チャパエフ級巡洋艦
チャパエフ級巡洋艦 | |
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![]() 「コムソモレッツ」 | |
基本情報 | |
前級 | マクシム・ゴーリキー級巡洋艦 |
次級 | スヴェルドロフ級巡洋艦 |
要目 | |
排水量 |
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全長 | 199メートル (653 ft) |
最大幅 | 18.7メートル (61 ft) |
吃水 | 6.5メートル (21 ft) |
機関方式 |
KV-68式重油専焼水管缶6基 +TV-7式ギヤード・タービン2基2軸推進 |
最大速力 | 32.6ノット (60.4 km/h) |
航続距離 | 5,500海里 (10,200 km) / 17kt |
乗員 | 1,183名 |
兵装 | |
装甲 |
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チャパエフ級巡洋艦(英語: Chapayev class cruiser)は、ソビエト連邦海軍の軽巡洋艦の艦級である。ソ連海軍における正式名は68号計画艦(ロシア語: Крейсера проекта 68)。
概要
[編集]艦形
[編集]武装
[編集]主砲
[編集]本級の主砲には、レニングラード機械製作工業開発の「Pattern 1938 年型 15.2cm(57口径)速射砲」が採用された。砲弾重量は55 kg、射程は最大仰角45度で23,720mである。発射速度は毎分6.5発である。主砲は三連装砲塔に収められ、ソ連巡洋艦初の砲身を個別に上下できる独立砲架式が採用された。砲塔の俯仰能力は仰角45度・俯角5度であった。旋回角度は船体首尾線方向を0度として左右150度だが、実際は上部構造物により射界に制限があった。
高角砲、その他の備砲
[編集]対空指揮装置には国産のエレクトロプリボル式ゴリゾンド射撃指揮装置を採用した。高角砲は新設計の「Pattern 1940年型 10cm(56口径)高角砲」を採用した。砲弾重量は15.6 kg、仰角45度での射程は22,241 m、最大仰角85度での射高は9,895 mである。発射速度は毎分16発だった。旋回と俯仰は電動と人力で行われ、俯仰は仰角85.5度、俯角5.5度であった。連装砲架は360度旋回角度を持つが、実際は上部構造物により射界に制限があった。これを片舷2基の計4基を搭載した。
高角砲を補助するために「1941年型 70-K 37mm(67口径)高角機関砲」を採用した。砲弾重量は0.732 kg、仰角45度での射程は8,400 m、最大仰角85度での射高は高度5,000 mである。これを連装砲架で14基装備した。旋回と俯仰は電動と人力で行われ、俯仰は仰角85.5度・俯角10度、360度旋回できたが、実際は上部構造物により射界に制限があった。発射速度は毎分160~180発だった。
更に53.3cm三連装水上魚雷発射管を2基装備した。また、水路閉鎖用に機雷を60~96個搭載した。
機関
[編集]機関はKV-68式重油専焼缶6基とTV-7式ギヤード・タービン2基2軸を組み合わせ、機関出力126,500hp、速力32.6ノットを発揮した。航続性能は17ノットで5,500海里航行できると計算された。配置は前級と同じくシフト配置で1番煙突の直下にボイラー3基を直列に配置した第1缶室と左舷タービン1軸、2番煙突の直下にボイラー3基を直列に配置した第2缶室と右舷タービン1軸の構成であった。
建造番号 | 艦名 | 建造 | 起工 | 進水 | 竣工 | 退役 |
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305 | チャパエフ Чапаев |
第189造船所(レニングラード) | 1939年10月 | 1941年4月 | 1950年5月 | 1960年10月 |
306 | コムソモレツ Комсомолец ※元の艦名はチカロフ Чкаловだった。 |
1939年8月 | 1947年10月 | 1950年11月 | 1981年 | |
309 | レーニン Ленин |
1941年8月 | 1941年7月建造中止 | |||
310 | ジェルジンスキー Дзержинский |
1941年11月 | 1941年7月建造中止 | |||
356 | フルンゼ Фрунзе |
第198造船所(ニコラエフ) | 1939年8月 | 1940年12月 | 1950年12月 | 1960年 |
364 | オルジョニキーゼ Орджоникидзе |
1940年12月 | 1941年〜1944年にドイツ軍が解体 | |||
545 | ジェレズニャコフ Железняков |
第194造船所(レニングラード) | 1939年10月 | 1941年6月 | 1950年4月 | 1976年 |
555 | アウローラ Авро́ра |
1941年9月 | 1941年7月建造中止 | |||
1088 | クイビシェフ Куйбышев |
第198造船所(ニコラエフ) →途中で第200造船所(同地)に移動 |
1939年8月 | 1941年1月 | 1950年4月 | 1965年12月 |
1090 | スヴェルドロフ Свердло́в |
第200造船所(ニコラエフ) | 1941年9月 | 1941年〜1944年にドイツ軍が解体 | ||
ラーゾ Лазо́ |
第199造船所 (コムソモリスク・ナ・アムーレ) |
1941年10月 | 1941年7月に建造中止 | |||
未命名 |
参考文献
[編集]関連項目
[編集]- マイノーター級軽巡洋艦 - イギリス海軍の同級艦。
- クリーブランド級軽巡洋艦 - アメリカ海軍の同級艦。
外部リンク
[編集]- Cruiser light 'Chapaev' 68 к (1939)「チャパエフ」のスペックについて記したページ。竣工当時の写真とイラストがある。(英語)