交響曲第70番 (ハイドン)
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Haydn: Symphony No.70 in D major, Hob.I:70 - Vashegyi György指揮Orfeo Orchestraによる演奏。Purcell Choir and Orfeo Orchestra公式YouTube。 |
交響曲第70番 ニ長調 Hob. I:70 は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが作曲した交響曲。
ハイドン研究家として著名なH.C.ロビンス・ランドンが、﹁ハイドンの最も興味深い交響曲のひとつ﹂として挙げたことで知られる。
概要[編集]
1779年12月に、火災ののち再建されることになったエステルハージ宮殿の劇場の定礎を記念して作曲された。対位法の大規模な使用が大きな特徴で、ランドンは﹁先人たちや同時代人たちの中にあって、ヘラクレスのように突出した作品﹂と形容している[1]。楽器編成[編集]
本作以降のハイドンの交響曲では常にフルートが使用されるが、これは1778年4月からフルート奏者がエステルハージ侯爵家の楽団に加わったことを反映している。トランペットとティンパニは後から加えられた。木管 | 金管 | 打 | 弦 | ||||
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フルート | 1 | ホルン | 2 | ティンパニ | ● | 第1ヴァイオリン | ● |
オーボエ | 2 | トランペット | 2 | 他 | 第2ヴァイオリン | ● | |
クラリネット | 0 | 他 | ヴィオラ | ● | |||
ファゴット | 2 | チェロ | ● | ||||
他 | コントラバス | ● |
構成[編集]
全4楽章、演奏時間は約20分。 ●第1楽章 ヴィヴァーチェ・コン・ブリオ ニ長調、4分の3拍子、ソナタ形式。 祝祭的な雰囲気を持ち、ランドンは当初劇場用の序曲として書かれたものと推測している[1]。 ●第2楽章 二重対位法によるカノンの一種‥アンダンテ ニ短調、4分の2拍子。二重変奏曲形式。 ﹁二重対位法によるカノンの一種﹂︵Specie d'un canone in contrapunto doppio︶と題がつけられており、ニ短調の主題︵A︶とニ長調の主題︵B︶の2つが﹁A-B-A1-B1-A2﹂のように交互に変奏される。2声で書かれた冒頭は、後に上下の声部が交換される。 ●第3楽章 メヌエット‥アレグレット - トリオ - コーダ ニ長調、4分の3拍子。三部形式。 ハイドンの交響曲のメヌエットには珍しく、コーダを持っている[2]。 ●第4楽章 フィナーレ‥アレグロ・コン・ブリオ ニ短調 - ニ長調、2分の2拍子︵アラ・ブレーヴェ︶、3つの主題を持つフーガ。 冒頭で同音連打が主題を予示し、その後﹁3つの主題を持ち、二重対位法による﹂︵à 3 soggetti in contrapunto doppio︶と記された技巧的なフーガが始まる。﹁真の力を持つ﹂フーガとランドンが評した[3]。最後の部分でニ長調に転調する。注釈[編集]
- ^ a b Landon 1955, p. 371.
- ^ Hodgson, Anthony(1976). The Music of Joseph Haydn: The Symphonies. London. The Tantivy Press. p.100
- ^ Landon, H. C. Robbins (1966).Haydn Symphonies. Seattle. University of Washington Press. p.33
参考文献[編集]
- Ennis, Martin (2015). Joseph Haydn, Symphonies Nos. 31, 70 & 101 (PDF) (CD). Linn Records. LC11615. 2017年4月19日閲覧。
- Landon, H. C. Robbins (1955). The Symphonies of Joseph Haydn. Universal Edition & Rockliff