五穀
五穀︵ごこく︶とは、五種の主要な穀物を指す。
稻
黍
稷
麦
菽
古代中国においては五行説にもとづき5で事物を総括する習慣があり、五穀といっても形式的なもので、その解釈は古来から一定しなかった。
●麻・黍・稷・麦・豆 - ﹃周礼﹄天官・疾医の鄭玄注にある。また﹃大戴礼﹄曾子天円の廬辯の注では﹁豆﹂が﹁菽﹂とされている。菽は大豆とも豆類の総称とも言われる。なお稷には諸説あり、アワ、キビ︵うるち︶、コーリャンなどとされる。
●稲・黍・稷・麦・菽 - ﹃孟子﹄滕文公上の趙岐注にある。
●稲・稷・麦・豆・麻 - ﹃楚辞﹄大招の王逸注。
●粳米・小豆・麦・大豆・黄黍 - ﹃黄帝内経素問﹄蔵気法時論の王氷注。
また、それに1つ加えて六穀︵稲・黍・稷・粱・麦・菽︶とする考えも存在した︵﹃周礼﹄春官・小宗伯の鄭玄注では菽の替わりに苽をあてる︶。