図書館では﹁これとこれは同じ本なのか﹂という判断を迫られる場面がけっこうあります。 ﹁これとこれ﹂は本と本のこともありますが、多いのは書誌データと本、または書誌データと書誌データです。 いちばん関係あるのは目録担当者ですが、レファレンスや相互利用、選書、除籍などでも避けて通れません。この判断を誤ると、求める本と違う本を利用者に提供してしまったり、すでに所蔵していることに気づかず重複発注してしまったり、複本があると思って1冊しかない本を捨ててしまうことにもなります。 私はよく﹁﹃ハムレット﹄たくさんあるけど、同じ本ばっかりこんなに何冊も要る?﹂とか﹁新版があるから古い版は捨てていいよね﹂とか言われて﹁いやいやいや!小田島雄志訳と福田恆存訳と松岡和子訳はぜんぜんちがうでしょ!﹂とか﹁いやいやいや!旧版にしかない情報もあるので!﹂と力説して﹁目録担当者めんどくせえ﹂と白い目で見られております…。