酒器
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酒器(しゅき)は酒を取り分けたり、供したり、飲むときに用いられる道具[1][2]。元々は祭祀器としての性格が強い。
日本[編集]
盃、猪口、升。
徳利とぐい飲み
盃と銚子。銚子は本来このような形状のものだったが、後に徳利も銚子と呼ばれるようになる。
素焼きのかわらけ。
利き猪口。
東アジア[編集]
中国の古いものとしては殷墟など青銅器時代の青銅器製酒器が良く知られている。勲功の大小に従い酒器︵爵︶の大きさが変えられたこともあり、爵位の語源となったとされる[4]。
韓国では、マッコリやドンドンジュ用に陶器製でどんぶり状の甕と、ヒョウタンを割って作った、あるいはこれを模したパガジ︵パガチ、ko:바가지︶ですくって碗・ぐい飲み状のサバル︵사발、沙鉢︶に注ぐ。マッコリ酒場︵대폿집,막걸리집︶では、ボコボコに潰した真鍮製のやかん︵주전자︶、酒煎子︶でマッコリを供されるのが安酒場らしいレトロな風情であるとされる[5][6]。
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爵(殷末)
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斝(殷、紀元前14世紀ごろ)
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卣(西周早期)
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器に入ったマッコリをパガジですくう。
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真鍮製のやかんとサバル。
ヨーロッパ、北部アメリカ[編集]
●デキャンタ、カラフェ - ワインなどをデカンテーションするときに用いる。
●ワイングラス、シェリーグラス、シャンパングラス
●ビアグラス、ビールジョッキ、ビアタンブラー、パイント・グラス、ピッチャー、タンカード
●カクテル・グラス
●ショットグラス︵英: shot glass︶
●スキットル - ウィスキーを入れる水筒。
●聖爵、リュトン、アンフォラ
●ビーカー︵英: beaker︶ - 古代ヨーロッパのビーカー文化で用いられていた器。酒器であったとされる[7]。
カラフェに注がれたワイン。
赤ワイン用ワイングラス。
シェリー用グラス。
シャンパングラス 。
大型のビアマグ、タンカード。蓋付きのものが多く、14世紀のペスト流行期に付けられるようになった。
ショットグラス。1オンス程度の容量のものが多い。
スキットル
カクテル・グラス。
キリスト教の神事で使われる聖爵、聖杯。
11世紀前半のイラン製ビーカー(出土品)。
後期幾何学様式のアッティカの大きなアンフォラ。紀元前725年 – 紀元前700年
脚注[編集]
(一)^ 酒器, kotobank, accessdate=20110118.
(二)^ 酒器, Weblio, accessdate=20110118.
(三)^ ﹃神社有職故実﹄47頁昭和26年7月15日神社本庁発行。
(四)^ ﹃徳利と盃﹄保育社、1975年、108-110頁。OCLC 222470441。
(五)^ ︵朝鮮語︶ "추억이 묻어나는 감성 공간!옛날 대폿집", 中央日報, 2006.11.02.
(六)^ ︵朝鮮語︶ "옛날 대폿집VS퓨전 대폿집", ロッテ百貨店, 2008.10.06.
(七)^ Sherratt A. G., 1987: "Cups That Cheered: The Introduction of Alcohol to Prehistoric Europe," in Waldren W., Kennard R. C., (eds.), Bell Beakers of the Western Mediterranean (BAR Int. Series 287), Oxford., 81-114.
関連書籍[編集]
- 宮城篤正監修 『琉球の酒器: 翁長良明コレクション』 2004. OCLC 170134292
- 野村泰三 『猪口(ちょく)』 保育社, 1981. [1]
- 小松正衛 『徳利と盃』 保育社, 1975. OCLC 222470441
- 辻清明 (陶芸家) 『ぐいのみ』, 保育社, 1976. OCLC 150655560
- 『つくる陶磁郎』編集部編 『酒器をつくる : 備前の徳利、唐津のぐい呑み』 双葉社, 2004. ISBN 978-4575296563
- 松原久男(監修) 北辰堂(編) 『ぐい呑大鑑』 北辰堂, 2000. ISBN 978-4892872426
- 大阪市立東洋陶磁美術館編集 『酒器に酔う−東アジアの酒文化 企画展 図録』 大阪市美術振興協会, 2008. ISBN 978-4-900502-45-1
- 「酒器に酔う − 東アジアの酒文化」 (2008年10月11日~12月26日)
- MIHO MUSEUM(編) 『リュトン 聖なる酒器 語りかけるいにしえの器たち』 Miho Museum, 2008. ISBN 9784903642024
- 聖なる酒器リュトン-MIHO MUSEUM- (2008年7月12日~8月17日)
- サントリー美術館編 『ガラスの酒器・ヨーロッパ : ローマン・グラスからアール・デコまで』 サントリー美術館, 2003. ISBN
- サントリー美術館編 『日本の酒器 : サントリー美術館所蔵』 サントリー美術館, 1993.
- 「ガラスの酒器・ヨーロッパ― ローマン・グラスからアール・デコまで」展を開催 (2003年8月5日~9月21日)
- 関隆志 『古代アッティカ杯 : ギリシア美術の比例と装飾の研究』 中央公論美術出版, 2008. ISBN 9784805505762
- 篠田恒男 『盃物語』 光芸出版, 2006. ISBN 978-4769401247
- 佐藤伸雄 『酒と器のはなし』 海鳥社, 2005. ISBN 9784874155493
- 愛知県陶磁資料館学芸課編 『酒宴のやきもの 近世の器』 愛知県陶磁資料館, 2003.
- 里文出版 (編) 『銘酒ー名酒器―さけとうつわのハンドブック』 里文出版, 1983. OCLC 674127514
- サッポロビール博物館 『ビールの器「ビアマグ」』 クレオ, 1999. ISBN 9784877360412
- 『酒盃・徳利1000: 古陶から現代まで』 講談社,2003. ISBN 9784062117487
- 宗形金風 『酒器を語る 史的研究』 大学堂書店, 1935. OCLC 673609776
- (中国語) 王念石 『中国历代酒具鉴赏图典』 天津古籍出版社, 2010. ISBN 9787806966976
外部リンク[編集]
- 酒器(しゅき), 日本大百科全書(小学館)/Yahoo! JAPAN, accessdate=20110118.
- 日本酒図書館 第10巻 酒と酒器, 菊正宗酒造記念館, accessdate=20110118.