フォード・GT
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フォード・GT | |
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プラハで開催されたモーターショーでの2018年モデルと1968年モデル | |
概要 | |
販売期間 |
2005年 - 2006年 2017年 |
系譜 | |
先代 | フォード・GT40 |
フォード・GT (Ford GT) とは、アメリカのフォード・モーターが開発したスポーツカーである。
初代(2005年 - 2006年)[編集]
フォード・GT(初代) | |
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概要 | |
販売期間 | 2005年 - 2006年 |
ボディ | |
乗車定員 | 2人 |
ボディタイプ | 2ドア クーペ |
エンジン位置 | ミッドシップ |
駆動方式 | 後輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン | 6,209cc V8 DOHC スーパーチャージャー |
最高出力 | 558 PS/5,500 rpm |
最大トルク | 69.2 kgf·m/4,000 rpm |
変速機 | 6速MT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,710 mm |
全長 | 4,643 mm |
全幅 | 1,953 mm |
全高 | 1,125 mm |
車両重量 | 1,658 kg |
その他 | |
現地価格 | $139,995~ |
かつて1960年代にル・マン24時間レースなどで活躍したレーシングカーであるフォード・GT40のリメイクであり、フォード100周年を記念して限定1,500台がフォードと関係の深いサリーンの工場で2006年まで生産された。この﹁GT40﹂という名称には商標登録の問題があり、結局、フォードGTという名称で販売されることになった。GTの開発に当たり、チーフデザイナーにカミーロ・パルドが担当。GT40を彷彿とさせながら現代のスーパーカーとなっている︵なお﹁GT40﹂の車高はその通称の由来とされる通り40inだが、﹁GT﹂は44in強と、少々高い︶。駆動方式はミッドシップ︵MR︶で、V8エンジンを縦置きし、その後ろにデフとギヤボックスが配置されるという、レーシングカーとしてオーソドックスな作りをしている。オリジナルの﹁GT40﹂は右ハンドルであったが、このフォードGTは左ハンドルであり、イギリスでも左ハンドルのまま販売された[1]。
日本には正規輸入されなかったものの、個別に数台が輸入されており、ゲームのグランツーリスモシリーズで知られる山内一典が2台所有している[2]。
GTX1 試作車
2005年の北米SEMAショーにて、Genaddi Design Groupが公開した車両。
フォードGTをロードスターに改造したもので、ルーフはTバールーフとフルオープンの2通りの展開が可能。ただし、特徴的な﹁ルーフに大きく回りこんだドア﹂でなくなる仕様。
GTX1はオーダーメイドのみで発売され、米国では数台の個人所有のGTX1が存在している。GTX1の生産は、2008年8月で終了した。改造費用はUS$48,000。
GTB
GTX1を製作しているGenaddi Design GroupのGTB groupが製作した、フォードGTのガルウイング仕様車。GTX1と異なり、こちらはパーツのみの発注も可能であり、日本への発送も行っていた。なお、GTX1をGTBに改造することも可能だった。
FORD GT700
GT700
FORD GTのチューニングカー。
最高出力は700hp(約709.7PS)まで引き上げられており、スカート部分の﹁FORD GT﹂が﹁GT700﹂に書き換えられている。現地価格で20万ドル。また﹁GT1000﹂というツインターボチューンの車両も存在する。
フォードGTのバリエーション[編集]
GTX1レーシングカー[編集]
DHG ADVAN FORD GT︵日本︶ ●車両寸法 4,620mm×1,970mm×1,067mm ●エンジン DHG D35806V300 3,500cc 300PS ●車重 1,150kg DHG Racingが、2006年より日本のモータースポーツSUPER GTで出場している車両。一見 市販車両とそれほどの相違点がないように見えるが、中身はまったくの別物となっている。市販のフォードGTをベースに、アルミシャーシを中空パイプシャーシに置き換え、エンジンにはDHG Racingオリジナルの﹁DHG D35806V300﹂という3.5L V8 300PS レース用エンジンを搭載。また外装も、エンジンフードを小型化しているなどの変化が見られる。特徴的な乗降のし易さを目的とした﹃ルーフまで回り込んだドア﹄は剛性強化のためか改修され、ルーフ部分を切り取ったために一般的なドア形状になっている。タイヤはヨコハマタイヤ。 2006年の初参戦当初はあまり好成績を残せず、シーズン終盤に成績下位への救済措置として性能優遇調整︵リストリクター2ランクアップおよび車体重量50kg軽減︶を受けたことで、第7戦では予選最下位︵車両規定違反によりタイム抹消︶から5位を獲得。続いて第8戦オートポリスでは3位表彰台を獲得した。 2007年の第1戦では、番場琢のドライビングミスによりスピン。タイヤバリアに激突してリアを中心に大破したものの、これを機に車両を大きく改善。特に空力面での見直しを図り、マシンの安定性を向上した。また、カラーリングベースをシルバーからパールホワイトに変更している。2007年のカーナンバーは55。ドライバーは池田大祐と番場琢、監督は神長大、テクニカルディレクターに牧野成伸を起用。2008年度からは、所属チームであるDHG Racingの活動休止により参加していない。ギャラリー[編集]
低くマウントされたエンジン。
青い部分がヘッドカバーで、上部には組み立てた職人(二人)のサインが入っている。
青い部分がヘッドカバーで、上部には組み立てた職人(二人)のサインが入っている。
法規によりバンパーを車台に固定する必要があり、リアエンドとカウルは分かれている。
2代目(2017年 - )[編集]
フォード・GT(2代目) | |
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概要 | |
販売期間 | 2017年 - |
ボディ | |
乗車定員 | 2人 |
ボディタイプ | 2ドア クーペ |
エンジン位置 | ミッドシップ |
駆動方式 | 後輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン | 3,497cc V6 DOHC ツインターボ |
最高出力 | 656 PS/6,500 rpm |
最大トルク | 76.0 kgf·m/6,000 rpm |
変速機 | 7速DCT |
車両寸法 | |
全長 | 4,763 mm |
全幅 | 2,004 mm |
全高 | 1,110 mm |
車両重量 | 1,385 kg |
2015年の北米国際オートショーにおいて発表された。設計はフォードの高性能車開発部門﹁フォード・パフォーマンス・ビークルズ﹂とマルチマティック社が行った。生産もマルチマティックに委託される。デザインはGT40、先代GTの流れを汲むが、LM-GTE規定で改造することを前提に、より空力的に洗練されている[4]。
ミッドシップに搭載される3.5 L V型6気筒ツインターボ エコブーストエンジンは600 PS以上を発生。トランスミッションはゲトラグ製7速DCTで、トランスアクスルレイアウトを採用する。ドアはバタフライドアとなっている[5]。リアには格納式の可変ウイングを装備。サスペンションはトーションバーを併用したプッシュロッド式のアクティブサスで、車高を瞬時に変えることができる。
2017年より販売を開始した。当初は1,000台の限定販売とされていたが、2019年には1,350台への増産が発表された。
フォードが日本市場から撤退したため正規輸入は行われていないが、特別に﹁日本向け﹂としてデリバリーされた1台が存在している[6]。
2016年のル・マン24時間レースに参戦したフォード・GT
LM-GTE仕様車はチップ・ガナッシレーシングとマルチマティックのオペレーションで、2016年からWEC︵世界耐久選手権︶のGTE-Proクラスに参戦。同年のル・マン24時間レースでは参戦初年度ながらクラス優勝を果たす快挙を達成した。なお、この優勝はル・マンで初めてフェラーリを破ってから50周年となる勝利であり、今回もフェラーリを直接対決で破っての優勝であった。
また、同規定を用いたUSCC︵ユナイテッド・スポーツカー選手権︶のGTLMクラスにも参戦し、こちらもデビュー戦のデイトナ24時間レースで優勝を飾っている。
2019年末をもってフォードは耐久プログラムを終了した。プライベーターへの供給も行われず、フォード・GTは再びサーキットから姿を消した。
2022年12月、フォードはサーキット専用車としてGT Mk IVを発表した。価格は2億3000万円、67台限定で生産する。[7]
レーシングカー[編集]
脚注[編集]
- ^ 英国フォードのフォードGT公式サイト - リンク切れ
- ^ 1台目に納車されたホワイトのフォードGTは、山内が名付け親であるチューニングショップ「OPERA PERFORMANCE」でカスタムされている。
- ^ GT40は右ハンドルだがレバーも右(ドア側)にある
- ^ “GTEベース車!? フォード、新型『GT』を公開”. AUTOSPORT WEB. (2015年1月13日)
- ^ “フォードGT”. webCG. (2015年1月13日)
- ^ “『CAR GRAPHIC』2020年6月号発売 「フォードGT」日本上陸”. webCG. (2020年4月30日)
- ^ https://motor-fan.jp/mf/article/102279/