スクールアイドルミュージカル
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スクールアイドルミュージカルは、バンダイナムコフィルムワークス、バンダイナムコミュージックライブ、アークスインターナショナル[1][注釈 1]製作のミュージカル。メディアミックス作品群﹁ラブライブ!シリーズ﹂の作品である。
概要
架空の学校・滝桜女学院および椿咲花女子高校を舞台に活躍する2組のスクールアイドルたち主人公とした作品。﹁ラブライブ!シリーズ﹂初のミュージカル作品で、既存シリーズ作品を舞台化したものではなく、キャラクター・設定を一新した完全オリジナル作品となっている。 約2時間のミュージカル本編と、通常の演劇で言うカーテンコールに当たる20分のスペシャルステージの全2部構成となっており、第2部ではライブが実施され、ペンライトが使用可能となる。 脚本等を担当した岸本[注釈 2]と作曲等を担当した小島[注釈 3]によると、元々2人は世界中でミュージカル作品を上演することを目標に活動をしており、海外でも愛される作品・コンテンツを探す中で、世界的に人気のある作品であること、既存ミュージカル層と違うジャンルであること、誰もが共感できるポジティブなメッセージがあることから、ラブライブ!シリーズでミュージカルをやってみたいと考えるようになり、岸本・小島の側からシリーズ側にオファーする形で、プロジェクトが始まった[2]。一方で、製作委員会こそ﹁プロジェクトラブライブ!スクールアイドルミュージカル﹂となっているものの、作品名自体には﹁ラブライブ!﹂を含んでいない。 ラブライブ!シリーズとして初めて、西日本の府県が舞台となる作品でもある[注釈 4]。 ラブライブ!シリーズにおいては、作品の主役を演じるキャストによる声優ユニットの音楽活動︵CDリリーズ、ライブイベント︶が行われるのが常であるが、本作では原則行われていない[注釈 5]。 先述の通り、作品名称に﹁ラブライブ!﹂を含まない点や、シリーズにおけるコラボ企画やライブの多くに未登場であったり、メディア展開が限定的、もしくは別分野であるなど、ラブライブ!シリーズ全体を見ても極めて異質な展開をとる作品となっている。来歴
2022年8月30日に発売された雑誌﹁LoveLive!Days ラブライブ!総合マガジンVol.31﹂で制作発表され、翌月のVol.32でキャスト・設定が公開された[3]。 2022年12月に初演・東京公演を上演。次いで2023年1月に初演・大阪公演を上演。東京公演初日の12月10日からテーマソングCD﹁未完成ドリーム!﹂を劇場限定で販売開始した。 2023年5月10日、本編にて披露された全楽曲を収録したアルバムCD﹁スクールアイドルミュージカル﹂が発売。 2023年8月、追加公演を上演。役名ありのキャストでは、三田美吹︵鈴賀レナ役︶は出演せず、初演にアンサンブルキャストとして出演した鈴木まゆりが代役を務めた。 2023年12月、﹁異次元フェス アイドルマスター★♥ラブライブ!歌合戦﹂にゲスト出演。ミュージカル公演以外での初のパフォーマンス披露を行った。 2024年1月、2024年公演を上演。今回からダブルキャスト制が導入され、ルリカ、アンズ、マドカ、キョウカ以外はダブルキャストとなる。初演・追加公演に出演した星守紗凪︵来栖トア役︶および青山瑠里︵晴風サヤカ役︶は出演せず、新規キャストのみで演じた。また最終2日間4公演は﹁文化祭&後夜祭スペシャル公演﹂として、通常公演でカーテンコールスペシャルステージとして披露していた文化祭スペシャルステージ部分を拡大した特別公演となった。あらすじ
大阪にある女子校﹁滝桜女学院﹂は、昨今の少子化に対抗するべく芸能コースを新設、同コースに通う生徒たちによる﹁アイドル部﹂が世間の注目を集めていた。しかし、アイドル部のセンターを務める滝沢アンズは、部長や他の部員を差し置いてセンターに立つことや、何より母である理事長からのプレッシャーに思い悩んでいた。 一方、兵庫にある女子校﹁椿咲花女子高校﹂に通う椿ルリカは、アンズのステージを見てアイドルと言うものにすっかり魅了されたものの、厳格な母である理事長の手前、誰にもそのことは言えなかった。そして、ある約束のために勉強を頑張る毎日を送るものの、生まれて初めて熱中するものを見つけたルリカは、次第に成績を落としてしまう。 対立する2校の少女2人が﹁学校のアイドル﹂という点を通じて出会うとき、新たな﹁みんなで叶える物語︵スクールアイドルプロジェクト︶﹂が始まる――公演リスト
スクールアイドルミュージカル 東京公演 2022年12月10日 - 15日 - 新国立劇場 スクールアイドルミュージカル 大阪公演 2023年1月25日 - 29日 - 梅田芸術劇場 スクールアイドルミュージカル 東京追加公演[注釈 6] 2023年8月3日 - 6日 - 日本青年館ホール スクールアイドルミュージカル 2024年公演[注釈 6] 2024年1月11日 - 21日 - THEATER MILANO-Zaキャラクター・キャスト
キャストについて、特記ない限り公演全種に出演。滝桜女学院
大阪府にある高校で、時代の流行を読み取り、近年芸能コースを新設。世間の注目を集め、入学希望者が増えている。滝桜女学院アイドル部
理事長のキョウカの肝いりで設立された、芸能コースの生徒によるクラブ。学外での芸能活動を多く行なっており、ヒカルいわく、テレビでも雑誌でも見ない日はない。下記の5人以外にも、アンサンブルキャストが演じる多数の部員が在籍している。 滝沢アンズ 演 - 関根優那 高校2年生。理事長であるキョウカの娘で、アイドル部のセンターを務める。歌やダンスが大好きで実力もあるが、母親や部員からのプレッシャーに思い悩んでいる。 若槻ミスズ 演 - 西葉瑞希、南野巴那︵2024年公演︶ 高校2年生。アイドル部の部長を務め、アンズを含めた部員たちに厳しい指導をしている。 来栖トア 演 - 星守紗凪︵初演、追加公演︶、黒木美佑︵2024年公演︶、西田有愛︵2024年公演︶ 高校1年生。アンズに憧れて学院の芸能コースに入り、1年生ながら前列に抜擢された。 鈴賀レナ 演 - 三田美吹︵初演、2024年公演︶、鈴木まゆり︵追加公演︶、加藤夕夏︵2024年公演︶ 高校2年生。アンズの遊び仲間で、チームワークを重んじる性格。自己主張は少ないが、歌唱の実力を秘めている。 晴風サヤカ 演 - 青山瑠里︵初演、追加公演︶、西田ひらり︵2024年公演︶、山本愛梨︵2024年公演︶ 高校2年生。レナと対照的に自己主張が強く、実力はあるが突っ走り気味なところがあり、よくミスズから指摘されている。教員
滝沢キョウカ 演 - 岡村さやか[注釈 7] 学院の理事長で、アンズの母親。アイドル部を使って学院の知名度を引き上げることを重要視しており、伝統や品位よりも結果を求めている。椿咲花女子高校
兵庫県にある、伝統と格式、品格を重んじる進学校。昨今の少子化のあおりを受け、入学希望者数が減少しつつある。椿咲花女子高校アイドル部
ルリカの提案によって設立された、アイドル活動を行うクラブ。
椿ルリカ
演 - 堀内まり菜
高校2年生。理事長であるマドカの娘。理事長の娘として学年トップの成績を維持し続ける秀才だが、アンズのアイドル活動に魅せられ、次第に変わっていく。お嬢様であるが、明るく快活な人となりで、無垢な行動力で周囲を引っ張っていく。
皇ユズハ
演 - 浅井七海︵当時AKB48︶[4]、鈴木まゆり︵2024年公演︶
高校2年生。ユズハの幼馴染で、まじめな性格。仲良しのルリカがアンズに惹かれていることに複雑な思いを感じている。
北条ユキノ
演 - 杏ジュリア、寺田光︵2024年公演︶
高校1年生。ルリカに心酔に近い憧れの感情を抱いている。
天草ヒカル
演 - 小山璃奈、春名真依︵2024年公演︶
高校2年生。男勝りなさっぱりとした性格。スポーツ万能で、バスケットボール部に所属している。
三笠マーヤ
演 - 佐藤美波︵AKB48︶[4]、松澤可苑︵2024年公演︶
高校2年生。アニメやアイドルが大好きな不思議系。天然な発言が多く、良くヒカルにツッコミを入れられている。
教員
椿マドカ 演 - 蒼乃夕妃 高校の理事長で、ルリカの母親。将来は、伝統ある高校の理事長をルリカに継いでもらおうと思っているが、入学希望者数が落ち込んでいることに頭を悩ませている。ディスコグラフィ
テーマソングCD
タイトル | 発売日 | 規格品番 | 備考 |
---|---|---|---|
未完成ドリーム! | 2022年12月10日[5] | LACZ-10123 | 作詞:畑亜貴、作曲:小島良太、編曲:久下真音 |
Track | 曲名 | 歌 |
---|---|---|
1 | 未完成ドリーム! | Track2とTrack3の計10名 |
2 | 未完成ドリーム!(椿咲花女子高等学校Ver.) | |
3 | 未完成ドリーム!(滝桜女学院高等学校Ver.) | |
4 | 未完成ドリーム!(Off Vocal) |
CDアルバム
タイトル | 発売日 | 規格品番 | 備考 |
---|---|---|---|
スクールアイドルミュージカル | 2023年5月10日[5] | LACA-25051 | 劇中歌等が収録された事実上のサントラ盤だが、「未完成ドリーム!」は未収録。 |
- CDアルバム収録曲(全30曲)のクレジット
- 『オーバーチュア(instrumental)』『アントラクト(instrumental)』『Bows メガミックス(instrumental)』 - 作曲・編曲:小島良太
- 『きらりひらり舞う桜』『君と見る夢(文化祭 Ver.)』 - 作詞:岸本功喜、作曲:小島良太、編曲:久下真音
- 『きらりひらり舞う桜 Reprise』 - 作詞:岸本功喜、作曲:小島良太、編曲:小島良太 / 久下真音
- その他24曲 - 作詞:岸本功喜、作曲・編曲:小島良太
Tr. | 曲名 | 歌(出演者の苗字) | その他 歌 | |||||||||
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堀内 | 浅井 | 杏 | 小山 | 佐藤 | 関根 | 西葉 | 星守 | 三田 | 青山 | |||
1 | オーバーチュア(instrumental) | |||||||||||
2 | きらりひらり舞う桜 | ○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
アンサンブルキャスト8名
| |||||
3 | あなたがセンター | ○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
岡村さやか(滝沢キョウカ役) アンサンブルキャスト8名 | |||||
4 | 夢見る世界 | ○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
アンサンブルキャスト8名 | |||||
5 | 伝統の系譜 | ○ |
蒼乃夕妃(椿マドカ役) | |||||||||
6 | 目指せメジャーデビュー | ○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
アンサンブルキャスト8名 | |||||
7 | 輝かしい未来 | ○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
岡村さやか(滝沢キョウカ役) アンサンブルキャスト8名 | |||||
8 | なりたい自分 | ○ |
||||||||||
9 | きらりひらり舞う桜 Reprise | ○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
アンサンブルキャスト2名
| |
10 | わが校の流儀 | ○ |
蒼乃夕妃(椿マドカ役) 岡村さやか(滝沢キョウカ役) アンサンブルキャスト6名
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11 | それぞれの役割 | ○ |
岡村さやか(滝沢キョウカ役) | |||||||||
12 | 平凡な未来 | ○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
アンサンブルキャスト8名 | |||||
13 | 噂の転校生 | アンサンブルキャスト8名 | ||||||||||
14 | 発足!椿咲花アイドル部 | ○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
アンサンブルキャスト8名 |
Tr. | 曲名 | 歌(出演者の苗字) | その他 歌 | |||||||||
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堀内 | 浅井 | 杏 | 小山 | 佐藤 | 関根 | 西葉 | 星守 | 三田 | 青山 | |||
15 | アントラクト(instrumental) | |||||||||||
16 | 新しいチャンス | ○ |
○ |
○ |
○ |
岡村さやか(滝沢キョウカ役) アンサンブルキャスト8名 | ||||||
17 | 親友 | ○ |
○ |
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18 | 目指せメジャーデビュー Reprise | ○ |
○ |
○ |
○ |
アンサンブルキャスト8名 | ||||||
19 | 深まる仲 | ○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
アンサンブルキャスト8名 | ||||
20 | 伝統の系譜 Reprise | ○ |
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21 | なくして初めて気づくこと | アンサンブルキャスト8名 | ||||||||||
22 | 君と見る夢 | ○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
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23 | 君と見る夢 Reprise | ○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
岡村さやか(滝沢キョウカ役) | ||||
24 | 明日はきっと | ○ |
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25 | いつかわたしも | アンサンブルキャスト8名 | ||||||||||
26 | ゆめの羅針盤 | ○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
アンサンブルキャスト8名 (曲名の読み:ゆめのコンパス) | |||||
27 | 真っ白なキャンバス | ○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
アンサンブルキャスト8名 |
28 | Bows メガミックス(instrumental) | |||||||||||
29 | 君と見る夢(文化祭 Ver.) | ○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
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30 | ゆめの羅針盤(文化祭 Ver.) | ○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
アンサンブルキャスト8名 |
脚注
注釈
(一)^ 札幌市を本拠地とする流通グループ・アークスグループの親会社とは一切無関係である。
(二)^ 岸本功喜は脚本・演出家であり、兵庫県西宮市に所在するミュージカル専門スクールのアークスミュージカル︵RKX Musical︶代表およびその運営会社であるアークスインターナショナル︵RKX INTERNATIONAL︶代表取締役を兼任。本作における劇中歌の作詞も担当している。
(三)^ 小島良太︵同姓同名の調教助手とは別人︶は元劇団四季団員の作曲家であり、ミュージカル魔女の宅急便︵2017年版︶等を岸本と共作している他、アークスミュージカルでは音楽監督を務める。本作では劇中歌およびテーマソングの作曲を担当する。
(四)^ ストーリーが発表された順として。プロジェクト発表順としては先になる﹃ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ﹄の舞台の石川県も、西日本に分類されることがある。
(五)^ 2024年公演直前に開催された﹃異次元フェス アイドルマスター ラブライブ!歌合戦﹄でのゲスト出演が、唯一のライブ活動となっている。
(六)^ ab初演時から舞台セットや演出が変更されたツアーバージョンの舞台演出での上演となる。
(七)^ 元熊本放送社員・アナウンサーの岡村清香とは別人。本人は2007年デビューの女優であり、﹃レ・ミゼラブル﹄﹃ミス・サイゴン﹄﹃美少女戦士セーラームーン〜かぐや姫の恋人﹄等のミュージカル作品に出演。ドルチェスターに所属する。
出典
- ^ アークスインターナショナルについて - 公式ホームページ
- ^ パンフレットより
- ^ 完全新作ミュージカル『スクールアイドルミュージカル』の初報をお知らせ - 公式Twitter
- ^ a b “佐藤美波がラブライブ!シリーズのミュージカルに出演「私の存在は消して演じるべきだと思う」”. ウォーカープラス (2022年12月6日). 2024年5月2日閲覧。
- ^ a b 音楽商品 「スクールアイドルミュージカル」公式サイト