「ホオズキ」の版間の差分
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{{生物分類表 |
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| 名称 = ホオズキ |
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| 画像キャプション = ホオズキの実 |
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| 種 = ホオズキ(母種) ''Alkekengi officinarum'' |
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| 学名 = {{Snamei||Alkekengi officinarum}} {{AU|Moench}} var. {{Snamei|franchetii}} ({{AU|Mast.}}) {{AU|R.J.Wang}} {{small|(2014)}}<ref name="YList">{{YList|id=5720|taxon=Alkekengi officinarum Moench var. franchetii (Mast.) R.J.Wang ホオズキ(標準)|accessdate=2023-02-04}}</ref> |
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| シノニム = |
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* {{Snamei|Physalis alkekengi}} {{AU|L.}} var. {{Snamei|franchetii}} ({{AU|Mast.}}) {{AU|Makino}} {{small|(1907)}}<ref name="YList_47031">{{YList|id=47031|taxon=Physalis alkekengi L. var. franchetii (Mast.) Makino ホオズキ(シノニム)|accessdate=2023-02-04}}</ref> |
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'''ホオズキ'''︵'''鬼灯'''、'''酸漿'''︶は、[[ナス科]][[ホオズキ属]]の[[多年草]]。またはその[[果実]]。'''カガチ、ヌカヅキ'''とも |
'''ホオズキ'''︵'''鬼灯'''、'''鬼燈'''、'''酸漿'''︶は、[[ナス科]][[ホオズキ属]]の[[一年草]]または[[多年草]]<ref name="sapporo-park">{{Cite web|和書|url=https://www.sapporo-park.or.jp/toyohira/control-panel/wp-content/uploads/2014/07/tayori185.pdf |title=緑のセンターだより No.185 |publisher=札幌市公園緑化協会豊平公園緑のセンター |accessdate=2019-10-04}}</ref>。またはその[[果実]]。'''カガチ、ヌカヅキ'''ともいう。'''丹波ホオズキ'''などともよばれる{{sfn|堀川実加|小嶋道之|2013|p=1}}。
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== 概要 == |
== 概要 == |
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従来のホオズキ属︵''[[:w:Physalis|Physalis]]''︶は[[アメリカ大陸]]、[[アジア]]、[[ヨーロッパ]]に100種あまりが存在する<ref name="sapporo-park" />。2016年、遺伝子分析からホオズキは ''Physalis''属から独立し、従来の種小名を属名とした新たな学名が与えられた<ref>{{Cite journal |last=Whitson |first=Maggie |date=April 2011 |title=(2016) Proposal to conserve the name Physalis ( Solanaceae ) with a conserved type |url=https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/tax.602047 |journal=Taxon |language=en |volume=60 |issue=2 |pages=608–609 |doi=10.1002/tax.602047}}</ref>。これに伴い、ホオズキ属はホオズキのみの[[単型 (分類学)|単型]]となった。
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ホオズキ (''Physalis alkekengi'' var. ''franchetii'') は多年草で、草丈は60cmから80cm位になる。淡い黄色の花を6月から7月ころ咲かせる。この開花時期にあわせて日本各地で﹁ほおずき市﹂が開催されている。中でも、7月初旬に開かれる[[東京]][[浅草寺]]のものは江戸時代から続いており<ref>[http://www.asakusa-kankou.com/schedule/hoozuki/ 四万六千日とほおずき市]︵浅草観光.com︶</ref><ref>[http://www.senso-ji.jp/annual_event/shimanrokusennich.html 年中行事 四万六千日]︵浅草寺公式サイト︶</ref>、60万人にのぼる人出がある有名なものである<ref>[http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090709/trd0907091047002-n1.htm 鮮やか、涼やか、夏到来 東京・浅草でほおずき市始まる]︵msn産経ニュース、2009年7月9日︶</ref>。花の咲いた後に六角状の萼︵がく︶の部分が発達して果実を包み袋状になり、熟すとオレンジ色になる。食用や薬用としても知られているが、腹痛が起きることがあり特に妊娠中の女性は禁物である。
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ホオズキ (''Alkekengi officinarum'' var. ''franchetii'') は[[日本]]の北海道、本州、四国などを原産地とする一年草または多年草である<ref name="sapporo-park" />。草丈は60[[センチメートル]] (cm) から80 cm位になる。淡い黄色の花を6月から7月ごろに咲かせる。この開花時期に合わせて日本各地で「ほおずき市」が開催されている。開花と果実の見頃を含めると6 - 9月。 |
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観賞用としてのホオズキは、鉢植えや[[ドライフラワー]]などに用いられ、その愛好家も多い。果実は、以前はホオズキ人形や口で音を鳴らすなど子供の遊びにも使われていた。
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花の咲いた後に六角状の萼︵がく︶の部分が発達して果実を包み袋状になり、熟すとオレンジ色になる。 この際、ホオズキは萼が赤くなる{{sfn|堀川実加|小嶋道之|2013|p=1}}。
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本種を含む日本在来種のホオズキは観賞用として栽培され、普通は食用にされることはない{{sfn|堀川実加|小嶋道之|2013|p=1}}。[[第二次世界大戦]]前の東京ではホオズキは[[青果物|青物類]]として青果市場で販売されていたが、[[1941年]]にホオズキに[[公定価格]]が設定された際に[[草花|花卉類]]に分類された<ref>魚にも新マル公実施︵昭和16年8月30日 朝日新聞︵夕刊︶︶﹃昭和ニュース辞典第7巻 昭和14年-昭和16年﹄p157 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年</ref>。
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種や株分けで増やすことができるが、ナス科植物との[[連作|連作障害]]があり、連作障害は不完全菌のバーティシリウム ダーリエ''(Verticillium dahliae)''<ref>[http://www.takii.co.jp/flower/bugs/hoozuki/disease/hanshinichou/index.html ホオズキ 半身萎凋病] タキイ種苗</ref>によって生じる。[[アメリカ合衆国|アメリカ]]原産のセンナリホオズキ''(Physalis angulata)''が日本で野生化している。近年は[[ペルー]]原産のショクヨウホオズキ ''(Physalis pruinosa)''が日本でも栽培され始めている︵後述︶。しかし、[[ダイズ]]栽培圃場では近縁種のヒロハフウリンホオズキ''(Physalis angulata)''<ref>[http://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/80310.html ヒロハフウリンホオズキ] 国立環境研究所 侵入生物DB</ref>やオオイヌホオズキ''(S. nigrescens)''などが厄介な雑草として駆除が行われている<ref>{{PDFlink|[http://www.pref.aichi.jp/byogaichu/tebiki/1wadainobyougaityuu/wadai(2).pdf ホオズキ類の発生と防除]}} 愛知県</ref>。
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一般的に栽培されているホオズキには毒性があり、食用にしてはならない。特に妊娠中の女性が摂取すると子宮収縮作用で流産を誘発するおそれがある。 |
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近縁種の''Physalis''属には食用に適した種があり、{{仮リンク|ショクヨウホオズキ|en|Physalis pruinosa}}や[[ブドウホオズキ]]{{sfn|堀川実加|小嶋道之|2013|p=1}}(シマホオズキ等の名で呼ばれる)、[[トマティーヨ|オオブドウホオズキ(トマティーヨ)]]などは口にしても問題ない。 |
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ホオズキは、鉢植えや[[ドライフラワー]]などに用いられ、その愛好家も多い。通常は観賞用だが、果実はホオズキ人形にしたり、中身を取り除いて口に含んで音を鳴らす、[[風船]]のように膨らませる<ref>[https://www.sankei.com/article/20170920-QDPYFDNZPZPODE26MGFQRZHRBQ/ ︻料理と酒︼鬼灯ご膳 フルーツトマトの赤ワイン煮]産経ニュース︵2017.9.20︶2019年5月21日閲覧。</ref>など子供の遊びに使われていた<ref name="sapporo-park" />。
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⚫ | [[ニジュウヤホシテントウ]]の寄主植物の一つで、葉には[[ルテオリン]]7–O–[[グルコシド]]という摂食刺激物質を含んでいる<ref>[https://doi.org/10.1303/jjaez.2005.251 ホオズキ葉から分離されたニジュウヤホシテントウの摂食刺激因子] 『日本応用動物昆虫学会誌』 Vol. 49 (2005) No. 4、pp. 251 - 254</ref>。 |
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* 観賞用 (園芸) 品種 |
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*: 毒性及び苦みがあり食用にならない。 |
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*: ホオズキは、世界中でその土地の環境に応じて変化し約80種類が分布している。 |
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*: 実の大きいタンバホオズキ、矮性種の三寸ホオズキ |
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* 食用の近縁種 ショクヨウホオズキ ''(Physalis pruinosa)'' |
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*: 食用にされる。甘酸っぱい。 |
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*: ヨーロッパでは古くから栽培されていて、[[秋田県]][[上小阿仁村]]の特産品。北海道では[[1995年]]から[[由仁町]]、[[江別市]]などでも生産される。[[山形県]][[上山市]]では、ゆかたの似合うまちづくりの一環として、[[上山明新館高校]]と協力して特産品化、ブランド化をはかっている。旬は秋。袋が茶褐色に変わり中の直径2cmから3cm位の実が黄色くなって食べ頃を迎える。ストロベリートマトという名前で出荷されている。
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== 名 |
== 名称 == |
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「ほほづき」の名は、その実の赤くふっくらした様子から頬を連想したもの(「づき」は「顔つき」「目つき」の「つき」か)と |
﹁ほほづき﹂の名は、その実の赤くふっくらした様子から[[頬]]を連想したもの︵﹁づき﹂は﹁顔つき﹂﹁目つき﹂の﹁つき﹂か︶という<ref name="ngdj">﹃日本語源大辞典﹄ 2005年 小学館 1002ページ</ref>。同じく赤い果実から﹁ほほ﹂は﹁火々﹂であり﹁つき﹂は染まる意味であるともいう<ref name="sapporo-park" />。また果実を鳴らして遊ぶ子供たちの様子から﹁頬突き﹂の意であるともいう<ref name="sapporo-park" /><ref name="ngdj"/>。
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ほかにはホホ︵蝥、[[カメムシ]]の類︶という虫がつくことを指すとする説もある<ref name="ngdj"/>。ちなみに、ホオズキにしばしば群生するヘリカメムシ科のカメムシは、今日[[ホオズキカメムシ]]との和名を与えられている。
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ほかにはホホ︵蝥、[[カメムシ]]の類︶という虫がつくことを指すとする説もある<ref name="ngdj"/>。ちなみに、ホオズキにしばしば群生するヘリカメムシ科のカメムシは、今日[[ホオズキカメムシ]]との和名を与えられている。
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漢字では「酸漿」のほか「鬼灯」とも書く。中国 |
漢字では﹁酸漿﹂のほか﹁鬼灯﹂﹁鬼燈﹂とも書く。中国の方言では[[:zh:酸浆|酸漿]]の名のほかに﹁天泡﹂︵四川︶﹁錦燈籠﹂︵広東、陝西︶﹁泡々草﹂︵江西︶﹁紅姑娘﹂︵東北、河北︶などとも言い、英語では '''Chinese lantern plant''' ともよばれている。
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古語では「赤加賀智(アカガチ)<ref name="sapporo-park" />」「輝血(カガチ)」「赤輝血(アカカガチ)」とも呼ばれていた。[[八岐大蛇]]のホオズキのように赤かった目が由来とされている。 |
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種や株分けで増やすことができるが、ナス科植物との[[連作|連作障害]]があり、連作障害は不完全菌のバーティシリウム ダーリエ''(Verticillium dahliae)''<ref>[http://www.takii.co.jp/flower/bugs/hoozuki/disease/hanshinichou/index.html ホオズキ 半身萎凋病] [[タキイ種苗]]</ref>によって生じる。 |
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== 薬効・毒性 == |
== 薬効・毒性 == |
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地下茎および根は'''酸漿根'''(さんしょうこん)という生薬名で |
地下茎および根は'''酸漿根'''(さんしょうこん)という生薬名でよばれている。 |
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ナス科植物の例に漏れず、全草に微量の[[アルカロイド]]が含まれている。特に酸漿根の部分には[[子宮]]の緊縮作用がある[[ヒストニン]]が含まれており、妊娠中の女性が服用した場合、[[流産]]の恐れがある。 |
ナス科植物の例に漏れず、全草に微量の[[アルカロイド]]や[[ソラニン]]が含まれている。特に酸漿根の部分には[[子宮]]の緊縮作用がある[[ヒストニン]]が含まれており、妊娠中の女性が服用した場合、[[流産]]の恐れがある。 |
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[[平安時代]]より鎮静剤として利用されており、[[江戸時代]]には堕胎剤として利用されていた。現在も[[咳]]や[[痰]]、解熱、[[冷え性]]などに効果があるとして、全草を干して煎じて飲む風習がある地方が存在する。
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[[平安時代]]より鎮静剤として利用されており、[[江戸時代]]には[[堕胎]]剤として利用されていた。現在も[[咳]]や[[痰]]、解熱、[[冷え性]]などに効果がある[[民間薬]]として、全草を干して煎じて飲む風習がある地方が存在する。
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== |
== 文化 == |
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=== 鬼灯 === |
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[[日本]]の仏教習俗である[[お盆]]では、ガクに包まれたホオズキの果実を死者の[[霊]]を導く[[提灯]]に見立て、枝付きで[[精霊棚]](盆棚)に飾る。 |
[[日本]]の仏教習俗である[[お盆]]では、ガクに包まれたホオズキの果実を死者の[[霊]]を導く[[提灯]]に見立て、枝付きで[[精霊棚]]︵盆棚︶に飾る。ほおずきに﹁鬼灯﹂の字を当てるのは、盆に先祖が帰ってくるとき目印となる提灯の代わりとして飾られたことに由来する<ref name="sapporo-park" />。
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=== ほおずき市 === |
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歴史的には﹁ほおずき市﹂は[[東京都]][[港区 (東京都)|港区]][[芝 (東京都港区)|芝]]の[[愛宕神社 (東京都港区)|愛宕神社]]の縁日に由来するといわれている<ref name="sapporo-park" />。愛宕神社の縁日では﹁ほおずきを水で鵜呑みにすると、大人は癪︵しゃく︶を切り、子供は虫の気を去る﹂と言われていた<ref name="sapporo-park" />。
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東京都[[台東区]]・[[浅草寺]]の﹁ほおずき市﹂は特に有名になっている<ref name="sapporo-park" />。毎年[[7月9日]]、[[7月10日]]に開催され60万人にのぼる人出がある<ref>{{Cite web|和書| url = http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090709/trd0907091047002-n1.htm| archiveurl = https://web.archive.org/web/20090713065816/http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090709/trd0907091047002-n1.htm| title = 鮮やか、涼やか、夏到来 東京・浅草でほおずき市始まる| website = [[MSN産経ニュース]]| date = 2009-7-9| accessdate = 2009-7-9| archivedate = 2009-7-13| deadlinkdate = 2019年4月30日
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⚫ | [[ニジュウヤホシテントウ]]の寄主植物の |
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}}</ref>。浅草寺では古くから観音様の縁日が開かれていたが、室町時代以降に﹁功徳日﹂の風習が加わり、特に7月10日には千日分の功徳が得られるといわれた<ref name="sapporo-park" />。この功徳日は享保年間の頃には﹁四万六千日﹂︵46,000日分の御利益の意味︶と呼ばれるようになった<ref name="sapporo-park" />。浅草寺のほおずき市は約200年前の[[明和]]年間に始まったとされ、[[山東京伝]]の﹃蜘蛛の糸巻﹄によると、[[芝 (東京都港区)]]・[[青松寺]]の門前の武家屋敷に奉公する中間︵使用人︶が[[愛宕権現]]の霊夢を見た翌朝、庭で一株の千成りほおずきを発見し、﹁6月24日の功徳日に青ほおずきの実を愛宕の神前で鵜呑みにすれば、大人は[[癪]]の種︵腹の立つ原因︶を切り、子供は[[疳の虫|虫の気]]を封ずる﹂というお告げがあったと吹聴したところ、不思議と効能があったため、いつしか﹁御夢想の虫薬﹂と称して、青ほおずきの市が[[境内]]に立つようになり、さらに6月24日が[[観音菩薩|観音様]]の四万六千日の[[功徳]]日であったことから浅草でもほおずき市が始まり、愛宕より盛大になったという<ref name=asakusa>[http://www.asakusa.gr.jp/calender/month07.html 浅草暦]浅草大百科</ref>。また、江戸時代には、青ほおずきは解熱剤や婦人の胎熱に特効があると言われていた<ref name=asakusa />。
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: ほおずき市が開催される主な場所 |
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* [[信松院]](7月10日)<ref>{{Cite web|和書|url=http://shinshouin.or.jp/YearPlanner.html |title=信松院の年中行事 |publisher=信松院 |accessdate=2019-10-04}}</ref> |
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* 朝日神社(7月上旬の金曜・土曜日)<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.asahi-jinjya.com/gyouji.html |title=年中行事 |publisher=六本木 朝日神社 |accessdate=2019-10-04}}</ref> |
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* [[深大寺鬼燈まつり]] |
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== 近縁種との区別 == |
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* {{仮リンク|ヒロハフウリンホオズキ|en|Physalis angulata}}(''Physalis angulata'')は熱帯アメリカ原産で世界各地に広く帰化植物として分布しており<ref name="sapporo-park" /> 、日本でも野生化しており、センナリホオズキの名でも知られる。実が熟した際にも萼は緑色である{{sfn|堀川実加|小嶋道之|2013|p=1}}。[[ダイズ|大豆]]栽培圃場では厄介な雑草として扱われる<ref>[https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/80310.html ヒロハフウリンホオズキ] [[国立環境研究所]] 侵入生物DB</ref>。
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* ショクヨウホオズキ︵食用ホオズキ、''Physalis pruinosa''︶は北アメリカから熱帯アメリカ原産で、果実は生食のほかソースや砂糖漬け、ジャムなどに加工される<ref name="sapporo-park" /><ref name="成美堂出版2012"/>。別名で﹁フィサリス﹂の名でも流通する食用品種で、観賞用よりも実の色が薄く苦味がない<ref name="成美堂出版2012">猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 ﹃かしこく選ぶ・おいしく食べる 野菜まるごと事典﹄成美堂出版、2012年7月10日、215頁。ISBN 978-4-415-30997-2。</ref>。食用とする部分は萼の中にある黄褐色の果実で<ref name="講談社2013">{{Cite book|和書|editor =講談社|title = からだにやさしい旬の食材 野菜の本|date=2013-05-13|publisher = [[講談社]]|isbn=978-4-06-218342-0|page=223}}</ref>、ほのかな甘味と酸味があり<ref name="成美堂出版2012"/>、同じナス科の[[トマト]]︵ミニトマト︶や[[イチゴ]]に味・食感が似ている<ref name="講談社2013"/>。完熟すると糖度が15 - 16度にもなる<ref name="講談社2013"/>。[[旬]]は6 - 7月︵北半球の場合︶<ref name="講談社2013"/>。袋が茶褐色に変わり中の直径2 cmから3 cm位の実が黄色くなって食べ頃を迎える。ヨーロッパでは古くから栽培されていて、[[秋田県]][[上小阿仁村]]の特産品。北海道では[[1995年]]から[[由仁町]]、[[江別市]]などでも生産される。[[山形県]][[上山市]]では、[[浴衣|ゆかた]]の似合うまちづくりの一環として、[[上山明新館高校]]と協力して特産品化、ブランド化をはかっている。
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* ブドウホオズキ(''Physalis peruviana'')は南アメリカ原産で、チェリートマトという異名もある{{sfn|堀川実加|小嶋道之|2013|p=1}}。日本では一般的にゴールデンベリーという品種が栽培されている{{sfn|堀川実加|小嶋道之|2013|p=1}}。生食されるほか、ドライフルーツ、「ホオズキのワイン」などに加工されている<ref>{{Cite web|和書|title = ホオズキワイン:自社生産品加工、600本限定 紀北の会社が発売 /三重 - 毎日新聞|url = https://mainichi.jp/articles/20190425/ddl/k24/040/223000c|date = 2019-04-25|website = 毎日新聞|accessdate = 2022-1-29|ref=harv}}</ref><ref>[https://www.sankei.com/article/20190426-OM7CURAQ75OBJJEJOYQ4MBGWQA/ 世界初、ホオズキのワイン 三重・紀北町の「デアルケ」が通販開始][[産経新聞]]ニュース(2019.4.26)2019年5月21日閲覧。</ref>。 |
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* [[イヌホオズキ]]︵''Solanum nigrum''︶や{{仮リンク|オオイヌホオズキ|en|Solanum nigrescens}}︵''Solanum nigrescens''︶などは、ホオズキの和名を持つが[[ナス属]]の植物でありホオズキ属ではない。ただし、[[ナス科]]ではあるため比較的近縁の種である。
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== ギャラリー == |
== ギャラリー == |
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== 脚注 == |
== 脚注・出典 == |
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== 参考文献 == |
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* {{Cite journal|和書|title = ゴールデンベリーの機能性成分含量および抗酸化活性|year = 2013|journal = 帯広畜産大学学術研究報告(Web)|issn = 1348-5261|volume = 34|pages = 1-9|author = 堀川実加|authorlink = 堀川実加|author2 = 小嶋道之|authorlink2 = 小嶋道之|ref=harv}} |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
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{{Commons&cat|article=Physalis alkekengi|category=Physalis alkekengi|title=ホオズキ}} |
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{{Wiktionary|ほおずき|あかかがち}} |
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* [[草の一覧]] |
* [[草の一覧]] |
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* [[海ほおずき]] |
* [[海ほおずき]] |
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* [[提灯小僧]] - 妖怪の一種。その顔の赤さがよくほおずきにたとえられる |
* [[提灯小僧]] - [[妖怪]]の一種。その顔の赤さがよくほおずきにたとえられる |
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{{DEFAULTSORT:ほおすき}} |
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[[Category:有毒植物]] |
[[Category:有毒植物]] |
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[[Category:縁起物]] |
[[Category:縁起物]] |
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[[en:Physalis alkekengi]] |
2024年2月1日 (木) 08:24時点における最新版
ホオズキ | |||||||||||||||||||||
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![]() ホオズキの実 | |||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Alkekengi officinarum Moench var. franchetii (Mast.) R.J.Wang (2014)[1] | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
ホオズキ(鬼灯、酸漿) タンバホオズキ[1]、カガチ、ヌカヅキ | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
Chinese lantern plant |