玄関
玄関︵げんかん︶とは、建物の主要な出入口、また出入口の部分に設けられた空間である。
ただし本来、中国の道教︵煉丹術の内丹の法では体内にある気を巡らすための最初に気を通す場所のことである︶、禅︵達磨による禅の伝来の際、達磨の指示でディヤーナを玄︵後に禪︵禅︶と訳す︶と訳したともされる︶などの用語で﹁玄関﹂とは﹁玄妙の道に入る關門﹂︵﹁玄牝の関﹂︶ことである。
日本では禅寺の方丈に設けられる入口[1] や書院造で邸宅への正式の出入口に設けられる部屋や建物[1] を指し、また、江戸時代には式台を構えている出入口を﹁玄関﹂と称した[2]。明治時代以降は形式を問わず住居・公共建築の出入口を指す概念となっている[2]。
現代の家の玄関。靴を脱いだり履いたりする土間がある
日本では家屋の玄関ではほぼ必ず靴を脱ぐ。現代中国や欧米では脱がない習慣がある。しかし、中国や欧米でも、それぞれの家庭によっては脱ぐ場合もある。
カナダでは、多くの家庭で靴を脱ぐ習慣がある。ただし、靴を脱ぐ場所は家庭ごとによって異なり、日本の玄関のような特定の空間はない。カナダでは主に玄関ドア付近や廊下などで靴を脱ぐ。また、古代中国、東アジア、東南アジア、中東など広い地域では玄関で靴を脱ぐ習慣があり、日本だけの文化だと思われることも多いが、玄関で靴を脱ぐことを習慣とする文化は少なくない。一部のアメリカの郊外家屋では、Mud Roomと呼ばれるジャケットや靴を脱ぐ空間がある。