ラスト・タイム
表示
「ラスト・タイム」 | ||||
---|---|---|---|---|
ローリング・ストーンズ の シングル | ||||
初出アルバム『アウト・オブ・アワ・ヘッズ』 | ||||
B面 | プレイ・ウィズ・ファイア | |||
リリース | ||||
規格 | 7インチ・シングル | |||
録音 | 1965年1月11日 | - 12日、1月17日 - 18日|||
ジャンル | ロック | |||
時間 | ||||
レーベル |
ロンドン (US) デッカ (UK) | |||
作詞・作曲 | ジャガー/リチャーズ | |||
プロデュース | アンドリュー・ルーグ・オールダム | |||
チャート最高順位 | ||||
| ||||
ローリング・ストーンズ シングル 年表 | ||||
| ||||
「ラスト・タイム」(The Last Time) は、1965年に発表されたローリング・ストーンズの楽曲。作詞・作曲はミック・ジャガーおよびキース・リチャーズ。
解説
[編集]
イギリス、アメリカ共に6枚目となるシングル。共にB面は﹁プレイ・ウィズ・ファイア﹂で、英米でAB面曲が同一となるのはこれで2枚目である。イギリスでは同じデッカ・レコードのトム・ジョーンズの﹁よくあることさ﹂を蹴落としてグループ3度目のチャート1位を獲得、1965年3月18日付、25日付、4月1日付と3週間その地位を守った[1]。アメリカでは最高9位を記録。バンドにとって通算2度目、そして初のオリジナル曲による全米トップ10入りを果たした[2]。
録音は1965年1月10日から11日にかけて、ロンドンのキングスウェイ・スタジオにて行われ、その後ハリウッドのRCAスタジオでボーカルの録り直しが行われている[3]。ブライアン・ジョーンズがリードギターを、キース・リチャーズがバッキングのアコースティックギターと間奏のギターソロを担当。また、イアン・スチュワートがピアノで、ジャック・ニッチェがタンブリンで参加している[4]。曲はステイプル・シンガーズの﹁This May Be the Last Time﹂をヒントにしたといわれる[5]。
本曲に対する批評筋の評価は﹁よく出来ているが少し長い﹂というものから﹁これまでで最高の作品﹂という賛辞までまちまちだった。それまでのストーンズの曲の中でもとりわけキャッチーな曲であり、当時の日本のファンクラブでは﹁コマーシャルすぎるのではないか﹂と物議にまでなったという[5]。B面曲の﹁プレイ・ウィズ・ファイア﹂も本曲に劣らない注目を集め[6]、アメリカのBillboard Hot 100で96位にランクインしている[2]。
アメリカでは同年にリリースされた﹃アウト・オブ・アワ・ヘッズ﹄に収録された。イギリスでは1966年のベストアルバム﹃ビッグ・ヒッツ (ハイ・タイド・アンド・グリーン・グラス)﹄でアルバム初収録となった。
コンサートパフォーマンス
[編集]1965年から1967年にかけてのコンサートで披露されたが、以降は1997年まで30年もの間、セットリストから外された。その後、2012年から2013年にかけてのツアーで披露されている[4]。
公式のライブアルバムでは1966年の『ガット・ライヴ・イフ・ユー・ウォント・イット!』、1998年の『ノー・セキュリティ』に収録されている。
カバー
[編集]下記の二者の他、多数のアーティストによってカバーされている。
アンドリュー・オールダム・オーケストラのカバー
[編集]
ストーンズの初代マネージャーであり、この曲のプロデューサーでもあるアンドリュー・ルーグ・オールダムが、1960年代中盤に企画したプロジェクト﹁アンドリュー・オールダム・オーケストラ﹂として、1966年にアルバム﹃The Rolling Stones Songbook﹄の中でカバーした。テンポをかなり落とし、全体的にシンフォニックなアレンジが施されており、原曲とはかなりかけ離れた仕上がりとなっている。
1997年、イギリスのロックバンド、ザ・ヴァーヴが自作曲﹁Bitter Sweet Symphony﹂で、このアンドリュー・オールダム・オーケストラのバージョンをサンプラーとして使用。ヴァーヴは曲の使用許可を得ていたが、デッカ時代のストーンズの楽曲の著作権所有者であるアラン・クレインが﹁協定の範囲を超えて使用している﹂として訴訟を起こし、結局ヴァーブはこの曲の著作権料を放棄させられ、作者クレジットも変更させられた。
ザ・フーのカバー
[編集]
ザ・フーは1967年6月にジャガーとリチャーズが大麻所持の容疑で起訴された事件を受けて、厳しすぎる処罰に対する抗議と彼等の救援を目的に、本曲と﹁アンダー・マイ・サム﹂を6月28日に急遽録音して本曲をA面に収録したシングルを6月30日にイギリスでリリースした[7][注釈 1][注釈 2]。録音時にはベーシストのジョン・エントウィッスルが新婚旅行中で不在だったため、ギタリストのピート・タウンゼントがベースを演奏した。全英44位[8]。
ジャガーとリチャーズは、シングルがリリースされた6月30日には既に釈放されていた[9]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]
(一)^ ROLLING STONES | full Official Chart History | Official Charts Company:
(二)^ abThe Rolling Stones - Chart history | Billboard:
(三)^ ﹃ローリングストーンズ/グッド・タイムズ・バッド・タイムズ﹄ ︵テリー・ロウリングス/アンドリュー・ネイル/キース・バッドマン著、 筌尾正訳、シンコーミュージック刊、2000年︶ISBN 978-4401616541 p77、P79
(四)^ ab“The Last Time:” (英語). 2016年8月21日閲覧。
(五)^ ab2002年リマスターCD﹃アウト・オブ・アワ・ヘッズ﹄日本版の越谷政義による解説より。
(六)^ ﹃ストーン・アローン/下﹄︵ビル・ワイマン/レイ・コールマン著、野間けい子訳、ソニー・マガジンズ刊、1992年、ISBN 4-7897-0781-4 ︶p22
(七)^ “thewho.com”. 2023年11月10日閲覧。
(八)^ ﹃エニウェイ・エニハウ・エニウェア﹄︵アンディ・ニール/マット・ケント著、佐藤幸恵/白井裕美子訳、シンコー・ミュージック刊、2008年、ISBN 978-4-401-63255-8︶p325
(九)^ ﹃エニウェイ・エニハウ・エニウェア﹄︵アンディ・ニール/マット・ケント著、佐藤幸恵/白井裕美子訳、シンコー・ミュージック刊、2008年、ISBN 978-4-401-63255-8︶p149
参考文献
[編集]- アンディ・ニール; マット・ケント (2008). エニウェイ・エニハウ・エニウェア. 佐藤幸恵、白井裕美子(訳). シンコーミュージック. ISBN 978-4-401-63255-8
先代 トム・ジョーンズ 「よくあることさ」 |
全英シングルチャート 第1位 1965年3月18日 - 4月1日 (3週) |
次代 Unit 4 + 2 「Concrete and Clay」 |