ダイヤグラム

交通機関の運行計画を表現した線図

: Timedistance diagram︿  Service planning diagram[1][2][3]便
1949915

便[4]

便AI[2][1]

鉄道ダイヤの理論

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鉄道においては、列車の運行計画・スケジュールのことを「列車計画」あるいは「列車運行計画」などと呼び、それを図表に表したもののことを「列車運行図表」(トレイン・ダイヤグラム)という。ダイヤグラムはこの列車運行図表のことを指す言葉であったが、列車運行計画自体をダイヤと呼ぶようになり、列車運行図表のことは区別してダイヤ図などと呼ばれるようになっている。線の形がダイヤに見えるからダイヤと呼ばれているという説は誤りである。

日本では列車の運行計画だけでなくリアルタイムの運行管理においても列車ダイヤグラムの画面を操作する方式が一般的であるが、イギリスなどで用いられている運行管理システムの画面は線路や列車を模式化した画面を操作するものが一般的で列車ダイヤグラムを使って操作する方式はあまり用いられていない[5]

ダイヤ図

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列車交換部分
 
ハコダイヤの例

[1]

0



1使




形態

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パターンダイヤ

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周期的なダイヤを作成することがある。このように作られたダイヤを「パターンダイヤ」と呼び、その周期がn分であるとき、時間の間隔を取ってn分サイクルまたはn分パターン(またはn分ヘッド)のようにいう。nは多くの場合、4,5,6,10,12,15,20,30といった60約数である[注 2]。60の約数にすることで毎時の発車時刻が同じになり、利用者にとっては記憶しやすいダイヤとなる。これによって、利便性の向上や、利用客の増加といった効果を期待することができる。また単線区間や待避がある路線においては常に同じ駅で列車交換・待避を行なうため、交換・待避駅の削減や副本線を使用する時間の限定などの効率的な運用が可能となる。フリークエントサービスを指す場合、高度に周期的なダイヤを設定することを指す場合が多い(日本語の「頻繁運転」と同義。なお「頻繁」の英訳語が「frequent」である)。

平行ダイヤ

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1JR西

西

ネットダイヤ

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上記の平行ダイヤの類例として、単線区間において列車交換可能な駅や信号場のほとんどで交換し、最大限に列車を設定することがある。この場合、ダイヤグラム上ではの目のように列車を表す線が描かれていることからネット(網)にたとえて「ネットダイヤ」と称される。現在、日本国内でネットダイヤを形成している線区として東武野田線江ノ島電鉄線湘南モノレール江の島線名鉄三河線名鉄竹鼻線羽島線伊豆箱根鉄道大雄山線近鉄田原本線近鉄生駒線東山駅 - 王寺駅間)、近鉄長野線富田林駅 - 河内長野駅間)などが代表例として挙げられる。

曜日ダイヤ

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 - [3] 22[4][5]使SL

季節ダイヤ

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繁忙期となる季節がある路線では、その時期に別のダイヤが組まれることがある。季節ダイヤは、ダイヤ改正時にあらかじめ考慮に入れてあることが多い。約1か月以上にわたる大規模なものとしては外房線内房線小田急江ノ島線京浜急行電鉄でかつて海水浴シーズンに行われた「海水浴ダイヤ」「夏ダイヤ」、京王電鉄京王線)の「シーズンダイヤ」、名古屋鉄道の「初詣ダイヤ」、京阪電気鉄道の「休日特別ダイヤ」「春の特別ダイヤ」「秋の特別ダイヤ」などがあったが、現在ではいずれも消滅している。

現在も行われている季節ダイヤとしては、京阪電気鉄道の正月ダイヤ、花見シーズンにおける樽見鉄道ダイヤ、秩父夜祭に合わせた西武鉄道秩父鉄道の夜祭ダイヤなどがある。また愛知高速交通東部丘陵線(通称:リニモ)では沿線大学の開講期間と休業期間で利用状況が大きく異なることから、2013年3月16日より大学開講期間(4 - 7・10 - 1月)を第1ダイヤ、それ以外の期間を第2ダイヤとして平日に限って季節ダイヤを導入している。京阪本線の初詣ダイヤでは、定期ダイヤでは朝以外設定されていない「急行」が日中に10分ヘッドで運転されるなど、通常のダイヤとは全くパターンが異なる。初詣ダイヤは、西日本鉄道天神大牟田線太宰府線)、阪急電鉄宝塚本線)、名古屋市営地下鉄東山線名城線名港線)・京成電鉄本線金町線)・京浜急行電鉄大師線)、東武鉄道大師線)、近畿日本鉄道の特急・急行、JR西日本奈良線桜井線(万葉まほろば線)などでも行われている。また、毎年大晦日から元旦にかけて各社で実施される終夜運転も、季節ダイヤの例と言える。

特別ダイヤ

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何らかの理由により、季節ダイヤとは別に旅客需要の増大や減退が見込まれる場合、運行本数を通常の繁忙期よりも増加もしくは閑散期より減少させた特別なダイヤが用いられることがある。

2020年には新型コロナウイルス感染症が蔓延していることを受け、運行本数を大幅に減少させた「特別ダイヤ」が多くの鉄道事業者で見られた[6]

ダイヤの規模を測定する指標

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ダイヤの規模を測定するためには、設定されている列車本数を数える方法が最も単純であるが、この方法では長距離列車と近距離列車が区別されない。このため、列車の走行距離を全て合計した列車キロでダイヤの規模が表される。一方、1本の列車の編成の長短により必要な車両数に影響が出るので、列車キロにさらに使用する車両数を掛けて車両キロも算出され、これが使用する車両数を検討する根拠となる。

列車キロ・車両キロでは距離を合計しているのに対して、運転される時間を合計して計算したものはトレインアワーカーアワーと呼ばれる。トレインアワーは、乗務員の拘束時間が計算できるため、必要となる乗務員数を検討する根拠となっている。

各国の鉄道ダイヤ

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イギリス

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イギリスの運行管理システムの画面は線路や列車を模式化した画面で操作するものが一般的で、列車ダイヤグラムを使って操作する方式はあまり用いられていない[5]

日本

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[7]



西

ダイヤの作成

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使

11015使[8]

2

ダイヤ改正

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鉄道、バス、船舶などの公共交通機関において、ダイヤグラムはその時の輸送実態や路線網の変更や設備の強化に対応するために定期的に更新する。これが「ダイヤ改正」であり、日本国内では各地で毎年ダイヤグラムが更新されている。

上りと下り

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西 197810西

IR-----33-----



鹿



宿

A西B

AB

-Clockwise-Counterclockwise

AB[6]

宿西6AB

列車番号・便名

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鉄道の場合、列車を効率よく運行するために必要な管理番号として列車毎に与えられる列車番号がある。これに相当するものは、路線バス(主に高速バス)[9]や、ダイヤグラム自体が存在しない航空機、定期客船などにも存在する。

間合い運用

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車両運用の効率性もダイヤグラムを作成する際の重要な要素である。列車により使用車両を限定する場合にはその車両の運用を優先する形でダイヤ作成が行われるが、使用車両を限定すれば回送列車や長時間運行されない編成が発生しやすく、これは運用上の無駄となる。そのため、閑散路線や通勤時などは車両の運用効率を高めるために特急形車両急行形車両など本来用途が限定された車両を異なる種別の営業列車に使用することがある。これを一般に間合い運用と称する。

これには優等列車に使用する車両を普通列車快速列車に充当するというケースが多いが、広義には、通常とは異なる路線・列車種別で車両を運用することを指す。車両基地への回送線を利用した博多南線や、多くのホームライナーについてもこの間合い運用の1形態であり、一部の特急・急行列車についてもこれに準じた運用がなされることもある。また、回送列車を営業列車とした送り込み輸送と呼ばれるダイヤもこの形態に分類される。

補完列車

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9192

2021


定期列車・定期便

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一定の区間で定期的に運行されるものを指す。ダイヤグラムを平日・休日などで別個に定めている場合には平日のみ、あるいは休日のみ運行されるものも含まれる。対して、臨時に運行されるもの[注 7]臨時列車・臨時便と称する。

国際線の航空航路・長距離船舶航路などでは、その所要時間から機材・船舶の運用行程が長く、1行程が1週間、あるいはそれ以上となる場合が多い。便数が「週n便」と告知されるのはそういった事情があるためである。

臨時列車を運転するときは、定期列車を待避や交換等のために発車時刻、発着番線の変更を行なうことがある。その場合、定期列車の利用者が通常通りに駅に到着しても乗り遅れてしまう問題が起こらないように、待避駅での早着、もしくは待避駅以降での延発を行ない、ほとんどの場合は早発を行なわない。

昼行と夜行

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便便1

10便便24[8]101

便

航空ダイヤ

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空港の発着の管理では交差部の安全距離確保やレーダー間隔の確保、その他気象条件などの諸条件を考慮し、ダイヤグラムを作成して処理容量の試算が行われる[10]

脚注

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注釈

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(一)^ 201220111211 - 2012128Grafische Fahrpläne. 201376

(二)^ 73018782060

(三)^ 西宿西

(四)^ 20143

(五)^ JR2010313西

(六)^ AABB

(七)^ 

(八)^ 230 - 1

出典

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(一)^ ab20211013220211031

(二)^ abAI2021102720211031

(三)^  20171820211031

(四)^ 20213 2020121820211031

(五)^ ab. 20131. 20191217

(六)^  

(七)^  (pdf).  (2016914). 201837 - :2015122127753:201691428314

(八)^  2008 ISBN 978-4812433959

(九)^ [1]

(十)^ . . p. 7. 20191217

参考文献

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2008ISBN 978-4-425-76151-7 

 Thomas Cook European Rail Timetable, Thomas Cook, ISSN 0952-620X  

 Thomas Cook European Timetable, Thomas Cook, ISSN 0952-620X  

2009ISBN 978-4-7980-2412-7 

関連項目

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外部リンク

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