デジタル大辞泉 「濯ぐ」の意味・読み・例文・類語 すす・ぐ【▽濯ぐ/×洒ぐ/×滌ぐ/×漱ぐ】 ﹇動ガ五︵四︶﹈︽上代は﹁すすく﹂︾ 1 汚れを水で洗い落とす。水で清める。﹁洗濯物を―・ぐ﹂﹁手足を―・ぐ﹂ 2 ︵漱ぐ︶水などで口中をきれいにする。うがいをする。ゆすぐ。﹁口を―・ぐ﹂ 3 ︵﹁雪ぐ﹂とも書く︶身に受けた恥や不名誉を除き去る。﹁恥を―・ぐ﹂﹁汚名を―・ぐ﹂ →洗う﹇用法﹈ [可能]すすげる [類語]洗う・流す・濯(ゆす)ぐ・晒す・洗い上げる・洗い立てる・洗い直す ゆす・ぐ【▽濯ぐ】 [動ガ五(四)]水の中で揺り動かして、また、中の水を揺り動かして洗う。すすぐ。「汚れ物を―・ぐ」「口を―・ぐ」[可能]ゆすげる[類語]洗う・流す・濯すすぐ・晒す・洗い上げる・洗い立てる・洗い直す 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「濯ぐ」の意味・読み・例文・類語 すす・ぐ【濯・洒・滌・漱】 (一)〘 他動詞 ガ五︵四︶ 〙 ( 古くは﹁すすく﹂ ) (二)① 水をかけて汚れを流す。水で清める。水できれいに洗う。 (一)[初出の実例]﹁止垢を揩(する)が如く水もて洗(ススグ)が如し﹂(出典‥聖語蔵本成実論天長五年点︵828︶二二) (二)﹁時には漬物まで湯ですすがねばならぬ﹂(出典‥千曲川のスケッチ︵1912︶︿島崎藤村﹀一二) (三)② ( 漱 ) 口中をゆすぐ。口の中を洗い清める。うがいをする。くちすすぐ。 (一)[初出の実例]﹁乃ち泊(はつ)瀬の中流(かはなか)に下(おりゐ)て︿略﹀水を漱(スス)ぎて盟(ちか)ひて曰さく﹂(出典‥日本書紀︵720︶敏達一〇年潤二月︵寛文版訓︶) (四)③ けがれた心や世の中などを清める。不浄を除き去る。 (一)[初出の実例]﹁この一つの事にてぞ、この世の濁りをすすい給はざらん﹂(出典‥源氏物語︵1001‐14頃︶朝顔) (二)﹁にごりなきかめ井の水を結びあげて心のちりをすすきうる哉︿上東門院﹀﹂(出典‥新古今和歌集︵1205︶釈教・一九二六) (五)④ 汚名を除き払う。身の恥をはらす。 (一)[初出の実例]﹁こはた河こは誰が言ひし事のはぞなき名すすかむ滝つ瀬もなし︿よみ人しらず﹀﹂(出典‥拾遺和歌集︵1005‐07頃か︶恋・七〇六) (二)﹁且は山門の恥を洗(スス)ぎ、又は継体の儲(ひつぎ)を全せんために﹂(出典‥太平記︵14C後︶一五) そそ・ぐ︻濯・雪︼ (一)〘 他動詞 ガ五︵四︶ 〙 (二)① 水をかけてよごれを洗い落とす。洗い清める。また、けがれた心や世の中などを清める。すすぐ。 (一)[初出の実例]﹁清き流に心を洗(ソソク)大法師﹂(出典‥三国伝記︵1407‐46頃か︶四) (三)② 身にこうむった汚名や受けた恥を手柄や仕返しによって消し、名誉を回復する。すすぐ。 (一)[初出の実例]﹁一つは寃罪(うきな)を雪(ソソ)ぐが為に﹂(出典‥当世書生気質︵1885‐86︶︿坪内逍遙﹀五) 濯ぐの補助注記 ﹁すすぐ︵濯︶﹂から派生したものか。前項の﹁そそぐ︵注︶﹂とは別語と考えられる。 いす・ぐ︻濯︼ (一)〘 他動詞 ガ四段活用 〙 ( ﹁ゆすぐ︵濯︶﹂の変化した語 ) ゆり動かして洗う。ざっと洗う。洗濯のあと水洗いする。 (一)[初出の実例]﹁盞をいすいてまいれ飛鳥川︿西六﹀﹂(出典‥俳諧・西鶴五百韻︵1679︶早何) ゆす・ぐ︻濯︼ (一)〘 他動詞 ガ五︵四︶ 〙 ゆり動かして洗う。ざっと洗う。いすぐ。︹男重宝記︵元祿六年︶︵1693︶︺ (一)[初出の実例]﹁台所に行って歯を磨き、口をゆすいだ﹂(出典‥夏の流れ︵1966︶︿丸山健二﹀一) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例