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「やさしいライオン」の版間の差分

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== 概要 ==

== 概要 ==

ライオンの'''ブルブル'''と、ブルブルを育てた犬の'''ムクムク'''の親子の絆を描いている<ref>{{Cite web|url=http://pro.bookoffonline.co.jp/hon-deai/ehon-jidousho/20171108-yasashii-lion-yanase-takashi.html|title=やなせたかし最初の絵本『やさしいライオン』親子の固い絆を描く|publisher=ブックオフオンラインコラム|accessdate=2021-06-29}}</ref>。全国学校図書館協議会選定図書。日本図書館協会選定図書。厚生省中央児童福祉審議会推薦。

ライオンの'''ブルブル'''と、ブルブルを育てた犬の'''ムクムク'''の親子の絆を描いている<ref>{{Cite web|和書|url=http://pro.bookoffonline.co.jp/hon-deai/ehon-jidousho/20171108-yasashii-lion-yanase-takashi.html|title=やなせたかし最初の絵本『やさしいライオン』親子の固い絆を描く|publisher=ブックオフオンラインコラム|accessdate=2021-06-29}}</ref>。全国学校図書館協議会選定図書。日本図書館協会選定図書。厚生省中央児童福祉審議会推薦。



「ドイツの動物園で犬がライオンを育てた」という話にアイデアを得たやなせが、当初は[[コント]]としてストーリーを創造。これが紆余曲折を得て、[[1967年]]に[[文化放送]]にてラジオドラマとして放送される。その評判がよかったことから、[[1969年]]に「トッパンのおはなしえほん」シリーズ(後に「キンダーおはなしえほん」シリーズ)の一冊として[[フレーベル館]]より絵本が刊行された{{R|yanase24}}。[[1975年]]以降は改訂版が刊行されているほか、[[紙芝居]]も作られた。

「ドイツの動物園で犬がライオンを育てた」という話にアイデアを得たやなせが、当初は[[コント]]としてストーリーを創造。これが紆余曲折を得て、[[1967年]]に[[文化放送]]にてラジオドラマとして放送される。その評判がよかったことから、[[1969年]]に「トッパンのおはなしえほん」シリーズ(後に「キンダーおはなしえほん」シリーズ)の一冊として[[フレーベル館]]より絵本が刊行された{{R|yanase24}}。[[1975年]]以降は改訂版が刊行されているほか、[[紙芝居]]も作られた。

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今見ると絵が下手くそではずかしいが、技術的に未熟な欠点を超えて多くの人に愛されてきたことは作者としてはうれしい限りである。

今見ると絵が下手くそではずかしいが、技術的に未熟な欠点を超えて多くの人に愛されてきたことは作者としてはうれしい限りである。

絵本、ステージ、紙芝居、CD-ROMと「やさしいライオン」は今も走り続けていて、すっかり古典のスタンダードになってしまった。

絵本、ステージ、紙芝居、CD-ROMと「やさしいライオン」は今も走り続けていて、すっかり古典のスタンダードになってしまった。


|<ref>{{Cite web |url=http://www.anpanmanshop.co.jp/melhen-html/ew-ehon-11.htm|title=|publisher=|accessdate=2015-11-08|archiveurl=https://web.archive.org/web/20151108102442/http://www.anpanmanshop.co.jp/melhen-html/ew-ehon-11.htm|archivedate=2021-06-29}}</ref>}}

|<ref>{{Cite web||url=http://www.anpanmanshop.co.jp/melhen-html/ew-ehon-11.htm|title=|publisher=|accessdate=2015-11-08|archiveurl=https://web.archive.org/web/20151108102442/http://www.anpanmanshop.co.jp/melhen-html/ew-ehon-11.htm|archivedate=2021-06-29}}</ref>}}


== あらすじ ==

== あらすじ ==

{{要あらすじ}}

{{要あらすじ}}


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ブルブルはムクムクから「お手」など様々な芸を教わり、すっかり犬そっくりになっていた。それから何年か経ち、ブルブルは立派な大人のライオンになっていた。ムクムクは年を取ったがまだとても元気だった。ところが、ある雨が通り過ぎた日にブルブルは水たまりに映った自分の姿を見て初めて自分が犬ではなくライオンだとわかり青ざめていた。しかし、ムクムクは「確かに私とあなたは見た目は違うけど心は同じよ」と慰めた。ブルブルとムクムクは毎日楽しく暮らしていたが、それも長くは続かなかった。ある日、ブルブルはよその動物園へ転園されることになり、ムクムクと離れ離れになってしまった。


それからまた何年かたち、ある街で開かれる[[サーカス]]にてブルブルは人気者になっていた。その日の夜、ブルブルは檻の中で懐かしいお母さんの子守歌を思い出していた。「お母さんだ!」ブルブルは叫ぶとサーカスの檻を破ってムクムクを探しに向かった。しかし、街は大騒ぎになり、[[兵隊]]たちがライオンを殺そうと[[銃]]を持って追いかけた。一方、その頃ブルブルは林の中ですっかり年を取って死にかけているムクムクを見つけた。ブルブルは懐かしいお母さんに会えて甘えていた。ところが、兵隊たちがブルブルに銃を向け、「撃て!」と隊長の掛け声とともに銃は一斉に火を噴いた。騒ぎが収まったころにはブルブルはムクムクを抱きかかえて倒れていた。


その夜、年寄りの犬を背中に乗せたライオンが飛んでいくのを見た人が何人もいたらしい。おそらくそれは[[天国|遠い楽園]]に向かっているブルブルとムクムクなのかもしれない。



== 映画 ==

== 映画 ==

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[[1970年]][[春]]、[[東宝チャンピオンまつり]]の一作として公開されたアニメーション映画{{R|TCMP32}}。原作者のやなせ自身が監督・脚本を手掛けた{{R|TCMP32}}。

[[1970年]][[春]]、[[東宝チャンピオンまつり]]の一作として公開されたアニメーション映画{{R|TCMP32}}。原作者のやなせ自身が監督・脚本を手掛けた{{R|TCMP32}}。



第12回児童福祉文化奨励賞や第24回[[毎日映画コンクール]]の[[大藤信郎賞]]を受賞<ref>{{Cite web|url=https://www.jidoukan.or.jp/project/activity/award|title=過去の児童福祉文化賞受賞作品一覧|publisher=児童健全育成推進財団|accessdate=2021-06-29}}</ref>。上映会用に[[16mmフィルム]]が生産されたほか、[[1983年]]には[[VHS]]ソフトも発売された<ref>「アニメファンのための実用講座・第3弾」『[[月刊OUT]]』、みのり書房、1983年1月号。</ref>。

第12回児童福祉文化奨励賞や第24回[[毎日映画コンクール]]の[[大藤信郎賞]]を受賞<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.jidoukan.or.jp/project/activity/award|title=過去の児童福祉文化賞受賞作品一覧|publisher=児童健全育成推進財団|accessdate=2021-06-29}}</ref>。上映会用に[[16mmフィルム]]が生産されたほか、[[1983年]]には[[VHS]]ソフトも発売された<ref>「アニメファンのための実用講座・第3弾」『[[月刊OUT]]』、みのり書房、1983年1月号。</ref>。




[[1998]][[]][[|]][[]]''''''{{R|TCMP125}}{{R|TCMP125}}

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=== 製作経緯 ===

=== 製作経緯 ===

大人向けアニメーションを目指した劇場用映画『[[千夜一夜物語 (1969年の映画)|千夜一夜物語]]』の製作総指揮をとっていた[[手塚治虫]]は、当時大人向け漫画を手がけていたやなせに(絵柄も気に入ったことから)美術とキャラクターデザインを直接依頼。映画は[[1969年]]に公開されヒット作となった。これをやなせの功績と考えた手塚は、ヒットの御礼としてやなせに「やなせさんの好きな映画、うちのスタッフを使って何でも作ってください。お金は全部ぼくが出します」と発言。こうして完成したのが本作である<ref>{{Cite web|date=2013-08-14|url=https://www.1101.com/yanase_takashi/2013-08-14.html|title=その7 人生はわからん - やなせたかし×糸井重里|publisher=[[ほぼ日刊イトイ新聞]]|accessdate=2021-06-29}}</ref>。

大人向けアニメーションを目指した劇場用映画『[[千夜一夜物語 (1969年の映画)|千夜一夜物語]]』の製作総指揮をとっていた[[手塚治虫]]は、当時大人向け漫画を手がけていたやなせに(絵柄も気に入ったことから)美術とキャラクターデザインを直接依頼。映画は[[1969年]]に公開されヒット作となった。これをやなせの功績と考えた手塚は、ヒットの御礼としてやなせに「やなせさんの好きな映画、うちのスタッフを使って何でも作ってください。お金は全部ぼくが出します」と発言。こうして完成したのが本作である<ref>{{Cite web|和書|date=2013-08-14|url=https://www.1101.com/yanase_takashi/2013-08-14.html|title=その7 人生はわからん - やなせたかし×糸井重里|publisher=[[ほぼ日刊イトイ新聞]]|accessdate=2021-06-29}}</ref>。




[[]]<ref>{{Cite web|url=https://blog.goo.ne.jp/mcsammy/e/0bddecf1880c8797fa2ef563eeefc06a|title=|work|publisher=goo|accessdate=2021-06-29}}</ref>

[[]][[]]<ref>{{Cite web||url=https://blog.goo.ne.jp/mcsammy/e/0bddecf1880c8797fa2ef563eeefc06a|title=|website=|date=2006-12-07|accessdate=2021-06-29}}</ref>


=== 声の出演 ===

=== 声の出演 ===

* ブルブル - [[久里千春]]{{efn|name="radio"|ラジオドラマでも同じ役を担当。}}→[[かないみか]](リニューアル版)

*オリジナル版

* ムクムク - [[増山江威子]]{{efn|name="radio"}}→[[千々松幸子]](リニューアル版)

** [[久里千春]]{{efn|name="radio"|ラジオドラマでも同じ役を担当。}}

** [[増山江威子]]{{efn|name="radio"}}

*リニューアル版

**[[かないみか]]

**[[千々松幸子]]



=== スタッフ ===

=== スタッフ ===

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*歌: [[ボニー・ジャックス]]、[[久里千春]](ブルブルの子守歌)

*歌: [[ボニー・ジャックス]]、[[久里千春]](ブルブルの子守歌)

*音響: 田代敦巳([[グループ・タック]])

*音響: 田代敦巳([[グループ・タック]])

*効果: 石田サウンドグループ

*効果: [[フィズサウンドクリエイション|石田サウンドグループ]]

*録音: 東京スタジオセンター

*録音: 東京スタジオセンター

※リニューアル版のみ

※リニューアル版のみ

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{{Reflist

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<ref name="yanase24">{{Cite web|url=https://mi-te.kumon.ne.jp/contents/article/12-47/|title=絵本作家インタビュー vol.24 絵本作家 やなせたかしさん(前編)|work=ミーテ 絵本子育てサイト|publisher=[[公文教育研究会]]|accessdate=2021-06-29}}</ref>

<ref name="yanase24">{{Cite web|和書|url=https://mi-te.kumon.ne.jp/contents/article/12-47/|title=絵本作家インタビュー vol.24 絵本作家 やなせたかしさん(前編)|work=ミーテ 絵本子育てサイト|publisher=[[公文教育研究会]]|accessdate=2021-06-29}}</ref>

<ref name="TCMP32">{{Harvnb|東宝チャンピオンまつりパーフェクション|2014|pp=32-33|loc=「1970春期」}}</ref>

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<ref name="TCMP125">{{Harvnb|東宝チャンピオンまつりパーフェクション|2014|p=125|loc=「プロジェクト東宝チャンピオンまつり 祭り囃子は遠くに」}}</ref>

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[[Category:日本の動物絵本]]

[[Category:日本の動物絵本]]

[[Category:1969年の書籍]]

[[Category:1969年の書籍]]

[[Category:ライオンを題材とした作品]]

[[Category:ライオンを主人公にした物語]]

[[Category:イヌを題材とした作品]]

[[Category:イヌを題材とした作品]]

[[Category:家族を題材とした作品]]

[[Category:アニメ作品 や|さしいらいおん]]

[[Category:アニメ作品 や|さしいらいおん]]

[[Category:1970年のアニメ映画]]

[[Category:1970年のアニメ映画]]

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[[Category:日本のファミリー映画]]

[[Category:日本のファミリー映画]]

[[Category:イヌを題材としたアニメ映画]]

[[Category:イヌを題材としたアニメ映画]]

[[Category:家族を題材としたアニメ作品]]


2024年4月25日 (木) 12:47時点における最新版



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[1]

19671969[2]1975

[2]

使




CD-ROM
 [3]

あらすじ[編集]




姿




映画[編集]

やさしいライオン
脚本 やなせたかし
原作 やなせたかし
製作 手塚治虫
音楽 磯部俶
撮影 森昭彦
編集 松浦典良
製作会社 虫プロダクション
配給 東宝
公開 1970年3月21日
上映時間 28分[4]
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

1970[4][4]

1224[5]16mm1983VHS[6]

1998[7][7]

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1969使[8]

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: IMAGICA Lab.

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同時上映[編集]

1970年版

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b ラジオドラマでも同じ役を担当。

出典[編集]



(一)^ .  . 2021629

(二)^ ab vol.24  .  .  . 2021629

(三)^ .  . 20216292015118

(四)^ abc 2014, pp. 3233, 1970

(五)^ .  . 2021629

(六)^ 3OUT19831

(七)^ ab 2014, p. 125,  

(八)^ 7 - ×.   (2013814). 2021629

(九)^ . (2006127). 2021629

参考文献[編集]

  • 電撃ホビーマガジン編集部 編『ゴジラ 東宝チャンピオンまつり パーフェクション』KADOKAWAアスキー・メディアワークス)〈DENGEKI HOBBY BOOKS〉、2014年11月29日。ISBN 978-4-04-866999-3 

外部リンク[編集]

絵本

映画