マツダ・ラピュタ
マツダ・ラピュタ HP11/21S型 | |
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前期型G | |
後期型XG | |
概要 | |
販売期間 | 1999年3月 - 2006年4月[1] |
ボディ | |
乗車定員 | 4人 |
ボディタイプ | 3/5ドア ハッチバック[2] |
駆動方式 | FF/4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
F6A型 直3 SOHC 658cc K6A型 直3 DOHC 658cc |
変速機 | 3AT/4AT/5MT[2] |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,360mm(Keiと同一)[2] |
全長 | 3395mm[2] |
全幅 | 1475mm[2] |
全高 | 1545 - 1595mm[2] |
車両重量 | 760 - 830kg |
その他 | |
製造事業者 | スズキ |
姉妹車/OEM | スズキ・Kei |
系譜 | |
後継 |
マツダ・フレアクロスオーバー ※事実上。販売開始まで約8年1ヶ月の空白期間あり |
ラピュタ︵Laputa︶は、マツダが販売していたクロスオーバーSUVタイプの軽自動車。スズキ・KeiのOEM供給を受けて販売していた。
概要[編集]
スズキ・Keiのマツダ仕様であり、外観デザインやインテリアは基本的にKeiと共通で、ボンネットフードとハッチゲートにマツダや車名エンブレムが装着されたのがわずかな相違点である[2]。 セダンとSUVの間の新しいジャンルの軽自動車として登場した。セダンより高めの全高と大径タイヤが特徴。最低地上高も高くとり悪路走破性を高めている。 ほとんどの立体駐車場を苦にしないセミトールスタイルに、視界の良いヒップポイント高を採用したパッケージをもっている。 搭載するエンジンは直3DOHC-VVTと同ターボ︵いずれもK6A型エンジン︶、それに直3SOHCターボ︵F6A型エンジン︶の3種類。VVTエンジンは平成12年度﹁優-低排出ガス﹂、ターボエンジンは﹁良-低排出ガス﹂認定を取得している。 ターボグレード︵S-turbo,X-turbo︶のベース車でもある、E-limitedは、﹁平成17年基準排出ガス50%低減レベル﹂・﹁平成22年度燃費基準+5%﹂に認定され、グリーン税制対象車に指定されていた。初代 HP11/21S型︵1999年-2006年︶[編集]
●1999年︵平成11年︶3月24日‥公式発表・販売開始[3]。 当初は5ドア専用のスタンダードグレード﹁G﹂、装備充実グレードの﹁X﹂、DOHCターボエンジンを搭載したスポーティグレード﹁S﹂の3グレード展開で、トランスミッションは﹁X﹂の3ドア車のみ3ATで、その他のグレード・仕様は4AT、﹁X﹂は5MTも設定されていた。また、販売開始当初はターボエンジン車のみのラインナップで、外観はKeiからエンブレム類を変更した程度だった。 ●1999年︵平成11年︶10月15日‥マイナーチェンジ[4]。 シート地や内装デザインを変更したほか、﹁X﹂に設定の5MT車にはクラッチスタートシステムを新たに装備。﹁S﹂の2WD車はDレンジで停車の際、自動的にニュートラルの状態に近づけて無駄な燃料消費を抑えるNS︵ニュートラルスリップ︶制御を新たに採用。全車にはチャイルドシート固定機構付きリアシートベルトを装備した。また、グレード体系を整理し、3ドアは﹁X﹂のみに集約して4ATのみの設定となった。 ●2000年︵平成12年︶2月1日‥特別仕様車﹁Xポッパー﹂を発売︵本仕様車は先にKeiで発売された﹁Xリミテッド﹂に相当する︶[5]。 アルミホイールを専用デザインに変更し、LEDハイマウントストップランプ内蔵ルーフエンドスポイラー、マフラーカッター、AM/FMラジオ付CDプレーヤー&カセットステレオを装備したほか、シートとドアトリムは起毛タイプに、メーターパネルはスポーティデザインに、ドアハンドル︵インサイド・サイドとも︶、ATセレクターノブ、パーキングブレーキボタンにメッキを採用した。 ●2000年︵平成12年︶6月30日‥特別仕様車﹁Fun2︵ファンファン︶エディション﹂発売[6]。 ﹁G﹂の5ドア車をベースに、ドアミラーとドアハンドルをボディカラー同色に変更し、シートとドアトリムに紺色の専用生地を採用。さらに、4WD車にはヒーテッドドアミラーも装備した。 ●2000年︵平成12年︶10月27日‥マイナーチェンジ[7]。 マツダ車の特徴である逆五角形のフロントグリル﹁ファイブポイントグリル﹂と大型マルチリフレクターヘッドランプの採用によりフロントデザインを刷新。また、ラインナップを5ドアのみとしてグレード体系も刷新され、ブルーの大径スピードメーター採用した﹁XE︵Kei﹁E﹂相当︶﹂と助手席側シートアンダートレイ、CDプレーヤー、ボディ同色の電動格納式リモコンドアミラーを追加した﹁XG︵同﹁G﹂相当︶﹂、専用ローダウンサスペンションの採用やマルチリフレクターハロゲンフォグランプ、アンダースポイラー︵フロント・リア・サイド︶、ハイマウントストップランプ内蔵ルーフエンドスポイラー、15インチアルミホイール、シルバーメーター︵タコメーター付スピードメーター︶を採用した﹁SF︵同﹁スポーツF﹂相当︶﹂とダークティンテッドガラス︵リアドア、リアクォーター、バックドア︶や本革巻きステアリングホイールを追加したDOHCターボ仕様の﹁S︵同﹁スポーツ﹂相当︶﹂の4グレードとなり、﹁XE﹂の2WD車はラピュタでは初となるDOHC NAエンジンを採用した。 ●2001年︵平成13年︶4月24日‥一部改良[8]。 4WD・4AT車を廃止してNA・2WD車専用グレードとなった﹁XE﹂は﹁優-低排出ガス車︵★★︶﹂、ターボ車全グレードは﹁良-低排出ガス︵★︶﹂認定をそれぞれ取得したほか、時速64km/hオフセット衝突に対応した軽量衝撃吸収ボディを採用。インパネデザインやメーターを変更して﹁XE﹂・﹁XG﹂はシルバーメーターとなり、シートバックの大きさやシート地を変更。また、﹁XE﹂を除く全車に運転席シートリフターとダークティンテッドガラスを、4WD車に運転席シートヒーターを、﹁XG﹂に2DINサイズのCDプレイヤー&AM/FMラジオ付きカセットオーディオをそれぞれ標準装備した。グレード体系も一部変更し、﹁SF﹂を廃止する替わりに、ターボ車の廉価仕様﹁XEエクストラ︵Kei﹁21世紀記念スペシャルEX﹂相当︶﹂を追加した。 ●2001年︵平成13年︶11月21日‥一部改良[9]。 キーレスエントリーのアンサーバック方式をハザードランプ点滅式に変更し、ボディカラーに新色を追加。また、﹁XEエクストラ﹂はSOHCターボエンジンからDOHC Mターボエンジンに置換した︵Keiでの﹁N-1﹂に相当する仕様になった︶ほか、オーディオは﹁XE﹂がAM/FMチューナー付カセットデッキ、﹁XEエクストラ﹂がAM/FMチューナー付CDプレーヤー、﹁S﹂がAM/FMチューナー付MD/CDカセットステレオとなり、さらに、﹁S﹂にはバケットシートとブルーリフレクターヘッドランプも装備した。なお、この一部改良により﹁XG﹂を廃止した。 ●2002年︵平成14年︶4月17日‥﹁XE﹂の4AT車を一部改良し、﹁超-低排出ガス︵★★★︶﹂認定を取得した[10]。 ●2002年︵平成14年︶7月5日‥特別仕様車﹁XEリミテッド﹂を発売︵本仕様車は先にKeiで発売されていた﹁Eリミテッド﹂に相当する︶[11]。 ﹁XE﹂をベースに、電動格納式リモコンドアミラー、ダークティンテッドガラス︵リアドア・クォーター・バックドア︶、タコメーターを追加しながらベース車よりも税抜4万円値下げした。また、上級グレードの﹁XEエクストラ﹂に採用されているDOHC Mターボエンジンを搭載した4WD車も設定される。 ●2002年︵平成14年︶11月19日‥一部改良[12]。 ﹁S﹂は4輪ディスクブレーキ︵前輪はベンチレーテッドディスクブレーキ︶、リミテッドスリップデフ︵2WD・5MT車のみ︶、レカロ社との共同開発による専用バケットシート、大型ルーフエンドスポイラーを追加し、15インチアルミホイールを新デザインに変更して﹁S-Turbo︵Keiワークス相当︶﹂に、﹁XEエクストラ﹂はメーターをブラック調に変更し、4WD車にはデアイサーを追加して﹁X-Turbo﹂にそれぞれ改名するとともに、同年7月に発売された﹁XEリミテッド﹂もメーターとフルホイールキャップのデザインを変更し、4AT車は燃費を向上、5MT車は﹁超-低排出ガス︵★★★︶﹂認定を取得して﹁E Limited﹂に改名、NA・2WD専用グレードとしてカタロググレード化した。なお、﹁XE﹂は﹁E Limited﹂への統合の為廃止した。 ●2003年︵平成15年︶9月25日‥一部改良[13]。 シート表皮色︵グレーに変更、﹁S-Turbo﹂を除く︶、オーディオデザイン、フロントヘッドレストやドアトリムの形状の変更を行ったことで、﹁E Limited﹂はAM/FMラジオ付CDプレーヤーとなり、室内幅が40mm拡大した。また、ボディカラーの追加と一部入れ替えを行った。なお、﹁X-Turbo﹂は5MT車を廃止し、4AT車のみとなった。 ●2004年︵平成16年︶4月‥﹁E Limited﹂を仕様変更し、﹁平成17年基準排出ガス50%低減レベル︵☆☆☆︶﹂認定を取得した。 ●2006年 (平成18年) 1月[14] : オーダーストップに伴い生産終了。在庫対応分のみの販売となる。生産台数は不明(メーカーにデータなし)[2] ●2006年︵平成18年︶4月‥カタログ落ちの為、販売終了。 ●︵補足︶2009年︵平成21年︶10月:OEM供給元のKeiも販売終了。後期型 ターボX(フロント)
後期型 ターボX(リア)
グレード構成[編集]
- 出典:デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第55号24ページ。ホイールベースはKeiと同一[2]のため省略。
1999年3月発売
ボディタイプ | 仕様 | 車両型式 | ミッション | 全長×全幅×全高 | 車両重量 | エンジン名 | 排気量 | 最高出力 | 最大トルク | 価格 |
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5ドアハッチバック | S(4WD) | HP21S | 4AT | 3395x1475x1595mm | 800kg | K6A | 658cc | 64ps/6500rpm | 10.8kg-m/3500rpm | 135万5000円 |
3ドアハッチバック | X(2WD) | HP11S | 3AT | 3395x1475x1545mm | 720kg | F6A | 657cc | 60ps/6000rpm | 8.5kg-m/4000rpm | 107万8000円 |
2000年10月発売
ボディタイプ | 仕様 | 車両型式 | ミッション | 全長×全幅×全高 | 車両重量 | エンジン名 | 排気量 | 最高出力 | 最大トルク | 価格 |
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5ドアハッチバック | XG | HP11S | 5MT | 3395x1475x1545mm | 760kg | F6A | 657cc | 60ps/6000rpm | 8.5kg-m/4000rpm | 99万3000円 |
車名の由来[編集]
パーツを共用する車種[編集]
- スズキ・KeiOEM車
- スズキ・スイフト(初代)
- シボレー・クルーズ(初代)
- スバル・G3Xジャスティ(3代目)
注釈[編集]
(一)^ “ラピュタ”. トヨタ自動車株式会社 (2020年1月27日). 2020年1月27日閲覧。
(二)^ abcdefghiデアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第55号24ページより。
(三)^ 新型﹁ラピュタ﹂を発売 - マツダ株式会社 ニュースリリース 1999年3月24日︵2015年6月5日閲覧︶
(四)^ 軽乗用車4車種をマイナーチェンジ - マツダ株式会社 ニュースリリース 1999年10月15日︵2015年6月5日閲覧︶
(五)^ 軽乗用車﹁AZ-ワゴン﹂﹁ラピュタ﹂、特別限定車﹁ポッパー︵POPPER︶﹂を発売 - マツダ株式会社 ニュースリリース 2000年2月1日︵2015年6月5日閲覧︶
(六)^ 軽乗用車3車種の特別仕様車﹁Fun2︵ファンファン︶エディション﹂を発売 - マツダ株式会社 ニュースリリース 2000年6月30日︵2015年6月5日閲覧︶
(七)^ 軽乗用車﹁ラピュタ﹂をマイナーチェンジ - マツダ株式会社 ニュースリリース 2000年10月27日︵2015年6月5日閲覧︶
(八)^ ﹁ラピュタ﹂の環境・安全性能を強化、内装をリフレッシュ - マツダ株式会社 ニュースリリース 2001年4月24日︵2015年6月5日閲覧︶
(九)^ 軽乗用車3車種の装備を充実 - マツダ株式会社 ニュースリリース 2001年11月21日︵2015年6月5日閲覧︶
(十)^ キャロルを商品改良し、﹁超-低排出ガス﹂車を設定 −同時にスピアーノ、AZ-ワゴン、ラピュタの一部機種も﹁超-低排出ガス﹂認定を取得− - マツダ株式会社 ニュースリリース 2002年4月17日︵2015年6月5日閲覧︶
(11)^ 軽自動車﹁ラピュタ﹂に特別仕様車﹁XEリミテッド﹂を新設定 - マツダ株式会社 ニュースリリース 2002年7月5日︵2015年6月5日閲覧︶
(12)^ ﹁マツダ ラピュタ﹂を一部改良し発売 - マツダ株式会社 ニュースリリース 2002年11月19日︵2015年6月5日閲覧︶
(13)^ ﹁マツダラピュタ﹂を一部商品改良 - マツダ株式会社 ニュースリリース 2003年9月25日︵2015年6月5日閲覧︶
(14)^ “ラピュタ(マツダ)のカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月27日). 2020年1月27日閲覧。
(15)^ “海外で言うと恥ずかしい!? 日本車のおかしな車名3選”. WEB CARTOP 2018年9月25日. 2021年7月27日閲覧。
関連項目[編集]
- スズキ・Kei - OEM供給元
- マツダ・スピアーノ(←スズキ・アルトラパン)
- マツダ・AZ-ワゴン→マツダ・フレア(←スズキ・ワゴンR)
- マツダ・フレアクロスオーバー(←スズキ・ハスラー)- 後継車種