観光列車
観光列車(かんこうれっしゃ)とは、鉄道事業者が観光を目的に運行する列車、およびその目的で保有している鉄道車両のことである。
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/e3/Series_HB-E300.jpg/300px-Series_HB-E300.jpg)
定義
編集歴史
編集JR各社の観光列車
編集JRの旅客各社ではすべて「観光列車」と呼ばれる列車を運行している。このうちJR北海道とJR東海以外の4社は列車一覧のポータルサイトを設けるなど、体系化して旅客に案内している。また、JR東日本とJR九州では「観光列車」の呼称を補助的に用いつつも、独自のカテゴライズを行っている。
北海道旅客鉄道(JR北海道)
編集![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/dd/Kiha261_ST-5102_Furano-lavender-express.jpg/230px-Kiha261_ST-5102_Furano-lavender-express.jpg)
東日本旅客鉄道(JR東日本)
編集リゾートしらかみ
編集1997年から「ノスタルジックビュートレイン」に代わって五能線で運行されている観光列車。「青池」「橅」「くまげら」の3編成が存在し、HB-E300系気動車(青池・橅)またはキハ48形気動車(くまげら)の4両編成で運行されている。
SLばんえつ物語
編集1999年から磐越西線で運行されている観光列車。2008年に「SLばんえつ物語号」から改称された。C57形蒸気機関車が12系客車7両編成を牽引する形で運行されており、のってたのしい列車で初めてグリーン車を連結している。
リゾートビューふるさと
編集2010年から長野地区(信越本線・篠ノ井線・大糸線)で運行されている観光列車。HB-E300系気動車の2両編成で運行されている。
POKÉMON with YOU トレイン
編集2012年から大船渡線で運行されている観光列車。キハ100形気動車の2両編成で、「ポケモントレイン気仙沼号」で運行されている。車両は2017年にリニューアルされた。
TOHOKU EMOTION
編集越乃Shu*Kura
編集2014年から新潟地区で運行されている観光列車。一般の指定席と旅行商品専用席があり、それぞれ発売が分かれている。キハ40形・キハ48形気動車の3両編成で、「越乃Shu*Kura」「ゆざわShu*Kura」「柳都Shu*Kura」の3系統が存在する。
おいこっと
編集2015年から飯山線で運行されている観光列車。キハ110形気動車の2両編成であるが、定期普通列車と共通運用するために吊り革や優先席といった装備を維持している。
HIGH RAIL 1375
編集2017年から小海線で運行されている観光列車。キハ103形・キハ112形気動車の2両編成で、日中の「HIGH RAIL」および夜間の「HIGH RAIL 星空」として運行されている。なお、通常より高額な指定席料金が適用される。
SLぐんま みなかみ
編集SLぐんま よこかわ
編集BOSO BICYCLE BASE
編集海里
編集2019年から「きらきらうえつ」に代わって羽越本線で運行されている観光列車。HB-E300系気動車の4両編成で、通常より高額な指定席料金が適用される。
ひなび(陽旅)
編集2023年から青森県・岩手県内で運行されている観光列車。HB-E300系気動車の2両編成で、のってたのしい列車ではSLばんえつ物語以来となるグリーン車を連結している。
SATONO
編集2024年から宮城県・福島県・山形県内で運行されている観光列車。HB-E300系気動車の2両編成で、グリーン車を連結している。
東海旅客鉄道(JR東海)
編集- 秘境駅巡りなど、列車への乗車が主目的となる臨時列車には一律に「観光列車」の呼称を用いている。なおJR東海では観光用の特別型車両を保有していないため、すべて「しなの」「ふじかわ」「伊那路」などの定期運用特急列車用の373系などで運転される[9]。
西日本旅客鉄道(JR西日本)
編集- JR西日本のJRおでかけネットにおいて以下の列車を「観光列車」として記載している。
SLやまぐち号
編集日本国有鉄道(国鉄)時代の1979年から山口線で運行されている観光列車。C57形蒸気機関車もしくはD51形蒸気機関車の牽引で運行される。客車は当初12系であったが、2017年からは本列車専用に新造された35系5両編成が使用されている。
花嫁のれん
編集2015年から七尾線で運行されている観光列車。キハ47形気動車の2両編成である。JR西日本の他の列車と異なり、種別は特急となっている。
ベル・モンターニュ・エ・メール
編集ラ・マル・ド・ボァ
編集2016年から岡山駅を中心に瀬戸内海沿岸各地で運行されている観光列車。213系電車の2両編成で、全車グリーン車指定席である。目的地別に四つの系統が設定されており、一部で自転車を積み込んで利用することができる。
○○のはなし
編集2017年から山陰本線の山口県内で運行されている観光列車。キハ47形気動車の2両編成である。
あめつち
編集2018年から山陰本線の鳥取県・島根県内で運行されている観光列車。キロ47形気動車の2両編成で、全車グリーン車指定席である。
うみやまむすび
編集etSETOra
編集2020年から呉線で運行されている観光列車。キロ47形気動車の2両編成で、全車グリーン車指定席である。
SAKU美SAKU楽
編集2022年から津山線で運行されている観光列車。キハ40形気動車の1両単行運転である[10][11]。
四国旅客鉄道(JR四国)
編集- 自社のウェブサイトにおいて以下の列車を「観光列車」として記載している。
アンパンマン列車
編集2000年から四国各地で運行されている観光列車。「土讃線アンパンマン列車」「予讃線アンパンマン列車」など4系統の総称であり、運行区間や列車種別や使用車両などは様々である。
海洋堂ホビートレイン
編集しまんトロッコ
編集伊予灘ものがたり
編集鉄道ホビートレイン
編集四国まんなか千年ものがたり
編集2017年から土讃線で運行されている観光列車。「ものがたり列車」のひとつ。キハ185系気動車の3両編成で、全車グリーン車指定席である。
藍よしのがわトロッコ
編集2020年から徳島線で運行されている観光列車。キハ185形気動車とキクハ32形気動車の2両編成で、キクハ32形はオープン構造である。
志国土佐 時代の夜明けのものがたり
編集2020年から土讃線で運行されている観光列車。「ものがたり列車」のひとつ。キハ185形気動車の2両編成で、全車グリーン車指定席である。
九州旅客鉄道(JR九州)
編集- 自社のウェブサイトにおいて以下の列車を「観光列車【D&S列車】」として記載している。
ゆふいんの森
編集1989年から久大本線で運行されているD&S列車。キハ71系気動車・キハ72系気動車の2編成による運行である。特急列車。
海幸山幸
編集2009年から日南線で運行されているD&S列車。廃線となった高千穂鉄道から譲渡された気動車を利用したキハ125形の2両編成で、それぞれ「海幸」「山幸」の愛称がある。
あそぼーい!
編集2011年から豊肥本線で運行されているD&S列車。キハ183系気動車4両編成である。全車普通車扱いであるが、パノラマシートなど一部の座席で高額な料金設定となっている。
指宿のたまて箱
編集2011年から指宿枕崎線で運行されているD&S列車。キハ47形・キハ140形気動車による3両編成であるが、2両編成で運行することもある。
A列車で行こう
編集2011年から三角線で運行されているD&S列車。キハ185形気動車による2両編成。
或る列車
編集2015年から九州各地で運行されているD&S列車。車内でコース料理を味わいながら移動するもので、車両はキロシ47形気動車による2両編成。他の列車と違い団体専用列車扱いで、一般発売はされていない。
かわせみ やませみ
編集2017年から肥薩線で運行されているD&S列車。キハ47形気動車による2両編成で、それぞれ「かわせみ」「やませみ」の愛称が付けられている。
36ぷらす3
編集2020年から九州各地で運行されているD&S列車。食事付きで1日かけて移動するもので、多くは個室席である。車両は787系電車による6両編成で、全車グリーン車指定席である。
ふたつ星4047
編集2022年から長崎本線・大村線で運行されているD&S列車。主に土休日を中心として、午前は武雄温泉→長崎(長崎本線経由)、午後は長崎→武雄温泉(大村線経由)で運行されている。車両はキハ40形・キハ47形気動車による3両編成で、「はやとの風」および「いさぶろう・しんぺい」(予備車)から改造された[12]。
かんぱち・いちろく
編集2024年から久大本線で運行されているD&S列車。車内で料理を味わいながら移動するもので、車両は2R形気動車(キハ47形気動車「いさぶろう・しんぺい」およびキハ125形気動車から改造)による3両編成。他の列車と違い団体専用列車扱いで、一般発売はされていない。
その他事業者の観光列車
編集道南いさりび鉄道
編集秋田内陸縦貫鉄道
編集- AN-8900形を改造した「笑EMI」を保有し、特定日に急行列車として運行している[13]。
- 2021年にはAN-2000形を改造した「秋田縄文号」を新たに登場させ、「笑EMI」との併結で運行している[14]。
西武鉄道
編集- 「観光電車」として4000系を改造した「西武 旅するレストラン 52席の至福」を保有し、土曜・休日を中心に昼と夜の2往復運行している[15]。
しなの鉄道
編集- 観光列車として115系を改造した「ろくもん」を保有し、土休日を中心に同名の快速列車で運行している[16]。
- また、ライナー用車両のSR1系を使用する特別快速列車「軽井沢リゾート号」を「観光有料快速列車」と呼称している[17][18]。
えちごトキめき鉄道
編集- リゾート列車[19]としてET122形1000番台を保有し、「えちごトキめきリゾート雪月花」として2016年から土休日を中心に運転を行っている[20]。えちごトキめき鉄道主催の旅行商品として設定され、乗車するときには電話による事前予約が必要となる。
- また、クハ455形などの急行型電車を3両保有しており「観光急行」として土休日を中心に運行している[21]。
富山地方鉄道
編集- 以下の3列車を「観光列車」と呼称[22]。
- アルプスエキスプレス(2011年 - )
- ダブルデッカーエキスプレス(2013年 - )
- レトロ電車(2014年 - )
あいの風とやま鉄道
編集のと鉄道
編集近畿日本鉄道
編集長良川鉄道
編集樽見鉄道
編集- 観光列車としてハイモ330-700形を改造した「ねおがわ号」を保有し、同名の定期列車で運行している[29]。
京都丹後鉄道
編集- 観光列車としてKTR700形を改造した「丹後あかまつ号」・「丹後あおまつ号」・「丹後くろまつ号」を保有する。あおまつ以外は予約制の観光列車で、あおまつは定期普通列車で運用される[30]。
阪急電鉄
編集南海電気鉄道
編集若桜鉄道
編集岡山電気軌道
編集- 9200形の第3編成を特別仕様として製造し、『チャギントン』とのライセンス契約のうえで観光列車「おかでんチャギントン」として運行している[35]。
土佐くろしお鉄道
編集- オープンデッキつきの9640形を使用する「やたろう」・「しんたろう」を観光列車として運行している[36]。
西日本鉄道
編集![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d5/Nishitetsu_EMU_3010F_Tabito.jpg/230px-Nishitetsu_EMU_3010F_Tabito.jpg)
平成筑豊鉄道
編集肥薩おれんじ鉄道
編集過去の観光列車
編集東日本旅客鉄道(過去)
編集- 過去に以下の観光列車が存在した。ただし「リゾートあすなろ」のみ他の観光列車への改造による運行終了である。
- ノスタルジックビュートレイン(1990年 - 1996年)
- きらきらうえつ(2001年 - 2019年)
- きらきらみちのく(2002年 - 2010年)
- うみねこ(2002年 - 2011年)
- リゾートみのり(2008年 - 2020年)
- リゾートあすなろ(2010年 - 2023年)[42][43][44]
- リゾートやまどり(2011年 - 2018年)
- リゾートうみねこ(2011年 - 2020年)
- SL銀河(2014年 - 2023年)[45]
- とれいゆ つばさ(2014年 - 2022年)
- フルーティアふくしま(2015年 - 2023年)[46]
- 伊豆クレイル(2016年 - 2020年)
- 現美新幹線(2016年 - 2020年)
- いろは(2018年 - 2022年)
東海旅客鉄道(過去)
編集西日本旅客鉄道(過去)
編集- 過去に以下の観光列車が存在した。ただし「奥出雲おろち号」と「きのくにシーサイド」以外は全て他の観光列車への改造による運行終了である。
九州旅客鉄道(過去)
編集- 過去に以下の観光列車が存在した。ただし「SL人吉」以外は全て他の観光列車への改造による運行終了である。