* {{Flagicon|Bangladesh}} GMG 航空 |
* {{Flagicon|Bangladesh}} GMG 航空(GMG Airlines) |
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* {{Flagicon|Luxembourg}} [[ルクスエア]] - [[ルクセンブルク大公国]]発着便として、[[中欧]]各地路線や[[ウクライナ]]路線に使用。 |
* {{Flagicon|Luxembourg}} [[ルクスエア]] - [[ルクセンブルク大公国]]発着便として、[[中欧]]各地路線や[[ウクライナ]]路線に使用。 |
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* {{Flagicon|RUS}} [[オーロラ (航空会社)|オーロラ航空]](Аврора,Aurora) |
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* {{Flagicon|Denmark}}{{Flagicon|Norway}}{{Flagicon|Sweden}} [[スカンジナビア航空]] - [[2007年]][[10月28日]]をもって同機種の運用停止 |
* {{Flagicon|Denmark}}{{Flagicon|Norway}}{{Flagicon|Sweden}} [[スカンジナビア航空]] - [[2007年]][[10月28日]]をもって同機種の運用停止 |
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⚫ | File:MLIT Civil Aviation Bureau JA007G RJSN.jpg|[[国土交通省]][[航空局]]のQ300 |
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File:RAC-DHC-8-400-aircraft.jpg|[[琉球エアーコミューター]]のQ400CC |
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File:DHC8-Q400 20110817 170159.jpg|[[ANAウイングス]]のQ400 |
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=== 軍用 === |
=== 軍・官公庁用 === |
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[[カナダ]]を始め、アメリカ、[[オーストラリア]]や[[オランダ]]の海外領土など軍隊に限らず警備隊でも採用されている。 |
[[カナダ]]を始め、アメリカ、[[オーストラリア]]や[[オランダ]]の海外領土など軍隊に限らず警備隊でも採用されている。 |
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; CC-142 |
; CC-142 |
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; RO-6A |
; RO-6A |
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: [[アメリカ陸軍]]が使用する[[偵察機]]型。300シリーズがベース。 |
: [[アメリカ陸軍]]が使用する[[偵察機]]型。300シリーズがベース。 |
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; C-147A |
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: アメリカ陸軍がパラシュート部隊のショー用に使用。300シリーズがベース。 |
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; [[海上保安庁の装備品一覧#航空機|MAボンバル300]] |
|||
: [[海上保安庁]]にて運用<ref>{{Cite web |url=https://www.kaiho.mlit.go.jp/soubi-yosan/koukuuki/air.html |title=海上保安庁﹁航空機﹂ |access-date=2024-01-04 |publisher=海上保安庁}}</ref>。うちMA722﹁みずなぎ1号﹂︵[[東京国際空港|羽田航空基地]]所属︶は、[[2024年]][[1月2日]]、[[東京国際空港]]C滑走路上での[[羽田空港地上衝突事故|衝突事故]]により焼失<ref>{{Cite web |title=日航機、海保機と衝突炎上=379人全員脱出、隊員5人死亡―東京・羽田空港 |url=https://sp.m.jiji.com/article/show/3133553 |website=時事通信ニュース |access-date=2024-01-04 |language=ja}}</ref>。
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== 仕様 == |
== 仕様 == |
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
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* [https://dehavilland.com/en#aircraft Dash 8-400]{{En icon}} - De Havilland |
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* [https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/prepare/seatmap/domestic/q84/ デ・ハビランド・カナダ Dash 8-400] - ANA |
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* {{PDFlink|[http://www.jadc.or.jp/10_AircraftD.pdf#page=39 Dash8の概要]}} - 財団法人日本航空機開発協会 {{Ja icon}} |
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* {{PDFlink|[http://www.apu.or.jp/l34200.pdf ANK労働組合11月21日のストについて]}} - エアーニッポン乗員組合 {{Ja icon}} |
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2024年5月9日 (木) 04:24時点における最新版
デ・ハビランド・カナダ DHC-8
アイランドエア DHC-8 シリーズ100
- 用途:旅客機
- 分類:リージョナル路線ターボプロップ小型機
- 設計者:デ・ハビランド・カナダ
- 製造者:ボンバルディア・エアロスペース→2代目デ・ハビランド・カナダ
- 運用者:日本国内: 琉球エアーコミューター、ANAウイングス
他、世界各国の航空会社で運用 - 初飛行:1983年6月20日
- 生産数:810機
- 運用開始:1984年にNorOntairへ
- 運用状況:現役(日本国では各地方都市より離島部及び国内線用空港への定期運航機材)
開発[編集]
世界初のジェット旅客機であるコメットの製造会社として、欧米で最も長い歴史を持つデ・ハビランド・エアクラフトのカナダ子会社﹁デ・ハビランド・カナダ﹂が開発した。 前作・DHC-7はコミューター機として開発されたものであり、50名ほどを搭載できる機体のサイズや与圧された客室、強力なSTOL性能を有しながら騒音軽減が考慮されるなど市場に向いた設計であった。しかし4発機であったため、ほどなく登場した双発コミューター機と比べ価格や整備費の面で不利となり総生産数は113機で終わり、ビジネスとしては不振に終わった。顧客からはDHC-7の性能でより経済的な機体が求められた。デ・ハビランド・カナダは、改良型であるDHC-7-200の開発を予定していたが、取りやめとなり1979年にDHC-8として開発計画が公表された。1980年代からカナダ政府はデ・ハビランド・カナダを民営化した後ボーイングに売却、さらにボンバルディア・エアロスペースに売却されるなど会社再編が進行していたが計画は続行され、1983年7月20日に初飛行した。 デ・ハビランド・カナダの清算後、型式証明はボンバルディア・エアロスペースが取得し改良型を生産している︵後述︶が、生産が終了していたDHC-8以前の機種に関する権利はバイキング・エアに売却された。DHC-8の製造権も2019年からバイキング・エアの系列企業として新設された2代目デ・ハビランド・カナダに移っている。機体概要[編集]
大まかな機体形状はDHC-7を踏襲し、主翼は直線翼で高翼配置である。主脚はエンジンナセル後部に収納される。全幅はDHC-7の28.35mに対し、25.58mとやや小さくなっており、コックピット周辺の形状も段差のないものに変更された。コミューター機としてSTOL性能を重視し、前縁フラップはないが二重隙間フラップを装備しており、これは翼幅の80%に達している。エンジンはターボプロップエンジンの双発である。DHC-7はPT-6︵1,100軸馬力︶4発であったが、DHC-8はプラット・アンド・ホイットニー・カナダ社製PW120︵2,000馬力︶2基搭載に変更されている。尾翼はT字尾翼で垂直安定板は前方にフィン︵ドーサルフィン︶が伸ばされているなど、大きなものである。方向舵は二重ヒンジ式であり、操縦性を高めている。客室は与圧されている。バリエーション[編集]
DHC-8にはいくつかのバリエーションがある。Qシリーズへの改良[編集]
ボンバルディア Q シリーズ
機体構成[編集]
コックピットの計器類も改められている。三菱重工業がリスクシェアリングパートナーとして開発に参加し、中胴、後胴、垂直尾翼、水平尾翼、昇降舵/方向舵、ドアなど全体の半分近くの設計・製造を行っている。三菱グループは製造協力を行っており、後に2015年のMRJ︵現・Mitsubishi SpaceJet︶によるYS-11以来の日本製機材での初飛行に繋がった。かつて日本の日本航空機製造が製造したターボプロッププロペラ機﹁YS-11﹂より少し大きな機体で、効率の良い6枚ブレードのプロペラを装備して比較的低回転数︵離陸時1020rpm、巡航時850rpm︶で所要の出力を発揮する。また、巡航速度は700 km/h弱とターボプロップ旅客機としては比較的高速である。主な競合機であるATR-72と比較すると、巡航速度・航続距離・座席数の点などで優れている。その分着陸滑走距離が1,200mでは運用制限がかかる。 Q400CCはQ400と比較して貨物スペースを2.5倍に拡張する一方、座席数は74席︵JAC運航機の座席数︶からRACのQ300と同数の50席に減少させている[3]。 騒音や振動の対策としては、1988年から研究が進められQシリーズに採用されたものとして、機内のマイクロフォンが騒音を拾い、そのデータを元に能動的に騒音と振動を緩和させる装置 "NVS"︵Noise and Vibration Suppression︶がある。また同シリーズでは吸音素材も導入し、反響を抑えるための構造の改善など設計から見直した。その結果、平均騒音値は75.1 dBAまで下がり、高空飛行時の小型ジェット旅客機のボンバルディア CRJが発する騒音値よりも低いものとなった。運用[編集]
日本ではYS-11が長年にわたり地方路線で活躍していたが、航空法の改正で空中衝突防止装置︵TCAS︶の設置が義務付けられたことにより、能力的に同機の後継機種として導入が行われた。2003年に日本エアコミューターが運航を開始。その後、エアーニッポンネットワーク・エアーセントラルも運航を開始した。なお、日本エアコミューターでは就航空港の滑走路長によりATR42-600の導入およびATR72-600に一部置き換え、J-AIRへのエンブラエル170・190の導入とそれに伴うJACからJ-AIRへの路線移管に伴い、順次退役が進行しており、2018年11月30日をもって全機退役。 琉球エアーコミューターではこれまで運航してきたQ100・Q300の代替としてQ400CCを導入し、2018年1月までに在来のQ100・Q300をすべて退役させた。Q400CCの導入の理由はこれまで運航してきた機材の老朽化に加えて、離島路線の貨物輸送力を増強してほしいという地域からの要望に応えるためであった。2013年に那覇~久米島線の一部・石垣~与那国線をJTAからRACへ移管した際、これまでのボーイング737からQ100・Q300へ変更したことにより貨物輸送力の減少が問題となっていた。特に与那国町では特産であるカジキの積載数が減少することから当時問題視されていた。Q400CCへの機材更新により、この問題の解決を図り、離島路線の貨物輸送力増強が図られることとなった[4][5]。 ANAウイングスでは2026年以降にQ400を退役させることを発表した。航空事故[編集]
運用者[編集]
航空会社[編集]
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![スウェーデンの旗](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4c/Flag_of_Sweden.svg/25px-Flag_of_Sweden.svg.png)
軍・官公庁用[編集]
仕様[編集]
Q200, Q300, Q400それぞれのデータはボンバルディア社のホームページ及び出版物[9]に準拠する。Q200[10] | Q300[11] | Q400 Next Gen[12] | |
---|---|---|---|
運航乗員 | 2名 | 2名 | 2名 |
座席数 | 37-39(1 クラス 37)席 | 50-56(1 クラス 50)席 | 68-78(1 クラス 70)席 |
ペイロード | 4,213 kg | 6,126 kg | 8,670 kg |
全長 | 22.25 m | 25.68 m | 32.81 m |
全幅 | 25.89 m | 27.43 m | 28.42 m |
全高 | 7.49 m | 8.36 m | |
翼面積 | 54.35 m2 | 56.21 m2 | 63.08 m2 |
キャビン全長 | 9.1 m | 12.6 m | 18.80 m |
キャビン床面積 | 23.6 m2 | 30.6 m2 | 43.60 m2 |
最大離陸重量 | 16,466 kg | 19,505 kg | 29,257 kg |
最大着陸重量 | 15,649 kg | 19,051 kg | 28,009 kg |
最大航続距離 | 1,713 km | 1,558 km | 2,522 km |
最大巡航速度 | 573 km/h=M0.46 | 528 km/h=M0.43 | 667 km/h=M0.54 |
離陸滑走距離 | 991m | 1404m | |
着陸滑走距離 | 785m | 1288m | |
エンジン | P&WC PW123C/D | P&WC PW123B | P&WC PW150A |
出力 | 2,150 shp x2 | 2,500 shp x2 | 5,071 shp x2 |
脚注[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- Dash 8-400(英語) - De Havilland
- デ・ハビランド・カナダ Dash 8-400 - ANA