リード (楽器)
(簧から転送)
リード は、楽器に用いられる薄片をいい、振動して音源となる。簧︵した︶ともいう。語源は、葦︵reed︶であり、今日の木管楽器のリードはその一種であるArundo donax、和名ダンチク︵暖竹、葮竹、葦竹︵よしたけ︶︶製であることが多い。フリーリード︵後述︶は金属やプラスチックで作られることが多い。また、薄片を用いない空気の渦流や、唇の振動を用いる振動気柱もリードと称することがある。
ファゴットのダブルリード
複簧︵ふくこう︶、二枚リードとも呼ばれる。二枚の薄片を重ねて用いる。ダブルリードの音はシングルリードの音と大きく異なる。ファゴット、オーボエ、バグパイプ、コーラングレ、アウロス、ある種のオルガンに用いられる。オーボエは鼻にかかった音がし、ファゴットにも独自の音がある。日本の伝統楽器である篳篥にも用いられる。詳細はダブルリード参照。
アコーディオンのフリーリードの部品
自由簧︵じゆうこう︶、自由リードとも呼ばれる。笙、ハーモニカ、鍵盤ハーモニカ、アコーディオン、コンサーティーナ、リードオルガンなどのように、枠の中で薄片が自由に振動するもの。共鳴管ではなくリードの長さ・厚さ等を調整して調律する。リードの物理的性状で音程と音色が決まるので、旋律を演奏するには多数のリード︵あるいはリード入りの管︶を複数並べて用意しておく必要がある。演奏者は息を吹き込む穴をずらしたり︵ハーモニカ︶、鍵盤を押さえたり︵鍵盤ハーモニカ、オルガン︶、指孔をふさぐ︵笙︶ことによって、出したい音のリード︵管︶だけに空気を送る。