在留カード及び特別永住者証明書における正字
この項では日本における在留カード(ざいりゅうカード)及び特別永住者証明書(とくべつえいじゅうしゃしょうめいしょ)における正字(せいじ)について記載する。入管正字としても知られている。
概要[編集]
漢字圏である、大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国、中華人民共和国および台湾において、氏名は漢字で記載されることが多いが、日本での在留カードや特別永住者証明書氏名には表記について、帰化などをしたときも含め常用漢字および人名用漢字しか使用できないという問題があった。このため、在日外国人などは正しい氏名表記ができない状況が存在していた。それらに対して2012年「在留カード等に係る漢字氏名の表記等に関する告示」が行われ、今まで使用できなかった多くの漢字が使用可能になった。これにより、日本に在留する漢字圏の外国人が国籍のある国での漢字と同じ表記ができるようになり、利便性が増した。
使用可能な文字[編集]
JIS X 0213の漢字
JIS X 0213:2004︵通称JIS2004︶で定められた第1水準から第4水準までのすべての漢字。
JIS X 0212の漢字
JIS X 0212︵通称補助漢字︶で定められた、JIS X 0213で定められていない漢字。
旧外国人登録証明書所持者に係る氏名の漢字のうち、法務省の定める漢字置換ルールで﹁正字﹂として扱うこととする漢字
下記の176文字[1]。
悅敎昻淸閒靑髙𭆁㐇㐈㐉㐊㐋㐍㐍㐎㐐㐑㐒㐓㐔㐕㐗㐘㐙㐚㐛㐝㐞㐟㐠㐢㐣㐥㐦㔔㔖㕾㖋㖌㖍㖎㖙㖚㖛㖜㖝㖯㖰㖲㖳㗟㗠㗡㗯㘏㘒㠰㪲㪳㫇㫈䎞䜳䪪乤乧乫乬乭乮乯乲乶乷乺乻乼乽亐俓僿內兺卄卨吳哛唜唟喸嗭姬娛媤嬅尙峀嶪巪巼帿廤强慤慽戱戶敭敾旕旣旽昐暳枾栒桭椧橓櫶欌歲毁浿淃渽湺瀜灐炚炡熉玧珤琠琡琸瑥璂瓆甛畓畵癎磵礖稅稶竗筽篒綎耉耭脫莻蒊說諪迲銳鏶鐥閱頀頹騈魽𧥱𧴫𨋓𮂻𮇎𭆂𬼟
画像︵対応フォントがない場合の代替表示︶
●𭆁
●𧥱
●𧴫
●𨋓
●𮂻 ()
●𮇎 ()
●𭆂 ()
●𬼟 ()
JIS X 0208では記号として扱われているがUnicodeでは漢字
●仝
利用方法[編集]
(一)外国人の漢字氏名のうち、正字と認められるものについては、在留カード等に当該正字を表記する。 (二)簡体字などは上記正字に置き換えて使用する。 (三)正字︵異体字︶が2文字存在する場合における置換の原則に従い優先順に変換する。ただし、一定条件においては下位の順位の文字を用いることもできる。 (四)簡体字等に対応する正字が存在しない場合正字類字に置換する。住基統一文字[編集]
住基統一文字の追加漢字領域の c109 から c18b に入管漢字131字を追加している[2][3]。脚注[編集]
- ^ 在留カード等に表記する氏名漢字 (PDF) より。
- ^ 安岡孝一「住民基本台帳ネットワーク統一文字とその問題点」『情報管理』第55巻第11号、2012年、826-832頁、doi:10.1241/johokanri.55.826。
- ^ グループ:統一文字コード10 - グリフウィキ
参考文献[編集]
関連項目[編集]
- 簡体字
- 入管外字(外字)
- 常用漢字
- 人名用漢字
- 在留カード
- 特別永住者証明書
- 包摂 (文字コード)
- MJ文字
- JIS X 0221(日本文字部分レパートリ)JIS X 0221 附属書JA
- CJK統合漢字 (2017年、Unicode 10.0で、拡張Fの追加により入管正字は全て符号化完了)
- Wikipedia:表示できない文字の代替画像一覧