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時代物

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演目 下敷きとなった出来事 歴史的時代区分 系統 物語の世界
妹背山婦女庭訓 乙巳の変大化の改新)と蘇我入鹿の滅亡 飛鳥時代 王朝物 王朝の世界
鶊山姫捨松』   中将姫と奈良當麻寺蓮糸曼荼羅の伝説 奈良時代 王朝物 王朝の世界
蘆屋道満大内鑑 葛の葉ぎつねの恩返しと子別れの伝説 平安時代前期 王朝物 王朝の世界
菅原伝授手習鑑 昌泰の変菅原道真の左遷)と天神信仰 平安時代中期 王朝物 王朝の世界
平家女護島 俊寛僧都鬼界ヶ島の孤独の伝承 平安時代後期 王朝物 平家物語』の世界
義経千本桜 義経弁慶主従の流浪譚と静御前の悲哀 平安時代末期 判官物(義経記物) 義経記』の世界
寿曾我対面』   曾我兄弟が父の仇・工藤祐経を討った事件 鎌倉時代初期 曾我物 曾我兄弟仇討の世界
大塔宮曦鎧』   元弘の乱と鎌倉幕府の滅亡 鎌倉時代末期 太平記物 太平記』の世界
神霊矢口渡』   新田義興矢口の渡しで謀殺された事件 南北朝時代 太平記物 『太平記』の世界
小栗判官照手姫 小栗判官と照手姫が愛を貫いて結ばれる伝説 室町時代 小栗判官物 小栗判官の世界
本朝廿四孝 甲斐の武田越後の上杉信州川中島合戦 戦国時代 甲陽軍記物 甲陽軍鑑』の世界
絵本太功記 明智光秀の「三日天下」 安土桃山時代 太閤記物 太閤記』の世界

豊臣家がらみの出来事[編集]


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使  
演目 下敷きとなった出来事 歴史的時代区分 系統 物語の世界 仮託した時代
近江源氏先陣館 大坂冬の陣 江戸時代初頭 大坂軍記物     大坂軍記』の世界 鎌倉時代    
鎌倉三代記 大坂夏の陣 江戸時代初頭 大坂軍記物 『大坂軍記』の世界 鎌倉時代

諸藩で起きたお家騒動[編集]


殿殿




演目 下敷きとなった出来事 歴史的時代区分 系統 物語の世界 仮託した時代
『黒白論織分博多』 寛永9年に福岡藩で起きた黒田騒動 江戸時代前期 御家物 『太平記』の世界  『太平記』の時代
伽羅先代萩 寛文11年に仙台藩で起きた伊達騒動 江戸時代前期 御家物 先代萩』の世界 『太平記』の時代
仮名手本忠臣蔵 浅野長矩の殿中刃傷と赤穂浪士の吉良邸討入 江戸時代中期 御家物 忠臣蔵』の世界 『太平記』の時代
加々見山旧錦絵 延享5年前後に加賀藩で起きた加賀騒動 江戸時代中期 御家物 鏡山物』の世界 『太平記』の時代
小笠原諸礼忠孝 享和3年に小倉藩で起きた小笠原騒動 江戸時代後期 御家物 『太平記』の世界 『太平記』の時代

異国で起きた事件[編集]

時代や世界の設定とはかかわりなく、登場人物の風俗や設定がいかにも古色蒼然としていたり、異国情緒にあふれていたりして、江戸時代的ではない演目も、それを時代物として扱った。

演目 下敷きとなった出来事 歴史的時代区分 系統 物語の世界
国性爺合戦』   鄭成功の明朝復辟活動と台湾鄭氏政権 樹立  江戸時代前期 異国物 国性爺』の世界 

またここから転じて、大仰で様式的な演技やせりふ廻し、またそうした演出がとして求められる部分を単に時代(じだい)ということもある。

脚注[編集]

  1. ^ 中央公論社『世界文芸大辞典』3巻、河竹繁俊「時代物 じだいもの」の項目

関連項目[編集]

参考文献・外部リンク[編集]