「山梨県環境整備センター」の版間の差分
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'''山梨県環境整備センター'''(やまなしけんかんきょうせいびセンター)は[[山梨県]][[北杜市]][[明野村]]にある[[最終処分場]]。通称'''明野最終処分場'''(あけのさいしゅうしょぶんじょう)または'''明野処分場'''(あけのしょぶんじょう)と呼ばれている。 |
'''山梨県環境整備センター'''(やまなしけんかんきょうせいびセンター)は[[山梨県]][[北杜市]][[明野村]]にある[[最終処分場]]。通称'''明野最終処分場'''(あけのさいしゅうしょぶんじょう)または'''明野処分場'''(あけのしょぶんじょう)と呼ばれている。 |
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山梨県管轄の県環境整備事業団の管理運営により[[2009年]](平成21年)に操業を開始したが、赤字と2度の汚染水漏れ検知作動(いずれも誤作動)による操業停止を起こし、 |
山梨県管轄の県環境整備事業団の管理運営により[[2009年]](平成21年)に操業を開始したが、赤字と2度の汚染水漏れ検知作動(いずれも誤作動)による操業停止を起こし、完全に埋まる前に閉鎖が決定した。 |
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== 概要 == |
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山梨県内ではこれまで最終処分場がなく、他県の処分場に委託する形をとっていたが[[1990年代]]に入ると各地の処分場が満杯になったことから県内で処分する「自県内処理」が叫ばれるようになる<ref name="asahi20130326">[http://www.asahi.com/area/yamanashi/articles/MTW20130326201390001.html トイレのない県〈上〉](2013年3月26日、[[朝日新聞]])</ref>。 |
山梨県内ではこれまで産業廃棄物の最終処分場がなく、他県の処分場に委託する形をとっていたが[[1990年代]]に入ると各地の処分場が満杯になったことから県内で処分する「自県内処理」が叫ばれるようになる<ref name="asahi20130326">[http://www.asahi.com/area/yamanashi/articles/MTW20130326201390001.html トイレのない県〈上〉](2013年3月26日、[[朝日新聞]])</ref>。 |
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[[1993年]]︵平成5年︶に[[天野建]]知事は﹁公共関与による産業廃棄物最終処分場の整備方針﹂を策定し、県内のエリアを5つに分け、管理型廃棄物最終処分場を整備することを模索した<ref name="history">[http://www.pref.yamanashi.jp/chiji/kadai/kankyo-sb/keii.html 山梨県環境整備センターの主な経緯](山梨県庁)</ref>。このうち峡北地区については[[北巨摩郡]]明野村︵当時。2004年に合併し北杜市となる。︶の浅尾地区に建設されることが決定された。
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[[1993年]]︵平成5年︶に[[天野建]]知事は﹁公共関与による産業廃棄物最終処分場の整備方針﹂を策定し、県内のエリアを5つに分け、管理型廃棄物最終処分場を整備することを模索した<ref name="history">[http://www.pref.yamanashi.jp/chiji/kadai/kankyo-sb/keii.html 山梨県環境整備センターの主な経緯](山梨県庁)</ref>。このうち峡北地区については[[北巨摩郡]]明野村︵当時。2004年に合併し北杜市となる。︶の浅尾地区に建設されることが決定された。
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これに対し村や浅尾地区の区長などは道路整備などの見返りを条件に[[1994年]](平成6年)に建設の同意をするが最終処分場という環境破壊に繋がる施設の建設であったことから地元住民が反対派と賛成派に分かれ対立する<ref name="asahi20130327">[http://www.asahi.com/area/yamanashi/articles/MTW20130327201390001.html トイレのない県〈下〉](2013年3月27日、[[朝日新聞]])</ref>。反対派は測量妨害などの運動を起こすが、県は住民との対話をしつつ[[東京地方裁判所]]に測量妨害禁止などの仮処分を求めるなどで対抗。結果同意から12年経過した[[2006年]](平成18年)に山梨県と北杜市などが公害防止協定を締結し、ようやく着工に漕ぎ着けた<ref name="history"/>。 |
これに対し村や浅尾地区の区長などは道路整備などの見返りを条件に[[1994年]](平成6年)に建設の同意をするが最終処分場という環境破壊に繋がる施設の建設であったことから地元住民が反対派と賛成派に分かれ対立する<ref name="asahi20130327">[http://www.asahi.com/area/yamanashi/articles/MTW20130327201390001.html トイレのない県〈下〉](2013年3月27日、[[朝日新聞]])</ref>。予定地が[[オオタカ]]の営巣地でもあったことから反対派は測量妨害などの運動を起こすが、県は住民との対話をしつつ[[東京地方裁判所]]に測量妨害禁止などの仮処分を求めるなどで対抗。結果同意から12年経過した[[2006年]](平成18年)に山梨県と北杜市などが公害防止協定を締結し、ようやく着工に漕ぎ着けた<ref name="history"/>。 |
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しかし、着工まで時間を要してきた間に国では[[循環型社会形成推進基本法]]をはじめとする各[[リサイクル法]]が執行され、それまで最終処分場へ廃棄されてきた[[白物家電]]や[[自動車]]部品、[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]などのリサイクルが義務付けられたことで産業廃棄物の量は次第に減少。整備方針が策定された1993年から操業が開始された2009年までの間に最終処分が必要な産業廃棄物は約6分の1にまで落ち込んだ<ref name="asahi20130327"/>。また、民間業者との競争による引取り額減少の影響もあり、操業1年目の収支は1,800万円の黒字予測が大きく外れ35億円の赤字を生み出す結果となってしまった<ref name="syushi">[http://www.pref.yamanashi.jp/chiji/kadai/kankyo-sb/syushi.html センターの収支および損害への対応](山梨県庁)</ref>。
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しかし、着工まで時間を要してきた間に国では[[循環型社会形成推進基本法]]をはじめとする各[[リサイクル法]]が執行され、それまで最終処分場へ廃棄されてきた[[白物家電]]や[[自動車]]部品、[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]などのリサイクルが義務付けられたことで産業廃棄物の量は次第に減少。整備方針が策定された1993年から操業が開始された2009年までの間に最終処分が必要な産業廃棄物は約6分の1にまで落ち込んだ<ref name="asahi20130327"/>。また、民間業者との競争による引取り額減少の影響もあり、操業1年目の収支は1,800万円の黒字予測が大きく外れ35億円の赤字を生み出す結果となってしまった<ref name="syushi">[http://www.pref.yamanashi.jp/chiji/kadai/kankyo-sb/syushi.html センターの収支および損害への対応](山梨県庁)</ref>。
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さらに操業開始からわずか1年の[[2010年]]︵平成22年︶10月に水漏れを感知する漏水検知システムが作動し操業を停止。県は対策を行い操業を再開 |
さらに操業開始からわずか1年の[[2010年]]︵平成22年︶10月に水漏れを感知する漏水検知システムが作動し操業を停止。県は対策を行い、また受入対象のから産業廃棄物を除外し一般廃棄物に限定したうえで<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamanashi/feature/kofu1305381587174_02/news/20110604-OYT8T00746.htm 使う?境川処分場]︵2011年6月5日、[[読売新聞]]︶</ref>操業を再開したが、[[2012年]]︵平成24年︶12月に再度検知システムが作動し操業が停止された<ref name="asahi20130327"/>。この影響により赤字額はさらに膨らむ形となり、さらに10億円の追加投資と施行業者がこれ以上の対策は不可能と回答したことから<ref name="history"/>、[[横内正明]]知事は[[2013年]]︵平成25年︶11月に当初予定していた[[2014年]]11月までの稼働期間を前倒しし、施設の閉鎖を表明した<ref name="sannnichi">[http://www.sannichi.co.jp/local/news/2013/11/13/2.html 明野処分場を閉鎖 知事が存続断念表明へ 最終赤字50億円超](2013年11月13日、[[山梨日日新聞]])</ref>。山梨県では最終的に赤字額は55億円となる見込みとしており、さらに廃棄物の撤去費用が別途掛かるとしている。
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明野処分場の次の処分場として[[笛吹市]][[境川村]]の上寺尾区に'''境川処分場'''(さかいがわしょぶんじょう)の計画がある<ref>[http://www.pref.yamanashi.jp/kankyo-sb/shisetukeikaku-syobunjou3.html 次期廃棄物最終処分場の整備について](山梨県庁)</ref>。当初は明野処分場の埋め立てが終了する2014年にも稼働開始の予定であったが、予定地がオオタカや[[ミゾゴイ]]などの希少動物の棲息地であることから環境アセスメントに手間取り、開始予定が[[2017年]]に延長。さらに上述の通り産業廃棄物が減少したためあかじ費用抑制のため受入れ廃棄物は一般廃棄物に限ることとなり、設計変更のため早くても[[2018年]]まで先送りされることになった<ref>2013年10月3日、[[山梨放送]]</ref>。 |
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[[Category:日本の廃棄物処 |
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[[Category:山梨県の行政]] |
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2014年1月23日 (木) 12:22時点における版
概要
山梨県内ではこれまで産業廃棄物の最終処分場がなく、他県の処分場に委託する形をとっていたが1990年代に入ると各地の処分場が満杯になったことから県内で処分する﹁自県内処理﹂が叫ばれるようになる[1]。 1993年︵平成5年︶に天野建知事は﹁公共関与による産業廃棄物最終処分場の整備方針﹂を策定し、県内のエリアを5つに分け、管理型廃棄物最終処分場を整備することを模索した[2]。このうち峡北地区については北巨摩郡明野村︵当時。2004年に合併し北杜市となる。︶の浅尾地区に建設されることが決定された。 これに対し村や浅尾地区の区長などは道路整備などの見返りを条件に1994年︵平成6年︶に建設の同意をするが最終処分場という環境破壊に繋がる施設の建設であったことから地元住民が反対派と賛成派に分かれ対立する[3]。予定地がオオタカの営巣地でもあったことから反対派は測量妨害などの運動を起こすが、県は住民との対話をしつつ東京地方裁判所に測量妨害禁止などの仮処分を求めるなどで対抗。結果同意から12年経過した2006年︵平成18年︶に山梨県と北杜市などが公害防止協定を締結し、ようやく着工に漕ぎ着けた[2]。 しかし、着工まで時間を要してきた間に国では循環型社会形成推進基本法をはじめとする各リサイクル法が執行され、それまで最終処分場へ廃棄されてきた白物家電や自動車部品、パソコンなどのリサイクルが義務付けられたことで産業廃棄物の量は次第に減少。整備方針が策定された1993年から操業が開始された2009年までの間に最終処分が必要な産業廃棄物は約6分の1にまで落ち込んだ[3]。また、民間業者との競争による引取り額減少の影響もあり、操業1年目の収支は1,800万円の黒字予測が大きく外れ35億円の赤字を生み出す結果となってしまった[4]。 さらに操業開始からわずか1年の2010年︵平成22年︶10月に水漏れを感知する漏水検知システムが作動し操業を停止。県は対策を行い、また受入対象のから産業廃棄物を除外し一般廃棄物に限定したうえで[5]操業を再開したが、2012年︵平成24年︶12月に再度検知システムが作動し操業が停止された[3]。この影響により赤字額はさらに膨らむ形となり、さらに10億円の追加投資と施行業者がこれ以上の対策は不可能と回答したことから[2]、横内正明知事は2013年︵平成25年︶11月に当初予定していた2014年11月までの稼働期間を前倒しし、施設の閉鎖を表明した[6]。山梨県では最終的に赤字額は55億円となる見込みとしており、さらに廃棄物の撤去費用が別途掛かるとしている。 明野処分場の次の処分場として笛吹市境川村の上寺尾区に境川処分場︵さかいがわしょぶんじょう︶の計画がある[7]。当初は明野処分場の埋め立てが終了する2014年にも稼働開始の予定であったが、予定地がオオタカやミゾゴイなどの希少動物の棲息地であることから環境アセスメントに手間取り、開始予定が2017年に延長。さらに上述の通り産業廃棄物が減少したためあかじ費用抑制のため受入れ廃棄物は一般廃棄物に限ることとなり、設計変更のため早くても2018年まで先送りされることになった[8]。脚注
- ^ トイレのない県〈上〉(2013年3月26日、朝日新聞)
- ^ a b c 山梨県環境整備センターの主な経緯(山梨県庁)
- ^ a b c トイレのない県〈下〉(2013年3月27日、朝日新聞)
- ^ センターの収支および損害への対応(山梨県庁)
- ^ 使う?境川処分場(2011年6月5日、読売新聞)
- ^ 明野処分場を閉鎖 知事が存続断念表明へ 最終赤字50億円超(2013年11月13日、山梨日日新聞)
- ^ 次期廃棄物最終処分場の整備について(山梨県庁)
- ^ 2013年10月3日、山梨放送
外部リンク
座標: 北緯35度47分26.0秒 東経138度27分55.0秒 / 北緯35.790556度 東経138.465278度