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ダークエネルギー

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現代宇宙論
宇宙
ビッグバンブラックホール
宇宙の年齢
宇宙の年表
物理学の未解決問題
ダークエネルギーは存在するか。存在する場合、その正体は何か。

[1]: dark energy20134.9%()26.8%68.3%[2]

1998[3]FLRWΛ-CDM

2調

[]


1917

197019801990

1933()1998[4]1990使1995[5][6][7]Λ-CDMVLT (CMB) (BAO) 66.272.9%1.4%)7%0.6%Λ-CDM[8]

201332168.3%[2]

[]


3

[]


1990[7][6]Ia72011P3[9][10]Ia

1.4使

Ia10700[11]Ia

宇宙背景放射[編集]


WMAP2001WMAP

[]


140 (Mpc)4.57

2005[12][]

現象論的性質[編集]

ダークエネルギーには互いに反発する性質があるため、宇宙膨張を加速する原因となりうる。これは物質優勢の宇宙という伝統的な描像で膨張の減速が起こると予想されているのとは対照的である。宇宙の加速膨張は多くの遠方の超新星の観測から示唆されている。

宇宙の全エネルギー密度の研究からも別の議論がもたらされている。理論的・観測的研究から、宇宙の全エネルギー密度は宇宙がちょうど平坦になる(すなわち、一般相対性理論で定義される時空の曲率が大きなスケールで 0 になる)ような臨界密度に非常に近いことが昔から知られている。(特殊相対性理論E = mc2 から)エネルギーは質量と等価なので、これは通常、宇宙が平坦になるのに必要な臨界質量密度と呼ばれる。を放出する通常の物質の観測からは、必要な質量密度の2-5%しか説明できない。この足りない質量を補うために、ダークマターと呼ばれる目に見える光を放出しない物質の存在が長い間仮定されてきた。

しかし、1990年代に行われた銀河銀河団の観測で、ダークマターをもってしても臨界質量密度の25%しか説明できないことが強く示唆された。もしダークエネルギーが臨界エネルギー密度の残りの約70%を補えば、全エネルギー密度は宇宙が平坦であるのに必要な量と矛盾しなくなる。

正体[編集]

このダークエネルギーの真の正体は現状ではほぼ推測の対象にすぎない。ダークエネルギーは一般相対論の宇宙定数 (Λ) で表される真空のエネルギーではないか、と考える人々も多く、実際、これはダークエネルギーに対する最も単純な説明である。宇宙定数は、時間や宇宙膨張によらず宇宙全体に存在する一様密度のダークエネルギーと解釈できるからである。

これはアインシュタインによって導入された形式のダークエネルギーであり、我々の現在までの観測と矛盾しない。ダークエネルギーがこのような形をとるとすると、これはダークエネルギーが宇宙の持つ基本的な特徴であることを示すことになる。これとは別に、ダークエネルギーはある種の動力学的なが粒子的に励起したものとして生まれるとする考え方もあり、クインテッセンスと呼ばれている。クインテッセンスは空間と時間に応じて変化する点で宇宙定数とは異なっている。クインテッセンスは物質のように互いに集まって構造を作るといったことがないように、非常に軽くなければならない(大きなコンプトン波長を持つ)。今のところクインテッセンスが存在する証拠は得られていないが、存在の否定もされていない。

インフレーションとの関係[編集]

ダークエネルギーはインフレーション宇宙論と密接に関係しているという点は注意が必要である。インフレーションはダークエネルギーと定性的に同様の、何らかの反発力の存在を前提としている。これによって宇宙はビッグバンの直後に急速な指数関数的膨張を引き起こす。このような膨張はほとんどの現在の宇宙論や構造形成論の本質的な特徴である。

しかし、インフレーションは現在我々が観測しているダークエネルギーよりももっとずっと高いエネルギー密度で起きなければならないし、宇宙の一生の初期で完全に終わっているはずだと考えられている。したがって、ダークエネルギーとインフレーションの間にもし関係があるとしても、それがどのようなものなのかについては分かっていない。

示唆する未来[編集]










2018110(1400)[13][14]

[]



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[]


Supernova Cosmology Project

. News@KEK.   (2005721). 2015916

HubbleSite : 

. 

Dark Energy  - 

 (PDF, 544.922 KiB) 2007/9/26