出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
|
|
75行目: |
75行目: |
|
|
|
|
|
== 近縁種との区別 == |
|
== 近縁種との区別 == |
|
* {{仮リンク|ヒロハフウリンホオズキ|en|Physalis angulata}}(''Physalis angulata'')は熱帯アメリカ原産で世界各地に広く帰化植物として分布しており<ref name="sapporo-park" /> 、日本でも野生化しており、センナリホオズキの名でも知られる。実が熟した際にも萼は緑色である{{sfn|堀川実加|小嶋道之|2013|p=1}}。[[ダイズ|大豆]]栽培圃場では厄介な雑草として扱われる<ref>[http://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/80310.html ヒロハフウリンホオズキ] [[国立環境研究所]] 侵入生物DB</ref>。
|
|
* {{仮リンク|ヒロハフウリンホオズキ|en|Physalis angulata}}(''Physalis angulata'')は熱帯アメリカ原産で世界各地に広く帰化植物として分布しており<ref name="sapporo-park" /> 、日本でも野生化しており、センナリホオズキの名でも知られる。実が熟した際にも萼は緑色である{{sfn|堀川実加|小嶋道之|2013|p=1}}。[[ダイズ|大豆]]栽培圃場では厄介な雑草として扱われる<ref>[https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/80310.html ヒロハフウリンホオズキ] [[国立環境研究所]] 侵入生物DB</ref>。
|
|
* ショクヨウホオズキ ''(Physalis pruinosa)''は北アメリカから熱帯アメリカ原産で、果実は生食のほかソースや砂糖漬けなどに加工される<ref name="sapporo-park" />。同じナス科の[[トマト]](ミニトマト)に味・食感が似ている。旬は秋。袋が茶褐色に変わり中の直径2cmから3cm位の実が黄色くなって食べ頃を迎える。ストロベリートマトという名前で出荷されている{{要出典|date=2021年2月}}。ヨーロッパでは古くから栽培されていて、[[秋田県]][[上小阿仁村]]の特産品。北海道では[[1995年]]から[[由仁町]]、[[江別市]]などでも生産される。[[山形県]][[上山市]]では、[[浴衣|ゆかた]]の似合うまちづくりの一環として、[[上山明新館高校]]と協力して特産品化、ブランド化をはかっている。 |
|
* ショクヨウホオズキ ''(Physalis pruinosa)''は北アメリカから熱帯アメリカ原産で、果実は生食のほかソースや砂糖漬けなどに加工される<ref name="sapporo-park" />。同じナス科の[[トマト]](ミニトマト)に味・食感が似ている。旬は秋。袋が茶褐色に変わり中の直径2cmから3cm位の実が黄色くなって食べ頃を迎える。ストロベリートマトという名前で出荷されている{{要出典|date=2021年2月}}。ヨーロッパでは古くから栽培されていて、[[秋田県]][[上小阿仁村]]の特産品。北海道では[[1995年]]から[[由仁町]]、[[江別市]]などでも生産される。[[山形県]][[上山市]]では、[[浴衣|ゆかた]]の似合うまちづくりの一環として、[[上山明新館高校]]と協力して特産品化、ブランド化をはかっている。 |
|
* ブドウホオズキ ''(Physalis peruviana)''は南アメリカ原産で、チェリートマトという異名もある{{sfn|堀川実加|小嶋道之|2013|p=1}}。日本では一般的にゴールデンベリーという品種が栽培されている{{sfn|堀川実加|小嶋道之|2013|p=1}}。生食されるほか、ドライフルーツ、「ホオズキのワイン」などに加工されている<ref>{{Cite web|title = ホオズキワイン:自社生産品加工、600本限定 紀北の会社が発売 /三重 - 毎日新聞|url = https://mainichi.jp/articles/20190425/ddl/k24/040/223000c|date = 2019-04-25|website = 毎日新聞|accessdate = 2022-1-29|ref=harv}}</ref><ref>[https://www.sankei.com/region/news/190426/rgn1904260009-n1.html 世界初、ホオズキのワイン 三重・紀北町の「デアルケ」が通販開始][[産経新聞]]ニュース(2019.4.26)2019年5月21日閲覧。</ref>。 |
|
* ブドウホオズキ ''(Physalis peruviana)''は南アメリカ原産で、チェリートマトという異名もある{{sfn|堀川実加|小嶋道之|2013|p=1}}。日本では一般的にゴールデンベリーという品種が栽培されている{{sfn|堀川実加|小嶋道之|2013|p=1}}。生食されるほか、ドライフルーツ、「ホオズキのワイン」などに加工されている<ref>{{Cite web|title = ホオズキワイン:自社生産品加工、600本限定 紀北の会社が発売 /三重 - 毎日新聞|url = https://mainichi.jp/articles/20190425/ddl/k24/040/223000c|date = 2019-04-25|website = 毎日新聞|accessdate = 2022-1-29|ref=harv}}</ref><ref>[https://www.sankei.com/region/news/190426/rgn1904260009-n1.html 世界初、ホオズキのワイン 三重・紀北町の「デアルケ」が通販開始][[産経新聞]]ニュース(2019.4.26)2019年5月21日閲覧。</ref>。 |
2022年4月24日 (日) 00:18時点における版
ホオズキ
|
ホオズキの実
|
分類
|
|
学名
|
Physalis alkekengi var. franchetii
|
和名
|
ホオズキ(鬼灯、酸漿) カガチ、ヌカヅキ
|
英名
|
Chinese lantern plant
|
ホオズキ︵鬼灯、鬼燈、酸漿︶は、ナス科ホオズキ属の一年草または多年草[1]。またはその果実。カガチ、ヌカヅキとも言う。丹波ホオズキなどとも呼ばれる。
概要
ホオズキ属にはアメリカ大陸、アジア、ヨーロッパに100種あまりが存在する[1]。このうちホオズキ (Physalis alkekengi var. franchetii) は日本の北海道、本州、四国などを原産地とする一年草または多年草である[1]。草丈は60cmから80cm位になる。淡い黄色の花を6月から7月頃に咲かせる。この開花時期に合わせて日本各地で﹁ほおずき市﹂が開催されている。開花と果実の見頃を含めると6~9月。
花の咲いた後に六角状の萼︵がく︶の部分が発達して果実を包み袋状になり、熟すとオレンジ色になる。 この際、ホオズキは萼が赤くなる。
本種を含む日本在来種のホオズキは観賞用として栽培され、普通は食用にされることはない。
第二次世界大戦前、東京ではホオズキを青物類として青果市場で売りさばかれていたが、1941年、ホオズキに公定価格が設定された際に警視庁経済保安課は花卉類として整理した経緯がある[3]。
毒性があり、特に妊娠中の女性の摂取は子宮収縮作用で流産となるため禁物である。
同じホオズキ属にはショクヨウホオズキ︵英語版︶やブドウホオズキ︵シマホオズキ等の名で呼ばれる︶、オオブドウホオズキ︵トマティーヨ︶など、果実が食用に適した種もある。
ホオズキは、鉢植えやドライフラワーなどに用いられ、その愛好家も多い。通常は観賞用だが、果実はホオズキ人形にしたり、中身を取り除いて口に含んで音を鳴らす、風船のように膨らませる[4]など子供の遊びに使われていた[1]。
ニジュウヤホシテントウの寄主植物の一つで、葉にはルテオリン7–O–グルコシドという摂食刺激物質を含んでいる[5]。
名称
﹁ほほづき﹂の名は、その実の赤くふっくらした様子から頬を連想したもの︵﹁づき﹂は﹁顔つき﹂﹁目つき﹂の﹁つき﹂か︶という[6]。同じく赤い果実から﹁ほほ﹂は﹁火々﹂であり﹁つき﹂は染まる意味であるともいう[1]。また果実を鳴らして遊ぶ子供たちの様子から﹁頬突き﹂の意であるともいう[1][6]。
ほかにはホホ︵蝥、カメムシの類︶という虫がつくことを指すとする説もある[6]。ちなみに、ホオズキにしばしば群生するヘリカメムシ科のカメムシは、今日ホオズキカメムシとの和名を与えられている。
漢字では﹁酸漿﹂のほか﹁鬼灯﹂﹁鬼燈﹂とも書く。中国の方言では酸漿の名のほかに﹁天泡﹂︵四川︶﹁錦燈籠﹂︵広東、陝西︶﹁泡々草﹂︵江西︶﹁紅姑娘﹂︵東北、河北︶などとも言い、英語では Chinese lantern plant とも呼ばれている。
古語では﹁赤加賀智︵アカガチ︶[1]﹂﹁輝血︵カガチ︶﹂﹁赤輝血︵アカカガチ︶﹂とも呼ばれていた。八岐大蛇のホオズキのように赤かった目が由来とされている。
栽培
種や株分けで増やすことができるが、ナス科植物との連作障害があり、連作障害は不完全菌のバーティシリウム ダーリエ(Verticillium dahliae)[7]によって生じる。
薬効・毒性
地下茎および根は酸漿根︵さんしょうこん︶という生薬名で呼ばれている。
ナス科植物の例に漏れず、全草に微量のアルカロイドやソラニンが含まれている。特に酸漿根の部分には子宮の緊縮作用があるヒストニンが含まれており、妊娠中の女性が服用した場合、流産の恐れがある。
平安時代より鎮静剤として利用されており、江戸時代には堕胎剤として利用されていた。現在も咳や痰、解熱、冷え性などに効果がある民間薬として、全草を干して煎じて飲む風習がある地方が存在する。
文化
鬼灯
日本の仏教習俗であるお盆では、ガクに包まれたホオズキの果実を死者の霊を導く提灯に見立て、枝付きで精霊棚︵盆棚︶に飾る。ほおずきに﹁鬼灯﹂の字を当てるのは、盆に先祖が帰ってくるとき目印となる提灯の代わりとして飾られたことに由来する[1]。
ほおずき市
歴史的には﹁ほおずき市﹂は東京都港区芝の愛宕神社の縁日に由来するといわれている[1]。愛宕神社の縁日では﹁ほおずきを水で鵜呑みにすると、大人は癪︵しゃく︶を切り、子供は虫の気を去る﹂と言われていた[1]。
東京都台東区・浅草寺の﹁ほおずき市﹂は特に有名になっている[1]。毎年7月9日、7月10日に開催され60万人にのぼる人出がある[8]。浅草寺では古くから観音様の縁日が開かれていたが、室町時代以降に﹁功徳日﹂の風習が加わり、特に7月10日には千日分の功徳が得られるといわれた[1]。この功徳日は享保年間の頃には﹁四万六千日﹂︵46,000日分の御利益の意味︶と呼ばれるようになった[1]。浅草寺のほおずき市は約200年前の明和年間に始まったとされ、山東京伝の﹃蜘蛛の糸巻﹄によると、芝 (東京都港区)・青松寺の門前の武家屋敷に奉公する中間︵使用人︶が愛宕権現の霊夢を見た翌朝、庭で一株の千成りほおずきを発見し、﹁6月24日の功徳日に青ほおずきの実を愛宕の神前で鵜呑みにすれば、大人は癪の種︵腹の立つ原因︶を切り、子供は虫の気を封ずる﹂というお告げがあったと吹聴したところ、不思議と効能があったため、いつしか﹁御夢想の虫薬﹂と称して、青ほおずきの市が境内に立つようになり、さらに6月24日が観音様の四万六千日の功徳日であったことから浅草でもほおずき市が始まり、愛宕より盛大になったという[9]。また、江戸時代には、青ほおずきは解熱剤や婦人の胎熱に特効があると言われていた[9]。
ほおずき市が開催される主な場所
●信松院︵7月10日︶[10]
●朝日神社︵7月上旬の金曜・土曜日︶[11]
●深大寺鬼燈まつり
近縁種との区別
●ヒロハフウリンホオズキ︵英語版︶(Physalis angulata)は熱帯アメリカ原産で世界各地に広く帰化植物として分布しており[1] 、日本でも野生化しており、センナリホオズキの名でも知られる。実が熟した際にも萼は緑色である。大豆栽培圃場では厄介な雑草として扱われる[12]。
●ショクヨウホオズキ (Physalis pruinosa)は北アメリカから熱帯アメリカ原産で、果実は生食のほかソースや砂糖漬けなどに加工される[1]。同じナス科のトマト︵ミニトマト︶に味・食感が似ている。旬は秋。袋が茶褐色に変わり中の直径2cmから3cm位の実が黄色くなって食べ頃を迎える。ストロベリートマトという名前で出荷されている[要出典]。ヨーロッパでは古くから栽培されていて、秋田県上小阿仁村の特産品。北海道では1995年から由仁町、江別市などでも生産される。山形県上山市では、ゆかたの似合うまちづくりの一環として、上山明新館高校と協力して特産品化、ブランド化をはかっている。
●ブドウホオズキ (Physalis peruviana)は南アメリカ原産で、チェリートマトという異名もある。日本では一般的にゴールデンベリーという品種が栽培されている。生食されるほか、ドライフルーツ、﹁ホオズキのワイン﹂などに加工されている[13][14]。
●イヌホオズキ(Solanum nigrum)やオオイヌホオズキ︵英語版︶(Solanum nigrescens)などは、ホオズキの和名を持つがナス属の植物でありホオズキ属ではない。ただし、ナス科ではあるため比較的近縁の種である。
ギャラリー
ホオズキの花
果実
赤い皮が網目状に透けて、赤い実が見える
鈴なりに生るホオズキの果実
浅草寺のほおずき市(2008年7月10日撮影)
浅草浅草寺のほおずき市の様子
脚注・出典
ウィキメディア・コモンズには、
ホオズキに関連する
メディアおよび
カテゴリがあります。