日本大百科全書(ニッポニカ) 「バルトリン」の意味・わかりやすい解説
バルトリン
ばるとりん
Caspar Bartholin
(1655―1738)
デンマークの解剖学者。コペンハーゲン生まれ。祖父Caspar Bartholin︵1585―1629︶、父Thomas Bartholin︵1616―1680︶とも解剖学者である。コペンハーゲン大学に学び、ライデン、パリなどヨーロッパ各地の大学に留学したあと、祖父・父に続いて1677年母校の教授となり、解剖学を担当した。分泌腺(せん)の研究に優れた業績をあげ、腟(ちつ)の入口の大前庭腺(だいぜんていせん)︵バルトリン腺︶の発見、口腔(こうくう)腺の研究、とくに舌下腺︵唾液(だえき)腺の一種︶の大導管︵バルトリン管︶の記載という業績をあげた。しかしその晩年は研究から遠ざかった。祖父は神学者としても著名であり、父はリンパ管を発見したことで知られる。
﹇澤野啓一﹈
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